ひとり山歩き218 : 湯西川発電所付近にかかる吊橋を渡って東電巡視路口から高瀬山までピストンしてきました。1222ピークまでは落葉とミヤコザサを踏みしめての厳しい急登が続きました。1222ピークからは腰ないし背丈を超えるスズタケの藪漕ぎを強いられました。
湯西川発電所から高瀬山(1276.4)
2005年11月18日(金) 晴れ
1 行程
ルートマップ  
自宅(2:55) = 栗山沢口駐車(県道249)(5:10/5:25) − 湯西川発電所吊橋(6:15) − 枝尾根取付き(6:45) − 930コブ(尾根合流点)(7:10/7:15) − 1222ピーク(8:25/8:30) − 高瀬山(9:30/9:55) − 1222ピーク(10:40) − 930コブ(11:25) − 巡視路出合(11:35) − 吊橋(11:45/12:00) − 駐車地(13:00/13:10) = 自宅(15:35)

2 自宅 − 湯西川発電所  急遽計画を変更する吊橋 (復路で撮影)
 五十里湖北西の4座のうち持丸山、高瀬山と白倉山は昨年11月29日に歩いたが、横瀬山が残り気になっていた。横瀬山だけ登るのでは面白くないので、横瀬山から1312ピークまで北東に伸びる尾根を歩き、更に高瀬山まで尾根を歩いて湯西川発電所付近に架かる吊橋へ下ることを考えた。高瀬山から下山したはいいが湯西川を渡渉できないと困るので、横瀬山登山口に行く前に吊橋をチェックすることにした。
 今回もロングコースなので時間切れを防ぐために早朝出勤(?)とした。湯西川発電所付近は暗闇の5時前に通過したので、場所が分からず吊橋を確認できなかった。仕方なしに横瀬山登山口の長沢橋付近を偵察して、登山口と下山地のほぼ中間の栗山沢付近の路肩に車を駐めた。登山具の準備をしているうちに、高瀬山から下山時にうまく吊橋に出合わなかったらどうしよう、との不安が膨らんできた。最近の山行は計画通りにことが運ばず自信が揺らいでいる。このような心理状態で、不安は益々大きくなるばかりであった。それなら逆コースで吊橋からスタートすればよいと計画変更した。いろいろなことを想定してコース設計をしたのだが、そんなことはすっかり無視してしまった。
 マゴリ沢、サル沢、オクタブリ沢と県道249号を下り、湯西川ダム建設予定地のすぐ先で湯西川発電所とそのすぐ下流に吊橋が見えた。高所恐怖症なのでこのような橋を渡るのが苦手。へっぴり腰で恐る恐る渡り終えてほっとする。

3 湯西川発電所 − 高瀬山   落葉積もる尾根の急登そしてスズタケの藪漕ぎ
 吊橋を渡ると左手に発電所があり、正面に三依線1の黄標柱を見て巡視路へと進む。巡視路は杉植林から自然林にすぐに変わり、落葉の積もった急斜面をジグザグに登ってゆく。紅葉は残っているが葉はかなり落ちてしまい見ごろは過ぎてしまった。落葉で覆われた巡視路を30分ほどたどると、巡視路は下り始めたので北北東に向かう枝尾根に取付いた。尾根筋は急勾配で、葉は殆ど落ちて尾根上に堆積しているので滑って疲労が激しい。暗闇のなか到達した思い出の高土山が後方に枝越しに見え隠れするのが唯一の慰め。巡視路口から丁度一時間で、界23の石杭がある小さなコブ(930コブ)に達して、右下(南東)から送電線左から 930コブ 1222ピーク  高瀬山のある尾根を合わせる。4メートルほど上の枝に残雪期に付けたと思われる赤テープを見つけた。南西に高土山と南東に山頂部がガスに隠れた高原山が枝越しに見えるだけ。
 930コブからは北西に向きを変えて落葉の堆積する尾根を進む。葉に隠れた獣道を追うが、急勾配と下地が軟らかく掴まる樹木も少ないので難儀する。途中で南西に女峰山を枝越しに確認する。膝程度のミヤコザサが林床となり始める。ブナ林となると笹は腰上の深さとなり下半身が濡れだした。矮小なツツジが混ざりだすと左下から尾根を合わせ、更に30分も登ると葉を完全に落としてしまったミズナラ林に腰丈のミヤコザサが繁茂する1222ピークに達した。枝越しに見る高原山は相変わらず山頂部にはガスがかかっていた。
 1222ピークを緩やかに下り始めると、ミヤコザサにから腰下のスズタケに替わってしまった。このあたりは比較的平坦で積雪量が急傾斜地より多いのでスズタケがミヤコザサに取って替わっているのであろうか。鞍部付近で明神ケ岳の山頂部に霧氷が付いて白くなっているのが確かめられた。登りになると笹は背丈を超えるようになったが、下に獣道が走っているので藪漕ぎはそれほどきつくはない。二つの小ピークを越してゆくが、笹の背丈と密度に多少の差はあるが連続して繁茂している。この頃になるとICレコーダーが露に濡れて作動しなくなってしまった。電池を換えたりするも録音も再生も全く不可能になってしまった。気にしながら登ってゆくと前方に突然大岩が現れ右から巻いて通過した。レコーダーが気なっていたのではっきり覚えていないが、標高1220くらいであったように思う。笹が薄くなり平坦になると、見覚えのある高瀬山の山頂に到着した。山頂部はミヤコザサ林床のブナ林で、明神ケ岳と横瀬山、更に山頂部が白くなった太郎山と高原山が枝の隙間から展望できた。出迎えてくれたのは三角点と山部3Dプレートだけであった。

4 下山  あっさり横瀬山への尾根歩きは諦める明神岳のゲレンデ (中央の白筋)  (1222P付近で撮影)
 暫くの間、ICレコーダーをいじったが直る気配はなかった。ICレコーダーに頼りきっている身にとって、これから先の道中を手書きで記録しながら進むのはわずらわしい。高瀬山から1312ピークまでは昨年歩いている。高瀬山への登りで消耗してしまった。いろいろ否定的な考えばかり浮かぶ。気分の乗らないときは無理しても碌なことはない、と決めて下山することにした。先週の芝草山北峰での混合藪での退却もあり、このところ根気が失せているようだ。昨年はやることなすことすべてがうまくいったが、今年は6月末の病気以来、計画通りの歩きができない。単なるスランプならよいのだが、年齢的な衰えだったらどうしようもない。今年の藪山はこれでお仕舞いにして里山歩きで、気分転換を図り今年できなかったことは来年再挑戦しよう!!
 下山は往路を確実にたどる。1222ピーク付近では往路では高原山方面はガスではっきりしなかったが、明神岳にゲレンデと思われる白い帯が山頂から中腹にかけて認められた。1222ピークからのミヤコザサは往路とは異なり露が乾いていたので気持ちよく下ることができた。930コブからの下りは急勾配と落葉で滑りやすいのでブレーキをかけながらの下りとなった。方向を南西に合わせて尾根を外さないように下ると、往路で枝尾根に取付いた所よりもやや低いところで東電巡視路に出合う。以後は巡視路をジグザグに下る。残り紅葉を楽しみながらあっけなく吊橋に下山できた。
 吊橋を渡って周辺の紅葉を愛でながら昼食を摂る。駐車地までは歩いて戻り、車で長沢橋付近を偵察して帰路につく。 
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