ひとり山歩き206 : 藤原町の芹沢沿いの林道から安ケ森山に登り、県境尾根を北東に歩き次郎岳(1560)の手前から芹沢に下山しました。県境尾根はネマガリダケ、シャクナゲ等の藪の連続でした。諸所で展望を楽しむことができました。
芹沢から安ケ森山・県境尾根周回
2005年6月13日(月) 曇り時々晴れ
1 行程
ルートマップ  (地形図 : 荒海山、湯ノ花  各1/25000)    
自宅(1:45) = 芹沢林道ゲート(3:45/4:00) − 尾根取付き(赤金橋)(4:25/4:30) − 1150ピーク(5:45) − 安ケ森山(6:55/7:20) − 1363ピーク(8:45/8:50) − 1475ピーク(11:45) − 1530ピーク(12:40/13:00) − 標高1300付近(13:55/14:05) − 芹沢林道終点(15:35) − 芹沢林道ゲート(16:30/16:40) = 自宅(19:00)

2 自宅 − 芹沢林道ゲート
 芹沢から県境尾根に二回チャレンジしたが、最初は1530ピーク直下の密藪に阻まれ、次回は残雪の急勾配尾根を登れなかった。芹沢から県境尾根に登るのは諦めて、安ケ森山から1530ピークまで県境尾根を歩くことにした。自動車回収のことを考えて、芹沢沿いの林道から安ケ森山に登り、1530ピークから芹沢に下山する周回を計画した。 
 藤原町中三依で三依小の看板を見て国道121号から左折して芹沢林道に入る。約6kmで上湯沢橋に達する。橋の右手前に芹沢林道ゲートがあり、車は橋手前の広場に駐める。

3 林道ゲート − 安ケ森山  藪少なく歩きやすい尾根   山頂は全展望だが遠方は霞んでい
 ゲートから林道終点のほぼ中間にある赤金橋を目指して林道を進む。さかえ橋で芹沢を左岸から右岸に渡ると、左後方に安ケ森山に連なる尾根が見える。ここから取付いてもよいのだが、枝安ケ森山頂尾根を歩く距離が長くなる。赤金橋付近から枝尾根に取付いた方が短時間で安ケ森山に到達できる、と確信して歩を進める。ゲートから25分で赤金橋に達する。橋付近は急斜面なので100メートルほど戻り、尾根の先端から取付く。
 尾根取付きは急斜面と相場が決まっているのだが、杉植林のこの尾根はなだらかで踏跡が迎えてくれた。20分ほど登ると植林は消えて自然林になるが、かん木が多少目に付く程度で歩きやすい。小一時間登って標高1050を越すとシャクナゲが現れるが歩きづらいというほどはない。ところが1150ピークに達するとシャクナゲは密になり、鞍部まではシャクナゲをもぐるように下った。前途が思いやられたが鞍部からはシャクナゲは断続的になり、シャクナゲも小振りになる。鞍部先の平坦な尾根は笹に悩まされるかと覚悟していたが、クマイザサが多少目に付くが障害になるほどではなかった。
 山頂直下の急登になると、クマイザサ、シャクナゲとかん木の混合藪に多少の労力を要したが、全般的にはたいした藪もなく安ケ森山山頂に達した。山頂には三角点と山部さんと下館岳友会の山名板を見る。山頂からは360度の全展望だったが、遠方の山並みが霞んでいたのは残念であった。間近にはこれから歩こうとしている稜線伝いに1530ピークと次郎岳まで見通せた。

