ひとり山歩き200 : 半月山から禅頂行者道(茶ノ木平・細尾峠・薬師岳・三ツ目・地蔵岳・ハガタテ平)を歩き、ハガタテ平から古峰神社に下りました。ほぼ全行程にわたって自然林の笹尾根歩きですが道筋は明瞭です。アカヤシオは半月山〜細尾峠間は散見する程度。薬師岳付近が見頃で、薬師岳・地蔵岳・ハガタテ平の尾根筋は盛りを過ぎたようです。
半月山から禅頂行者道を歩く
2005年5月9日(月) 曇り時々晴れ
1 行程
ルートマップ  (地形図 : 中禅寺湖、日光南部、古峰原 各1/25000)  
自宅(2:15) = 立木観音駐車場(3:55/4:00) − 狸窪(4:40) − 半月峠(5:25/5:35) − 半月山展望台(6:00) − 半月山(6:05/6:10) − 中禅寺湖スカイライン第一駐車場(6:40/6:50) − 狸山(7:00) − 茶ノ木平展望台分岐(7:45/7:50) − 明智平分岐(8:05) − 篭石(8:15) − 送電線下(8:40) − 送電線下(8:55) − 細尾峠(9:00/9:05) − 薬師岳(9:45/10:00) − 三ツ目(11:10) − 地蔵岳(11:20) − ハガタテ平(11:45) − 林道出合(12:20) − 林道ゲート(12:45) − 古峰神社(12:55/13:00) = 新鹿沼駅(13:47/13:58) = 東武日光(14:25/14:36) = 中禅寺湖温泉(15:17) − 立木観音駐車場(15:30/15:35) = 自宅(17:25)

2 自宅 − 狸窪
 4年前に始めた山歩きも200回になる。記念にロングウォークを考えたが、今は中途半端に雪が残っている可能性がある。よって記念のロングウォークは5月末の登山開始4周年記念にとっておくことにした。アカヤシオの鑑賞を兼ねて鹿沼と奥日光の山をつなぐべく、半月山から茶ノ木平・細尾峠経由で禅頂行者道を歩いてハガタテ平から古峰神社に下ることにした。
 公共交通機関の利用では日帰りはギリギリ。問題は車の回収で、バスと電車で中禅寺湖と古峰神社を乗り継がねばならない。スタートは下山後の自動車の回収により便利な中禅寺湖即ち半月山スタートとすることにした。気温が高くなっていることと余裕を持って自動車を回収すべく、いつもの早朝出勤。中宮祠の大鳥居手前で左折して約1kmの立木観音無料駐車場に車を駐める。10台位は既に駐まっている。
 準備をして登山口の狸窪を目指す。中禅寺湖スカイラインゲート前駐車場も満杯に近い。何人かの釣り人が準備をしている。途中の駐車場でも見かけた。既に中禅寺湖に入って釣りをしている人も多い。釣り人の活動開始は山歩きよりダントツに早い!! 湖岸道路にゲートがあり、その数十メートル先に道標がある。ここが狸窪登山口で半月峠まで1.6kmの距離だ。

3 狸窪 − 半月山  途中からガスが発生し、楽しみにしていた展望は得られなかった
 丸太階段からのスタートになる。明るい針葉樹林の中をジグザグに登って行くと、途中に半月峠.1.1kmと0.6kmの道標もあり目安になる。道筋は小岩が多少あるが登りづらいことはない。ジグザグ気味に登るので、中腹にガスを帯びた男体山を横目にして登る。半月山展望台からの眺望が楽しみだ!! アカヤシオも散発で見かける。 気温は7℃だが、連休中孫たちの相手とゴロ寝で運動不足がたたり汗を搾り取っている感じ。ミヤコザサが目立つようになると上部に稜線が見え出すが、ガスが足尾側から吹き上がっているようだ。稜線に辿り着いたところが半月峠で、道標と日光の山々 (スカイライン第一駐車場から)案内板が設置してある。ガスで足尾側は全く見えない。
 登山道にはミヤコザサがはみ出しているので、スパッツを着用して半月山に向かう。一面ミヤコザサで樹木は段々薄くなってきたが、ガスはますます濃くなってきた。楽しみにしていた半月山展望台に到着した時には、数十メートル先までしか見えない。今日一番の眺望もお流れ、あとはスカイライン第一駐車場を期待するしかない。針葉樹林の根の張った小岩の多い稜線をひと歩きで半月山山頂に到着した。立派なベンチが設けてあるが、もともとここからは展望はないので、ガッカリすることはない。

