ひとり山歩き213 : 那須塩原市関谷の道の駅「湯の香しおばら」から安戸山林道経由で安戸山に登り、尾根伝いに弥太郎山まで歩いてきました。尾根筋には廃道の名残りが処々に見られました。展望はほとんどありませんが、藪は少なく気持ちよく歩けました。
関谷から安戸山(1151)〜弥太郎山(1392)〜土平
2005年10月3日(月)  曇り時々晴れ
1 行程
ルートマップ (地形図 :塩原、関谷 各1/25000)  
自宅(2:45) = 関谷・道の駅「塩の香しおばら」(4:05/4:45) − 八汐ダム専用道路口(5:00) − 安戸山林道口(5:50) − 尾根取付き(6:10/6:15) − 1055ピーク(6:50) − 安戸山(7:15/7:45) − 1101ピーク(8:25) − 三角点ピーク(1213.0)(9:15/9:30) − 1175ピーク(9:45) − 1125ピーク(10:40) − 塩原自然歩道道標(福渡分岐)(11:05) − 1213ピーク(11:30/11:35) − 塩原自然歩道道標(11:55) − 1171ピーク(12:20) − 弥太郎山(13:05/13:30) − 8号鉄塔(13:50) − 9号鉄塔口(14:00) − 土平(14:20) −塩那道路第一ゲート(15:30) − 国道400号出合(15:55) − バスターミナル(16:15/16:30) = 道の駅(16:55/17:00) = 自宅(18:40)

2 自宅 − 道の駅「塩の香しおばら」
 脚力は回復基調にあるが、体重が元に戻らねば以前の歩行速度と歩行距離は望めない。今年はロングコースやエスケープのない尾根歩きは諦めて、低山の尾根歩きで気長に減量と脚力回復に努めることにした。まだ気温が十分下がっていないので低山歩きには早すぎるが、以前から気になっていた安戸山から弥太郎山の尾根歩きをすることにした。
 下山後の舗装道歩きは足への負担が大きいので極力少なくしたい。国道400号沿いの大網温泉付から安戸山に登り、弥太郎山からは廃道となっている塩原自然歩道を辿り福渡に下ればベスト。関谷から八汐ダム専用道路・安戸山林道を経由して安戸山に登り、弥太郎山から土平・塩那道路経由で関谷へ戻るルートは前後の舗装道歩きが20km以上で最悪となる。大網温泉からの安戸山南西尾根の様子を見て決めることにした。
 道の駅に早くついたので大網温泉付近の偵察に行ったが、夜明け前に地形を探るのは困難で、諦めて道の駅に戻って車を駐めた。

3 関谷 − 安戸山  南東尾根は藪もなく歩きやすい 八汐ダム専用道路から安戸山を望む
 道の駅から国道400号を北西に約1km進むと、右手に八汐ダム専用道路の入り口がある。ゲートの横を通って舗装道を北〜北西に登って行く。50分ほど専用道路を歩きヘアピンカーブの折れ曲がり点が安戸山林道口でカーブミラー、石碑と東電の沼原線bR6−37の標識を見る。
 安戸山林道を北進すると100m先に東電沼原線bR7−38の巡視路を右に分ける。林道は場所によっては轍跡に水が流れ深く抉れているところもあるが、比較的よく管理されている。東電沼原線bR6の標識とカーブミラーを見ると林道が北から南西に進路が変わる。ここを安戸山の南東尾根取付き点とする。
 尾根先端付近は檜の間伐廃材が多く歩きづらい。すぐに尾根筋は安定し登りやすくなる。尾根筋は左斜面は植林で尾根上は自然林で獣道を追うことができる。林床は低いミヤコザサでヤブはなく歩きやすい。松の目立つ1105ピークを越すと、灌木がほんの僅かあらわれるが問題となるようなことはない。尾根上はミズナラを中心とした広葉樹で気持ちよく登れる。膝上の笹を掻き分け登りつめると安戸山の山頂で、三角点と山部3Dプレートと栃木の山紀行の山名板が目に付く。注意して見渡すとRK氏の山名板もある。樹林の中で展望はないが、北西の樹木の隙間に送電鉄塔のある弥太郎山が僅か見えるだけ。

