ひとり山歩き201 : 栗山村のマゴリ沢林道口から高土山に登り、尾根伝いに明神ケ岳まで歩いてきました。高土山の北斜面は背丈を越すスズタケの密薮でしたが、その他は大部分がミヤコザサの尾根で特別に危険箇所はありませんでした。展望も処々で日光の山々、高原山、福島県境尾根の山々を楽しむことができました。
高土山(1128) 〜 明神ケ岳(1594.5)
2005年5月16日(月) 晴れ
1 行程
ルートマップ  (地形図 : 五十里湖、湯西川 各1/25000)  
自宅(2:10) = マゴリ沢林道口(4:00/4:25) − 126号鉄塔(4:55/5:00) − 高土山(5:50/5:55) − 1200ピーク(7:25) − 西尾根分岐(7:40) − 18号鉄塔(8:05/8:15) − 1110ピーク(8:45) − 1518ピーク(日向明神)(10:50/10:55) − 明神ケ岳(11:50/12:10) − 1574ピーク(湯西明神)(13:10/13:25) − 標高点1383(14:00) − 標高点1192(14:30) − フリウギ沢橋袂(モノレール発着地)(15:50) − マゴリ沢林道口(16:20/16:30) = 自宅(18:35)

2 自宅 − マゴリ沢林道口
 お馴染みの山部さんYoshiさんの明神ケ岳山行報告を目にして、雪が消えたら明神ケ岳へ出かけようと考えていた。5月1日に山王峠から県境尾根を歩いて福島県の高土山まで歩いた。その時に、同じ名称の栗山村の高土山から明神ケ岳まで尾根伝いに縦走してみようと考えた。
 明神ケ岳は懐深い山だが薮は少ない、高土山の北鞍部は笹薮が深いようなので復路では通りたくない。よって高土山を最初に登るべくマゴリ沢林道口を目指した。国道121号バイパスから五十里湖手前で県道249号に左折し、湯西川に沿って7kmほど進むとマゴリ沢林道口で、マゴリ沢に架かる橋の先に車を駐めた。東電巡視路から登るつもりであったが、車で通る際まだ暗かったので見逃してしまった(マゴリ沢の手前約400m・・・帰路確認)。

3 マゴリ沢林道口 − 高土山  薮に悩まされることもなく山頂に高土山頂
 マゴリ沢林道口から少しばかり戻ったが、東電巡視路口は見出せなかったので、マゴリ沢に架かる橋の袂から尾根に取付いた。杉植林の尾根に取付くと、各樹木にナンバーがついている。これはダム設置に伴う補償のためのものらしい。標高700付近で北東から巡視路が登ってきた。以後はこれを利用する。尾根には密ではないがスズタケが生えているが、巡視路を辿っている限り問題ない。しばし巡視路は尾根の左手をまき気味に登って行く。送電線鉄塔直下で127号鉄塔への道は右に下ってゆく。126号鉄塔下からは西に明神ケ岳の稜線、南にはこれから登る高土山、北には横瀬山が伺える。
 鉄塔から先は右手は植林、左手は自然林となる。林床はスズタケで一部で濃くなるが獣道が通っているので、薮こぎの苦労はない。鉄塔から数分登ると、マゴリ沢林道から上ってきたと思われる作業道を横断する。木梯子とロープを伝って尾根に再び取付く。標高1000m付近には踏跡があり、古い間伐材が放置してあった。その直ぐ上からは左右とも自然林となる。赤下からの尾根を合わせると、スズタケは密薮となるが下には獣道がついてるのでそれ程の苦労はしない。山頂直下では尾根上に落ちたアカヤシオの花びらが目立つ。もう少し時期が早ければ見事な開花を見られたろう。東に高原山が枝越しに見えるようになると高土山山頂に達した。特に展望はなく、前方(南)に1200ピークとその左(東)に三角点ピーク1220が見える程度。