4 半月山 − 薬師岳  アカヤシオは散発 自然林の笹尾根で道筋は明瞭
 コメツガ林の尾根を下って行くうちに、左手に男体山が枝越しに伺えるようになった。しまった!! 15分遅くスタートすれば展望台で眺望が楽しめたのに、と思ったがどうしようもない。尾根の右手を巻きながら進む茶ノ木平展望台分岐ようになった。尾根上はどうかと上がってみると、低い笹が繁茂していて獣道もないが、たいした薮ではない。今日は薮漕ぎが目的でないのでまきみちに戻る。1720ピークの先に、ここのコメツガの樹齢は約100年との看板があった。日露戦争のころのものだなど考えているうちに、中禅寺湖スカイライン第一駐車場に辿り付いた。雲は多いが展望の妨げにはならない。先刻の穴埋めをしてもらった感じ。錫ケ岳、白根山、前白根山、金精峠。温泉ケ岳の稜線はまだ白さを残している。目前の男体山には白は残っていない。右後には女峰山も姿を現していた。ニギリメシを頬張りながら景色を楽しんでいると、どこかのおじさんが車でやってきて少しばかり話をしたが、もうスカイラインゲートは開いているのかな?? 監視員にしては様子が違うようだ。
 尾根屋としてはスカイラインを歩くわけには行かない。駐車場の直ぐ先から尾根に取次ぐ。アカヤシオを散見しながら登りきると狸山と名付けられた1722ピークである。コメツガ樹林の笹ピークで、展望もなくなんの面白みもない。これから先もずっと自然林の下生えはミヤコザサが続く。樹木が時々変わるだけの変化の少ない尾根歩きが続く。コメツガ林が主で、時にダケカンバ林、ウラジロモミと変わる。ブナも時々姿を現す。変わらないのはミヤコザサだけである。このミヤコザサにはハガタテ平まで付き合わされた。途中でスカイラインを横断して僅か登ったところが展望台になっていた。錫から白根そして男体山までの展望に限られる。
 緩やかに登り1625ピークを越すと急に平坦になる。茶ノ木平展望台へ寄って見ようと西に向かったが途中でガスが濃くなってきたので、展望は得られないと諦めて、北東への踏跡を辿る。茶ノ木平とか中禅寺湖の道標はあるが、細尾峠方面のはないが踏跡が明瞭で方向もあっているので安心して進む。程なく左から茶ノ木平からの道を合わせるが、危険につき通行禁止の看板と柵が設置薬師岳山頂のアカヤシオ 後方は半月山してあった。方向がかなり東向きになってくると、明智平分岐で細尾峠2.5kmとあった。
 明智平分岐からは南東に向きを変えて、先の三角点ピーク1617.8(山部さんの茶ノ木平の山名板あり)からは下りになる。立方形の岩の上に二体の石像が祀ってあった。残念だが文字は読めない。ここが篭石で、笹道を急降下して1453ピークからは南下となる。ドンドン下り続けて、防火帯を兼ねる送電線下を通過する。更に下ると芽吹き始めたシロヤシオを見る。周りの緑も濃くなっている。ミズナラ。ダケカンバ、リョウブの混ざる笹尾根は相変わらす。突然雨量観測所が出現する。細尾雨量観測所と名盤にあった。ここからは幾分か道筋が太くなったようだ。カラマツ林を下ると再び防火帯を兼ねた送電線下を通過する。前方には山頂部にガスのかかった薬師岳が見えている。送電線に沿って開けているのだがガスで遠望は効かない。
 前方から女性二人が登ってきた。アカヤシオに期待してきたが、散見できる程度と教えてあげると引き返して薬師岳に向かうとのことだった。下に車が数台見える。大勢が出発準備をしている。細尾峠に下りると、タクシーまでやってきた。
 急いで写真を撮り、団体の後塵を拝しないように慌てて尾根に取次いだ。峠から薬師岳まで200メートル強の登りとなる。多少疲れているので足取りが重い。前方に犬を連れた夫婦の姿を捉えてから追い越すのに暫く時間を要した。アカヤシオが細尾峠までに比べると賑やかになってきた。尾根には花びらが落ちているので盛りは過ぎているようだ。その代わりミツバツツジやヤヤツツキが蕾をつけ始めていた。
 重い足取りで薬師の肩に辿り付いた。ここからはダケカンバ、リョブ、ミズナラの明るい笹道を左手にアカヤシオの花を見ながらひと登りで薬師岳山頂に着いた。山頂付近はアカヤシオが丁度最盛期のようだ。ここでも楽しみにしてきた日光連山がガスで見えない。花よりは景色を見た方が疲れが癒されるのだが。今日の天気予報で覚悟してきたので諦めがつく。休んでいると例の団体が登ってきた。