4 安ケ森山 − 1530ピーク  藪のないのは安ケ森山頂だけ ネマガリダケそして混合藪に変わる 進むにつれて深くなる
 尾根筋をよく確認して、北に下り始めると色あせた赤リボンを見た。今日見たのはこのリボンだけであった。白錫尾根に比べたら歩く人は少ないのであろう。最初は踏跡が認められ藪が荒海山(左)、1530Pと次郎岳(右) (1480Pから)少ないのかと期待したが、すぐに胸丈のネマガリダケが現れ失望に変わる。最初のチェックポイントの1363ピークまでは概ね胸丈のネマガリダケが連続していた。3メートルを超すようなモンスター級と異なり、胸丈程度ならそれほど苦労せずに漕ぐことができた。1530ピークと次郎岳が樹木に多少邪魔されるが展望できた。
 1365ピークを越すと藪が一層深くなってきた。笹・シャクナゲ・かん木の混合藪が多く、狭い尾根上に密集している。どうしようもなく左手を巻くとネマガリダケとかん木が寝ていて始末が悪い。ネマガリダケを踏んで何回か転倒した。方向が北西から北東に変わる小さなピーク(1400)で太郎山(?)を見ながら小休止した。面白いことにアスナロ、ブナとカラマツが各一本ずつ狭いピークの上に立っていた。先の鞍部では混合藪は次郎岳から荒海山に向かう稜線並みになってきた。今日はまだ疲労度が小さいので歩みは遅いが確実に前進できた。1530ピークと次郎岳が時々樹間に見えるのが救い。空腹にたまらず立ち止まってエネルギーを補給したが、安ケ荒海山(左)と次郎岳(右) (1530Pから)森山付近からハエと小虫が付きまといイライラが増す。方向が再度変わり北東から東に向き、1480ピークを越すと尾根上にはダケカンバが寝そべっているので、左斜面をトラバースせざるを得ない。ますます藪は深くなり、次郎岳から荒海山の稜線の藪以上になる。混合藪からネマガリダケの藪になり一息つくと1475ピークに達したようだ。笹が深くピークとは思えないが方向が南東に変わることで判断した。
 1475ピークからはブナが目立ち笹は相変わらず深い。肩程度のネマガリダケならシャクナゲや針葉樹の藪よりは楽でよい。尾根の最高部を歩くと右手に展望が得られるのだが、右下は切れ落ちているので嫌って左下を歩く。1530ピーク直下になると笹が少なくなり、嫌らしいシャクナゲ、アスナロ等の藪が密になり遅遅として進まなくなる。何度か性悪なアスナロとシャクナゲを乗り越えると1530ピークに達した。密藪の中だが、背丈が低いので全展望となる。前方(東)に同程度の小ピークと一段高いピーク(次郎岳)、更に北東には荒海山が見える。前方の小ピークが1530ピークかと一瞬勘違いする。枝尾根等の地形を観察し今いるところが1530ピークと確信した。
 このピークから南尾根を芹沢目指して下るのだが、次郎岳まで行くかどうか検討する。当ピークまでに計画より1時間遅れている。次郎岳まで往復2時間としても明るいうちに芹沢に下山はできるだろう。体力的にも余裕はある。問題は空が暗くなり、先刻よりラジオでは群馬県で発雷警報が発せられている。雷の兆候はないがここは早逃げの一手(結果的には正解で自動車で帰路につくと小雨が降り出した)。

5 下山
  直下の密藪は巻いて逃げる  途中でルートミスし余分な労力
 1530ピークから南尾根を下るのだが、ピーク直下はモンスター級のシャクナゲや針葉樹の藪で、しかも左(東)下は崖1530Pの藪になっている。モンスターに捕まらないよう北西側斜面を樹木につかまりながらトラバースする。右下の浅い谷に下りてしまいたい衝動に駆られるが、我慢して樹木を伝ってトラバースし標高1450付近で尾根上に復帰した。このあたりになると、強烈なシャクナゲはなくなり、胸丈のネマガリダケを漕いで下る。4月27日の落葉した残雪尾根とは様相が全く変わっていた。見通しが利かないので、磁石を頼りに下り、なんとなく見覚えのある標高1300付近で最後の休憩をとった。ここまできたらもう安心と思ったのがよくなかった。どうも尾根幅がせま狭すぎる。左(東)手の小枝に乗ってしまったようだ。このまま下って沢に早めに下りても何とかなるだろうとそのまま下り続ける。標高1180付近で尾根は沢に吸収されてしまった。着地予想点は1050であるからまだ100メートル以上沢を下らねばならない。少しばかり沢筋を歩いたが、転倒を防ぐように歩くと返って遅い。尾根屋はやはり尾根に戻るべきと、右手の尾根に斜面をトラバースしながら復帰した。見覚えのあるアスナロの大木のある地点に戻れた。約20分のロスですんだ。沢を歩いて怪我をするよりはましだ。下りは登りに比べてダントツにルーファンは難しい。もっと慎重を期すべきであった。その後は問題なく芹沢に着地して、芹沢の右岸を第三砂防ダム横の林道終点に戻った。
 芹沢林道は一本道で、迷うことも危険もない。右(東)手の枝尾根を見ては芹沢への着地の可否を判定しながら林道ゲートに戻る。今日は藪漕ぎの連続ではあったが、先日の入山沢から次郎岳〜荒海山の藪漕ぎに比べて疲労はダントツに少なかった。次は福島側から荒海山に登り、県境尾根を北東に辿り、県境尾根から離れて高土山経由の周回コースだ。あまり暑くならないうちに実行したいが、入梅で天候が読みにくい。
HOME
inserted by FC2 system