4 高土山 − 日向明神(1518P)  高土山北は密薮  日向明神直下は急登
 日向明神へのルートは先ず前方の1220ピーク直下から西尾根に乗移り、128号鉄塔の107高土山の北ピークのシャクナゲ0ピークを経由して更に西尾根を辿る。@高土山北斜面の下りA120ピーク直下から西尾根への乗移りB日向明神直下の急斜面登りが成功可否のポイントとなる。
 高土山の山頂からは密なスズタケが続く。下りになると背丈を超す強烈なスズタケをこぐのに一苦労。スズタケで下りであることが救いで、何とか鞍部に下りると今度は大岩が待っていた。左を巻いて二つの大岩を登りきると、小ピーク(1100P)には花をつけたシャクナゲが待っていた。先が思いやられるので一休みしてエネルギーを補給した。幸い女峰山から白根山と日向明神・明神ケ岳・湯西明神の尾根を堪能できた。
 シャクナゲはそのピークだけで、スズタケは相変わらずだがたいしたことはない。逆にアカヤシオやミツバツツジを楽しみながら痩せ尾根を通過できた。西に目標とする128号鉄塔がチラチラしだしたので斜面を登りながら西尾根を見逃さないように進む。尾根上を通るより右手(西側)をトラバースし、小さな枝尾根に取り付けた。これが鉄塔への尾根らしいのだが、思っていたより尾根が小さいのと急速に葉をつけている樹木で見通しが利かず確信が持てない。念のために尾根上に戻り確認することにした。尾根上に戻っても確認できないので。その先の1200ピークまで行ってみた。
 先刻の小尾根に間違いないと判断して、来た道を少し戻りbQ0境界杭と標石のある小ピークが西尾根分岐でここから西に下った。背丈を超日向明神(左)、明神ケ岳(中央)、湯西明神(右)  (#128鉄塔から)すズズタケが断続して現れるが、下に獣道が通っているので漕ぐのにたいした労力は要らなかった。鞍部からはスズタケに替わってミヤコザサとなった。登りにかかると左下から東電巡視路を合わせ、これを辿ると128号鉄塔に到着した。このルートの重要ポイント三つのうち二つをクリアして一安心。
 日向明神・明神ケ岳・湯西明神と連なる稜線を頭に入れて先を急ぐ。林床は主としてミヤコザサだが所々でスズタケが現れるが、たいした薮とはならない。樹木は落葉樹でミズナラやブナも見かける。1110ピークの直ぐ先で右(北東)から栗山沢とマゴリ沢に挟まれた尾根を合わせる(Yoshiさんが登った尾根)。
 今日は気温は8℃だが風がありミヤコザサの尾根と相まって快適な歩きができる。時々スズタケが現れるのがいやらしいが、高土山下りの薮に比べたら比較にならないほどおとなしい。標高1300付近からは落葉樹にシラビソが混ざり、勾配は厳しくなる。登るにつれて針葉樹が取って代わる。それとともに斜面の勾配もきつくなる。 堪らず標高1370で高原山を眺めながら一本立てる。斜面を這うように草木にしがみ付きながらやっとの思いで登りきると1518ピーク(日向明神)山頂だった。一部開けていて女峰山・太郎山・白根山を楽しむ。

