ひとり山歩き202 : 餅ケ瀬林道から小法師尾根の笹ノ平に登り県境尾根まで行き、小法師尾根を笹ノ平、小法師岳、巣神山まで尾根歩きを楽しみました。県境尾根から小法師岳の間はアカヤシオ、小法師岳から巣神山ではミツバツツジとシロヤシオを楽しみ、最後に唐風呂林道ではヤマツツジと今日はツツジのオンパレードでした。これだけツツジを楽しんだ山歩きは初めてでした。
餅ケ瀬林道から小法師尾根(小法師岳、巣神山)
2005年5月21日(土) 晴れ
1 行程
ルートマップ  (地形図 : 袈裟丸山、足尾 各1/25000)  
自宅(2:15) = 餅ケ瀬川林道舗装終点(4:15/4:30) − 林道ゲート(4:40) − 尾根取付き(林道崩壊地)(6:00/6:10) − 小法師尾根(8:20) − 笹ノ平(1680P)(8:25) − 1690ピーク(9:15) − 1784ピーク(10:15/1020) − 県境尾根(小法師尾根分岐)(10:55/11:15) − 笹ノ平(1680P)(13:00) − 小法師岳(13:50/14:00) − 雨降沢ノ頭(1526P)(14:20) − 巣神山(15:20/15:30) − 唐風呂林道出合(15:40) − 餅ケ瀬川林道出合(16:40) − 林道ゲート(16:45) − 駐車地(16:55/17:05) = 自宅(19:10)

2 自宅 − 餅ケ瀬川林道
 
昨年の5月25日に楡沢林道から二子山・袈裟丸山連峰・六林班峠と縦走した。六林班峠で幕営して翌日に小法師尾根を下るつもりであったが、男山ー六林班峠間の笹薮に嫌気がさして下山してしまった。その後、ずっと気になっていたがツツジの開花時期に合わせて小法師尾根を歩くことにした。
 小法師尾根をピストンするのはハードなので、餅ケ瀬川林道をできるだけ詰めてた所から小法師尾根に登ることにした。国道122号でわたらせ渓谷鉄道原向駅前を約1km西進し、橋を渡って右折し餅ケ瀬川林道に入る。舗装道を進み餅ケ瀬集落を過ぎて林道舗装終点の路肩に車を駐めた(走行3km)。先には「通行禁止」の看板があり、道幅が狭いダートとなる。登山準備をしている間にオートバイが通過した。付近にいた釣り人に林道の様子を伺う。自分は山屋としては異常に(?)早出だが、釣り人はそれより早いのにいつも感心する。自分は釣りをしないから分からないが、早朝ほど釣果がよいのだろう。

3 餅ケ瀬川林道 − 笹ノ平(小法師尾根)  林道(破線部)は崩壊が進行  笹ノ平で薮漕ぎ
 机上検討では林道を進み破線終点から枝尾根に取付いて1690ピークに登り、小法師尾根を県境まで歩く計画である。フラットダートの約1km先でゲートを通過し、更に約300m進むと右に唐風呂林道が分餅ケ瀬川林道崩壊地かれている。この林道は巣神山の南直下に通じているらしい。ひょっとして復路でお世話になるかも、と思いながら川沿いの林道を進む。
 いえまつ橋、袈裟丸橋と相次いで渡り左に大きな砂防ダムを見て歩いていると大宮ナンバーのRV車が追い越していった。後のボックスには犬を積んでいた。今頃ハンティングではなし、犬を連れての釣りもあるまい。ましてやゲートを開けて通過したのだから許可を得ている筈。なんなのだろう?? 歩き出して約1時間で右からの枝沢に架かる橋を渡ると、登山準備中に通過したオートバイがおいてあった。その傍に「歩道入口 対岸より 押留沢・袈裟丸山」の小さな札がぶら下がっていた。小丸山辺りに登れそうな感じがした。この付近で右手の尾根に取付けば小法師岳に登れそう。
 そこから数分進後袈裟丸山 (笹ノ平南尾根の標高500付近から))

むと道が荒れだし先刻のRV車も駐まっていた。落石が増えて道幅が狭くなってきた。枝沢に架かる橋を二度目に渡った辺りが地形図上の実線終点のようだ。破線道は荒れていて落石で道筋が見えないところもあるが、人間か動物が通る踏跡は残っている。林道崩壊地に達した。さらに進もうとしたがこれ以上進むのは危険と判断して尾根に取付くことにした。
 北東に枝尾根を登ると、昭和50年に植林したカラマツ林で林床はミヤコザサである。登るにつれて右手にも尾根を感じるようになる。直ぐ上で合流しそうであったが、右手に進むと岩がゴロゴロしているのでそれを避けながら結局は急斜面を登りを強いられて、標高1500付近で明瞭な尾根上にたどり着いた。この尾根はミズナラ等の落葉樹の雰囲気のよい尾根で多少はミヤコザサがあるが気持ちよく登れた。標高1550付近から急勾配の尾根を登りつめると、勾配は緩やかになったが今度は胸丈のクマイザサの密薮となった。まだ完全に起ききっていないので反って登りにくかった。それでも鬼面山のチシマザサの密薮を考えたら苦にはならない(チシマザサの密薮の未経験者にとっては苦痛を感じるのは間違いない)。15分の奮闘で小法師尾根上にたどり着いた。稜線上も一面笹薮だが、右手(北)をトラバースすると比較的楽に笹ノ平最高点の1680ピークに到達した。

