ひとり山歩き212 : 台風一過の好天を期待し,浅間山へ行ってきました。予期したとおりの好天で白煙の立ち上る浅間山を間近から眺めることができました。復路では丁度ガスが吹き上がる時間帯で景色は見えませんでしたが、久しぶりの百名山訪問を堪能してきました。
浅間山 (黒斑山ーJバンド)
2005年9月26日(月) 晴れ
1 行程
ルートマップ (地形図 : 浅間山1/2500)  
自宅(1:50) = 車坂峠(5:15/5:35) − トーミの頭(中コース経由)(6:45/6:55) − 黒斑山(7:15/7:25) − 蛇骨岳(8:05/8:15) − 仙人岳(8:40/8:55) − Jバンド(鋸岳)(9:25/9:50) − 仙人岳(10:20) − 蛇骨岳(10:40) − 黒斑山(11:15) − トーミの頭(11:30) − 車坂峠(表コース)(12:40/13:00) = 自宅(16:20)

2 自宅 − 車坂峠
 昨日は千葉沖を台風が通過した、翌日は好天が期待できた。どこに行こうか迷ったが、昨年の7月に計画した浅間山が直前の噴火で没になったことを思い出した。最近は噴火口から2kmまでは近づくことが可能であり、車坂峠ー黒斑山ーJバンドー賽の河原ー草すべりー車坂峠の周回を急遽計画した。昨年の7月に準備した資料を探したが見つからなかったので、国土地理院のウォッちずから地形図を打ち出した。準備もそこそこに翌朝の出発が早いので20時に床につく。
 明るくなったら登り始めるという基本原則から逆算して家を出る。自宅ー車坂峠は200km弱で高速道の利用は約100km。高速道を使わなくっても1時間と変わらない。早朝運転を苦にしないから一般道経由を考えたが、昨年の4月に天城山と丹沢山に行ったときのハイカが残っている。来年4月から使えなくなるので高速道を経由することにした。伊勢崎ICから北関東道に入り、上信越道の小諸ICで高速を下りる。車坂峠まではカーナビ任せだからスイスイ。SAで時間調整してきたので車坂峠に着いたときは丁度明るくなり、計画通り。高峰高原ホテル前の駐車場に車を駐めた。新潟ナンバーの夫婦が登山準備中であった。