4 安戸山 − 弥太郎  展望は期待できない  ヤブは少なく、廃道の名残りがあり歩きやすい
 
鉄塔の弥太郎山の方向へ腰丈の笹をかき分けながら登山道を下る。鞍部まで下ると「安戸山」の道標を見て右下に蟇沼への道を分ける。北西尾根には踏跡が続いている。鞍部からの登りには左手に踏跡というよりも立派な巻き道が続いていた。相変わらず左手には植林が見られるので、植林作業で三角点峰から高原山を望む  手前のピークの直下に八汐ダムできた巻き道と考えた。巻き道を追いすぎると後で斜面登りを強いられるので尾根筋に戻った。笹尾根を登りきると1101ピークで、このピークは通過して鞍部に達すると「水源涵養林」の立て札を見た。しかし大網温泉から登ってくる地形図の破線は認められなかった。
 鞍部からは広葉樹林の腰丈の笹を漕いで急登する。獣道が中を通っているので笹を漕ぐ抵抗は大きくない。勾配が緩やかになると笹は膝程度になりダケカンバやミズナラの樹林を進むと、突然前方が開けた。ここが三角点峰(1213.0)である。南面が開けてこれから進む八汐ダム南岸の稜線を間近にする。高原山と帝釈山方面の県境尾根も窺えた。今回のコースで景色を楽しめた唯一のスポットであった。真下には八汐ダムがあるのだが、三角点峰からは水面もダムも見えなかったが、機械の作動音は聞こえていた。三角点は少しばかり西側にあるので確認しなかった。三角点峰ふきんから安戸山を望む
 三角点峰から南に下る途中で八汐ダムが覗けるかと思ったが音はすれど姿は現してくれなかった。左(東)には安戸山と那須野とが瞬時見えた。1175ピークからは八汐ダムの南岸に沿って西に進む。鞍部には古いリボンが認められた。八汐ダムは相変わらず見えないが、樹間にかすかに水色が見えるのみ。尾根の左下に明瞭な巻き道があり、二三本のケーブルが地面を這っている。二つの小ピークを巻いて通過し、尾根に戻ってカラマツの目立つ1125ピークを通過する。その後も巻き道を通り小ピークを二つ越した鞍部には「アスナロ」の名称板が残っていた。この名称板から巻き道は遊歩道の名残りと判断した。更に小ピークの右下をトラバースして鞍部から尾根筋に戻り少しばかり登ると、「塩原自然歩道」と「福渡下り口1.6km 安戸山2.4km」の道標が残っていた。やはり今まで通ってきた巻き道は登山道の跡であることが明らかになった。左下へ明瞭な踏跡が下っている。これは塩原自然歩道の名残りで福渡に下ると思われる(地形図に破線あり)。樹木説明板(左)と塩原自然歩道の道標
 塩原自然歩道は地形図によると1213ピークの北側をトラバースしているものと思われるが、尾根上を歩くつもりでいたので踏跡を探しては見なかった(道標付近には見当たらなかった)。1213ピークはダケンバの目立つ樹林の中で展望はなく、膝高の笹で覆われていた。道標の福渡分岐からは北西に尾根を進むと、南西尾根に出合う。このあたりは笹が深いが、ヒラヒラテープを見かけた。この尾根を右に登るとダケカンバの目立つ笹で覆われた1213ピークに達した。このピークから西北西に下った鞍部で右から踏跡を合わせ、「土平3.5km 福渡下り口1.2km」の朽ちた道標が残っていた。道筋が残っているかは別として塩原自然歩道は地形図通り1213ピークの北側をトラバースしているようだ。
 この鞍部からは薄い部分もあるが踏跡は明瞭で、ピークを避けるように或いは急斜面はジグザグに進む。1171ピーク直下を巻いて通過すると、尾根に沿って歩道を北に登るのみで迷いようがない。「土平2.5km 福渡下り口2.2km」の古い道標から土平へ向かう道筋(破線)を左に見送って、薄い踏跡を北に追う。7号鉄塔の右下を進むと、すぐ先で土平への登山道(巡視路兼用)は左下へ下る。弥太郎山へは道を無視して腰高の笹で覆われた踏跡を2分ほど登ると弥太郎山の山頂に到達した。山頂は樹林に覆われているので、北北東に日留賀岳と鹿又山周辺と南東に那須野が樹木の切れ目に見えるだけ。三角点と山部3Dプレート、栃木の山紀行の山名板を見る。
 道の駅からの計画8時間に対して20分遅れに収まった。ヤブは予想通り少なかったこと、廃道の名残りに助けられたことはあったが、ほぼ思うような歩きができるようになった。脚力は6月以前のレベルに戻ったようで平坦部や下りは問題ないが。水を一日分余分(体重増)に背負っているだけに登りはまだ苦労する。

5 下山(土平・塩那道路・R400号経由)弥太郎山から日留賀岳を望む
 道の駅に戻るには@塩原自然歩道を頼りに往路を途中まで戻り、下塩原の福渡集落に下り、R400で道の駅へ。計画時間5時間 A土平ー塩那道路ーR400ー道の駅 計画時間6.5時間  どちらにしても明るいうちにR400には下山可能。
 @案は1213ピークからの道筋が不明。ミスルートで登り返す余裕はない。A案は土平まで下ってしまえば、舗装道歩きで一番確実、だが舗装道を18kmほど歩かねばならない。登山靴でザックを背負っての舗装道歩きは足に堪えるが、R400筋にはバスが走っている可能性がある。ここは安全をとってA案とした。
 弥太郎山から土平はガイドブックやWebに詳細報告があるのでコースガイドはしない。東電の巡視路をかねた登山道が敷設されているので、思ったよりも容易に土平に下れた。土平園地にでも行っているのか駐車場には3台駐まっていた。
 塩那道路は昨年の9月1日に長者岳と鹿又山に登るために第一ゲートから土平まで早朝に歩いた。今回は下りで足への負担は返って大きい、高原山や市街地を眺めながらの下りで気分転換にはなった。中塩原からはR400号を歩く。5分ほど歩くとバス停があったが、道の駅に行くバスはない。まだ2時間は歩かねばと気合を入れなおして、道の駅を目指して歩く。雲行きが怪しくなってきた。途中で降られると覚悟して更に15分歩くとバスターミナルがあった。念のためと寄ってみると、15分待てば道の駅を通るバスがあるではないか。天の助け!! 約2時間(10km)の短縮となった。バスに乗ると雨がポツポツと降り出した。雨雨降れ降れもっと降れ、私のいい人つれて来い・・・てな歌が20数年前にはやったケ。気分をよくして30分足らずのバス乗車で道の駅(バス停はアグリパル塩原)に戻れた。久しぶりのpeak−to−peakの歩きに今日は大満足。 
HOME
inserted by FC2 system