5 薬師岳 − 古峰神社  薬師岳のアカヤシオは見頃  夕日岳を割愛して時間短縮  
 禅頂行者道は02年4月24日(ひとり山歩き40)と03年5月2日(ひとり山歩き91)と二回歩いているので詳細は省く。団体と入れ替わりに三ツ目を目指して腰をあげる。薬師岳ー三ツ目(ー夕日岳)ー地蔵岳ーハガタテ平は高低差も少なく道筋も明瞭で特記するほどのことはない。過去二回の禅頂行者道歩きはアカヤシオの最盛期前に歩いている。登山道沿いにもっとアカヤシオが多いとばかり思っていたが、それ程のことはなかった。半月山ー細尾峠よりは多いが纏まって咲いていたのは三ツ目の北斜面だけだった。
 アップダウンの少ない笹尾根歩きは花が見えなくても景色が見えなくても心の安らぎにはなる。途中でエンジン音が聞こえてきた。チエンソーにしては静かである。音源に近づくと三名で道筋にはみ出し1406ピーク付近の登山道た笹の刈払いをしていた。道理で道筋に笹がはみ出していない筈だ。道を空けてくれたので「ご苦労様」といって通り過ぎると、ニコットしてくれた。
 計画より10分余分にかかって三ツ目に着いた。夕日岳へ寄るか、それとも割愛して古峰神社発のバスを1便早めるか(1時間20分短縮)。三ツ目ー夕日岳間のアカヤシオは満開だろう。でもガスで夕日岳から日光連山の展望は100%期待できない。バスを1便早めると1時間50分で古峰神社まで歩かねばならない。計画時間は2時間で疲労もたまってきたから、バスに間に合うという保証はない。いろいろのことを一瞬に考慮して下した結論は、自分の脚力に賭けて見ることにした。
 そうと決めたら横目もふらずに登山道をまっしぐら。地蔵岳はアカヤシオを期待したが、下りで数本見かけただけ。ハガタテ平の手前で登る人に出逢った。結局薬師岳以降で出逢ったのはこのひとり。今日は夕日岳も多いとは思えない。薬師岳は細尾峠まで車で入れるから人気があるのだろうか。ハガタテ平に着いたが、三ツ目からは35分であまり短縮できていない。山道で大幅短縮は難しい。林道出合から古峰神社まで得意の平坦道路歩きに期待するしかあるまい。
 ハガタテ平からは今までの自然林とは異なり植林歩きとなる。道筋は明瞭で地形図を見ないですむのが時間短縮の助けになる。標高1000mあたりから作業道が登山道に並行しているが、倒木や地荒れで反って歩き難い。標高950m付近で林道に出合う。残り時間は40分、少し厳しい!! 林道からは砂利道を小走り。県道出合(林道ゲート)へは登りになる。ここを息を切らしながら越すと、バスに間に合う確信が持てた。古峰神社のバス停に5分の余裕を持って到着できた。

6 自動車回収(古峰神社ー中禅寺湖)
 バスと電車を乗り継いで中禅寺湖まで戻らねばならない。走ったお陰でその後の乗り継ぎが良好で、中禅寺湖まで1時間20分で戻れた。ひとりで尾根歩きをすると、この位の時間ならしばしば自動車回収に歩いているので楽なもの。
 今日のコースは登山道が整備されているので、面白みには欠けた。アカヤシオを楽しんだし、何より鹿沼の尾根と奥日光の尾根がつながったのをもってよしとしよう。
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