4 笹ノ平 − 県境尾根(小法師尾根分岐) 大部分はミヤコザサで道跡あり 最盛のアカヤ県境尾根の小法師尾根分岐シオを楽しむ
 ここから先はミヤコザサが主体で踏跡があり、左手はカラマツ植林で右手(北)にはアカヤシオの群落が今を盛りに咲き誇っていた。鋸山・庚申山の稜線を枝越しに感じながら気持ちよく下る。鞍部から次のピークへの登りは腰丈のクマイザサが繁っているが、笹ノ平の薮に比べたら大したことはない。鞍部から少し登るとミヤコザサに再び変わる。1690ピークはダケカンバのピークでアカヤシオが最盛期。
 次のピークへは西に下って、鞍部から北西に登って行く。鞍部からはクマイザサの登りとなる。笹原の表面に薄い筋を探して歩くと、下に筋があるので比較的楽に登れる。ピーク直下になるとミヤコザサで踏跡が現れる。1784ピークまで登ると前方に見える袈裟丸山の東側急斜面の迫力が増してくる。1784ピークの西鞍部には倒木が目に付く。県境尾根への最後の登りは急勾配だが薄い踏跡は追える。所々で僅かな残雪が踏跡を覆うが西に向かって登れば全然問題ない。コメツガ林を
登りつめるとミヤコザサの鞍部でここが県境尾根の小法師尾根分岐である。「小法師尾根入口」の小さな標識に一年ぶりの再会。

5 小法師尾根(小法師岳、巣神山)  アカヤシオ、ミツバツツジそしてシロヤシオとツ小法師岳山頂(後の稜線は鋸山〜庚申山)ツジのオンパレード
 笹ノ平までは往路をそのまま戻る。1784Pと1690Pの中間鞍部付近で原向から小法師尾根を登ってきた二人組に出逢う。途中で幕営して袈裟丸山に向かうという。幕営のできる人が羨ましい!! 山部さんとはメール交換をしたことがあるとのこと。今日は土曜日だが、こんな山奥で人に出逢うとは思ってもいなかった。
 笹ノ平はコンパスを合わせてクマイザサの薮を漕ぐ。笹は背丈より低く、しかも下りのため往路の餅ケ瀬林道からの登りでの労力に比べれば楽なもの。約10分の薮漕ぎで、カラマツの急勾配の笹尾根下りになる。下るにつれて笹丈は低くなりやがてミヤコザサに変わり、踏跡も現れる。依然としてアカヤシオが盛っているし、左手に鋸山・庚申山稜線を枝越しではあるが目にしながら気持ちよく歩けた。鞍部付近にはシロヤシオが多いがまだ芽吹きが始まったところ。小さなピークを越して登り返すと小法師岳の山頂に到着。三角点付近に山部3Dプレートと栃木の山紀行の山名板を見る。アカヤシオが見事に咲いている。北側には枝越しではあるが、鋸山、皇海山、庚申山、白根山、オロ山(と思う)巣神山山頂のミツバツツジとシロヤシオ、男体山、社山が確認できた。
 小法師岳からは右(南)側がカラマツ、左自然林のミヤコザサの尾根を下り、僅か登り返すと標高点1526の雨降沢ノ頭に到達した。立木に打ち付けた標識が原向駅は南に下るよう促してくれる。地形図では尾根筋は南東に下っているが、最初は防火帯を南に下りやがて南東に下るようになる。ここから先は防火帯の中の踏跡を下るだけ。迷う心配はないが、逆に地形図を見ないで歩けるので緊張感を失う。防火帯の両サイドの樹木はカラマツやミズナラと多少の変化はあるが道筋は直線的。途中で標高点1425ピークを越すが、このあたりからアカヤシオに代わってミツバツツジが盛んに咲いていた。更に防火帯を下ると、小さな岩と三角点のある巣神山に達した。ここは山頂というよりは尾根を下る途中といった感じ。あたりを見渡すと北側にミツバツツジに混ざってシロヤシオが咲いていた。三角点と山部さんと山紀行さんの山名板を見て巣神山の山頂部と確認して、この先をどうするか考慮する。

6 下山  巣神山直下から唐風呂林道で餅ケ瀬林道に下る  途中でヤマツツジを楽しむ
 計画通り原集落に下り、林道を歩いて駐車地に戻ると約2時間半(駐車地18時着)。この先も道筋は明瞭で時間的にも問題なし。もう一案はここから南東尾根を下って、途中で唐風呂林道に下りて餅ケ瀬川林道の駐車地に直接戻る。万一唐風呂林道に出合わなくても南東尾根を唐風呂集落付近まで辿れば、前者よりは時間短縮になると判断して南東尾根を進むことにした。
 ミズナラの南東尾根を下り始めてビックリ!! 下生えのササが消えて今までよりも明瞭な道筋がついている。10分程下ると、右下30mに道路が見えた。これが唐風呂林道と考えて林道に下りた。この南東尾根は更に明瞭な道筋がついているようだった。尾根末端の唐風呂集落まで続いているのかは不明だが、情報によると原向からの尾根筋にも明瞭な道筋がついている。これらの道筋はなんなのだろうか。途中に信仰の対象になるようなものは認められなかったが・・・
 林道は更に南東に尾根に沿って伸びていた。ここは反対の西に向かって林道を下る。途中の斜面でヤマツツジが盛んに咲いていた。今日は通常山で見かけるツツジの開花を全て見せてもらった。これだけツツジを楽しんだのは4年の山経験で初めて。沢を三度わたって丁度1時間で往路で確認した唐風呂林道・餅ケ瀬川林道分岐に無事戻れた(林道は巣神山直下に伸びているという情報は正しかった)。直ぐ先の林道ゲートを越すと車が2台駐まり、河原にテントが張ってあった。釣り人が幕営しているらしい。更に10分の歩きで駐車地に戻れた。
 山部さんとYoshiさんが小法師尾根を歩いたのに遅れること一年で、気になっていた尾根をクリアできてホットする。 
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