3 車坂峠 − 黒斑山 − Jバンド  間近に見る浅間山は雄大だ  逆光が残念!!外輪山と火口原 (黒斑山頂から)
 登山口の案内板でコース概要をつかむ。往路はトーミの頭までは所要時間の少ない「中コース」を通ることにした。草のはみ出した登山道を緩やかに10分ほど登ると左に蛇骨岳への道を分ける。分岐から勾配は急になり、シラビソ樹林の歩きとなる。少しばかり開けた所で振り返ってみると、北西から南西にかけて山並み(北ア)が連なっている。今日は遠望が楽しめると、山座同定用の地図を探したが、持参したつもりだったが見当たらない。手袋も忘れてきて自動車工具箱から汚れたもの引っ張り出したりで昨夜の慌てた準備を露呈してしまった。
 途中はずっとシラビソ樹林で特に展望もなく黙々と高度を稼ぐ。突然前方が開けて方向を東から北に変える。富士山とその手前に山並みが雲海に浮かんで、またもや素晴らしい景色に見とれる。方向を変えてほんの僅か登ると右から「表コース」を合わせる。右手が切れ落ちていて、復路で通る予定の湯ノ平が見下ろせる。砂礫をひと登りすると岩稜のトーミの頭に登りついた。これから辿る黒斑山・蛇骨岳・Jバンドへの稜線が素晴らしい。もちろん右手には浅四阿山  (蛇骨岳から)間山(前掛山)を間近にするが、太陽は丁度その真上で逆光となり黒っぽく見えるだけ。復路で堪能できると先へ進む。
 黒斑山へはほぼ北へ進むが、3分で右下に湯ノ平へと下る道を分ける。シラビソ林に入り展望はなくなるが、白煙を吐く浅間山が樹間に見える。途中で火山活動監視設備があった。登山道に沿ってケーブルが敷設されている理由が判明した。監視設備のすぐ先が黒斑山山頂で右手(東)は樹木がなく白煙の奥に浅間山噴火口の東壁が薄っすらと見えた。真下には草原と樹林の湯ノ平高原が広がる。付近には古い注意標識が残り、それには登山規制で噴火口から4kmまでしか立ち入りできない旨の記述があった。現在は2km規制であるから先に進める。
 再びシラビソ樹林の登山道を緩やかにアップダウンしながら進むと、下草がはみ出し下半身はかなり濡れてしまった。登山道は稜線の右をトラバースしているので、時には崖際を歩くことになる。浅間山の噴煙やJバンド方面の展望を楽しめるが、右は崖なので緊張を強いられる。山歩きの経験を積んでも高所恐浅間山(薄く踏跡あり) 前掛山(右)  (Jバンドから)怖症の身にとっては辛い。相変わらず逆光が続くので、露出補正をしたり何枚も写すが安物のデジカメではうまく撮れない(カメラでなくカメラマンのせい!?)。復路は何も見えない湯ノ平を通るのでなく、Jバンドからピストンすれば、太陽は南になり逆光から開放されると心の中で葛藤しながら歩く。なんとしても噴煙の奥に見える噴火口の外壁を写したい!! 樹林を抜けると岩峰の上に飛び出した。ここが蛇骨岳で、山頂からは北西に四阿山、田代湖、北に白根山を間近に望める。
 蛇骨岳からJバンドへは方向を北から東に変えて下りの岩稜となるが、途中に幾つもの小ピークが認められる。進むにつれて逆光から開放されてきたが、浅間山の姿が益々大きくなり景観としては遠くから眺めたほうがよい。蛇骨岳の次の小さな岩峰で写真を撮っていると、単独行者が突然登ってこられた。広島から来られた方で、数日にわたって付近の山を登られ今日が最終日とのことであった。数分の会話をまじわして、次の仙人岳へ先行された。このピークからも展望はよい。間近な四阿山と白根山は認識できたが、北東の峰々が同定できないのが残念!! 次の岩峰が仙人岳で、広島の方と山座同定をしていると、駐車場で準備していた新潟からの夫婦が登ってこられた。
 広島の方と分かれてJバンド方面に岩稜を下ってゆく。逆光からは完全に開放されたが、浅間山に近くなりすぎて噴火口は全く見えなくなってしまった。ケルンの積まれた次の小さな岩峰で振り返ってみると、先刻の夫婦が下ってくるのが見えた。更に岩稜を下ってゆくと、前方の岩にJバンドの文字が読み取れた。傍にはJバンドの標識が外れて放置してあった。湯ノ平にはここから下るよう矢印が岩に記入してある。Jバンド(何を意味するのかな?)から下らずに、すぐ上の岩峰・鋸岳に上がって休憩した。ここからの眺めもよい。火口原の湯ノ平は一望で、トーミの頭まで見通せる。
 これから当初計画通り湯ノ平に下るか、往路を戻るか考えていたら新潟の夫婦が登ってきた。尾根屋の自分にとっては草原と樹林の火口原にはあまり興味はない。逆光でうまく撮れなかった噴火口の写真を撮るべく往路を戻ることにした。

4 復路  ガスで展望なし  黒斑山までのハイカー多い!!
 湯ノ平に下る夫婦と別れて往路を戻る。トーミの頭方面は急速にガスが昇っている。仙人岳目指して岩稜を登っているとガスの吹き上げは急で、アッというまもなく浅間山が隠れてしまった。復路はずっとガスの中で写真どころではなかった。往路で噴火口のほんの一部でも窺えただけでも来た甲斐があったと自分を慰める。
 黒斑山では十数人のグループが食事休憩をしていた。ガスで浅間山が見えないのを残念がっていたので、程なくガスも晴れるでしょうと慰めを言って別れる。これから暫くはひっきりなしにハイカーが登ってくるのに出遭う。装備や歩く姿から判断して殆どは黒斑山までなのであろう。トーミのを素通りして少し下ると、表コースと中コースの分岐で、前者は55分、後者45分と書いてあった。復路は「表コース」と決めて登り返す。小さなピーク(赤ザレの頭?)を越すと退避ドームを通過する。このあたりでも登る人は多い。「表コース」というだけにこちらがメインで処々で展望が開け、「中のコース」よりもよく踏まれているようだ。
 前方に車坂峠の駐車場が見えてからも小ピーク・車坂山をもう一度越さねばならない。「中のコース」に比べてかなりきついようだ。登山口の駐車場に戻ると満車となっていた。 
 ほぼ一年半ぶりの百名山訪問。最近はヤブ山の楽しみを知ってしまい、登山道のある山にはあまり興味がわかない。展望とか雄大さでは百名山も捨てがたいが、ヤブ山のルートミス防止の緊張感が勝る。4年前に山歩きを始めた頃とは好みが全く変ってしまった。さて、次はどこのヤブ山へ行こうか。 
HOME
inserted by FC2 system