5 日向明神 − 明神ケ岳 − 湯西明神  この地区の山としては予想以上に薮は少ない
 
いよいよ核心の明神ケ岳稜線歩きとなる。かん木とミヤコザサの尾根を北西に下る。シャクナゲが現れるが大した薮とはならない。アカヤシオが丁度見頃。明神ケ岳山頂までは鞍部からは約150メートル登り返さ日光連山 (日向明神から)ねばならない。日向明神直下の登りのような急登はないが、歩き始めて7時間も過ぎたので結構堪える。適度なミヤコザサと爽やかな風が疲れを和らげてくれる。明神ケ岳山頂は樹林に囲まれた笹原で、三角点からやや離れた立木に山部さんの山名板を確認して、やっと明神ケ岳に辿り付いたと実感する。
 枝に邪魔されるが360度の展望が楽しめる。いまもっとも気になっている荒海山が北東に見える。この2週間で雪が殆ど消えてしまった。いつ荒海山に行こうかな??
 安全のためにもう少し待ってからにしよう!! ほぼ真北に見える尖った山はYoshiさんが最近登った土倉山? 日光の山では白根山はまだまだ白い部分の方が多い。高原山とその麓はのどかな姿を呈している。男鹿岳の方は山頂部がガスで囲まれてしまった。このような展望を見ているだけで疲れが取れるから不思議だ。
 湯西明神アカヤシオ(日向明神ー明神ケ岳稜線)へは痩せ尾根もありそうだが、かん木があるので危険はなさそう。鞍部からの登り返しが小さいので日向明神ー明神ケ岳間に比べたら楽そう、と予測して腰をあげる。
 かん木とミヤコザサの尾根を下ると最初の鞍部付近で両側が開けて左手に福島県境の稜線、右手に高原山周辺の山々が楽しめる。県境では荒海山から田代山・帝釈山、台倉高山がはっきり見えた。これだけ明瞭に見えるのも珍しい。シャクナゲやかん木で邪魔される時は左斜面の薄い獣道を辿った。大部分は多少の薮を我慢すれば尾根上を歩けた。1550と1540ピークを越した鞍部からは痩せ尾根の急登が続く。高所恐怖症とはいえ、すがる樹木があるので恐怖感は全然ない。湯西明神直下は針葉樹は疎らで、草原を登って行く感じ。立ち止まって振り返ると今までは山頂部しか見えなかった大・小真名子山が女峰山と太郎山の間に姿を現していた。県北にくるといつも思うのだが男体山はいっこうに姿を現してくれない。少しばかり寂しい気がするのだが、こればかりはどうしようもない。湯西明神の最高部は標高点1574より更に北側に位置する。
 
6 下山  迂闊にもモノレールにひかれて計画外の尾根を下ってしまった
 下山ルートは@山部さんの下った1232ピーク経由の北東尾根、AYoshiさんが下った標高点1383経由の東尾根を考えてきたが、下山後の舗装道歩きを短くするためにAを採用することにした。
 東尾根もミヤコザサが連続している。時にはシャクナゲやかん木で尾根の右手を巻くこともあったが概ね尾根上を安心して下れた。勾配が緩やかでなかなか高度が下がらないのが難点。逆にいうと明神ケ岳の懐はそれだけ深いということ。目的は分からないが標高1300付近からモノレールが尾根上に敷設してある。暫くはこれに沿って歩く。標高点1192の先で幼木植林地帯で、展望がよく利く。左の県境尾根に目をやりながらモノレールに沿って下ってゆく。数分後に北に下っていることに気付いた。標高点1192の先は東へ下ることは知っていたが、つい景色に気をとられ安易にモノレールにつられて下ってしまった。考えていたルートに戻るには70メートルほど登り返さねばならない。下るのは簡単だが、疲労のたまった身には堪える。
 地形図で調べてみるとフリウギ沢が湯西川への流入口に下山することになる。直ぐ先に崖があるらしいが、まさかモノレールは崖の真上を通ることはあるまい。羽田空港へのモノレールのように地上何メートルといった高い所を通過するはずはない。足場の悪いところに人間が敷設したものだから必ず通り道はあると確信してモノレールに沿って下ることにした。
 急勾配の連続だが、いざというときにはモノレールが手摺代わりで多少窮屈な思いはしたが危険を感じることはなかった。左下のフリウギ沢は急傾斜であるのが歩いていても感じられる。万が一モノレールが途中でなくなっていても絶対に沢に下ってはいけないと銘記して下りつづける。沢音が聞こえ、下の県道に車が走るのが見えても着地するまでが長く感じた。モノレールはフリウギ沢橋の直ぐ傍に着地した。10座程備えたモノレール台車が発着地に停まっていた。
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