ひとり山歩き190 : 引田橋からかまど直下を経てかまど倉に登り、尾根伝いに羽賀場山〜お天気山まで歩いてきました。尾根にはほぼ全コースにわたって薄く雪が積もっていました。羽賀場山からお天気山の間はかなり危険を感じました。途中で追い越したグループに滑落事故が発生したようです。殆どが植林の尾根ですから展望はあまり期待できません。
かまど倉(556.6)羽賀場山(774.5)お天気山(770)
2005年2月28日(月) 晴れ
1 行程
ルートマップ (地形図 : 文挾 1/25000)  
自宅(5:20) = 引田橋(6:20/6:30) − かまど直下(7:25/7:30) − かまど倉(7:50/8:10) − 送電鉄塔(9:00) − 410ピーク(9:40) − 送電鉄塔(10:05/10:10) − 三角点ピーク(486.2)(10:20/10:25) − 祠ピーク(620)(10:50) − 羽賀場山(11:50/12:05) − 777ピーク(13:05) − お天気山(13:30/14:00) − 上大久保登山口(15:05) − 上大久保BS(15:10) − 長安寺入口(15:50) − 引田橋(16:20/16:30) = 自宅(17:30)

2 自宅 − 引田橋かまど倉(引田橋付近から)
 大芦川と黒川に挟まれた鹿沼市/今市市〜日光市の境界稜線をお天気山から六郎地山の間を歩くべく地形図で検討していた。同じ稜線上のかまど倉〜羽賀場山を歩いたという情報が掲示板に寄せられた。川化山〜かまど倉を歩いたことはあるが、地形図に山名が記載されていないので、情報ルートに気付かなかった。
 川化山・かまど倉・羽賀場山・お天気山を通して歩こうとも考えたが、@下山後の自動車回収に歩く距離が長くなること、Aかまど倉には南側からかまど直下経由で登ってみたい、という二つの理由により川化山〜かまど倉間は省くことにした。2月18日に横根山から下山時に負った左大腿部肉離れもほぼ回復したし、好天も期待できたので出かけることにした。鹿沼市街から県道14号(古峰街道)で大芦川に架かる引田橋を目指した。橋を渡って直ぐに右折し、100mほど先に車を駐めた。

3 引田橋 − かまど倉  かまど直下経由で山頂へ  登山口をうまく選べば難しいこと大岩壁(かまど)の一部はない
 右手の池の横を道なりに北東に進むと、岩本家奥津城(墓地?)が目に付く。ここの右側から山側に薄い踏跡が認められたのでこれを追うことにした。小沢沿いに踏跡を進むとやがて木馬道跡となる。間伐材で荒れ、やがて単なる踏跡に変わってしまった。谷沿いの踏跡を詰めて急斜面を登ると北に向かう尾根に乗った。直ぐ先でかまど直下に向かう北西尾根に乗り移る。稜線にはヤブもなく歩きやすいが、高度が上がるにつれて白さが目立つようになる。岩場を右から巻いて稜線に戻ると大岩壁であるかまどの直下に達した。
 大岩壁に沿って北から北西へと薄い踏跡を辿ると、やがて左手に稜線が見えるのでこれに取り付く。この稜線を右(北東)に辿ると川化山に行けるが、ここは左(南西)に進む。3・4分進むと左手が開けた展望台に達する。東に古賀志山、南に二股山と鹿沼市街地が展望できる。更に2・3分で三角点のあるかまど倉山頂に着く。山頂部は平らな小スペースで樹林の中で展望はない。山名板が3枚ばかり目に付いた。引田橋からかまど経由ルートは登山口さえ見つければ難しいことはないが、特に印象に残るルートではない。
 山頂部から踏跡を辿って南へ僅か進むと、大岩壁の頭で石祠が祀ってある。ここからは正面に二股山(二股にはみえない)と真下に引田橋周辺が展望できる。注意してみると自分の車が蟻のように見えた。大岩壁は極一部しか見えないのが残念だが、富士山も見えたので朝の出だしとしてはよしとしよう。

4 かまど倉 − 羽賀場山  部分に雪が残っているが、危険な箇所は少ない 
 かまど倉山頂に戻って男体山、笹目倉山を枝越しに見ながら西へ踏跡を追って下る。日陰には雪が残っている。今日のコースは最初は北へそして北西へと進むので、北斜面が凍結していなければ良いがと祈りなが日光連山(620ピーク付近から)ら進む。肉離れの影響は全くといっていいくらいなかった。多少の雪があっても目的地まで大丈夫の感触をうる。鞍部から510ピークの岩壁は右を巻いて通過する。ルート図にいい加減に線を記入していたので、間違って直進してしまい10分のロス。以降は慎重に地形図をチェックしたのでノーミスであった。右側(東)が幼木帯を高原山を見ながら下ると送電鉄塔に達した。ここからは前方の三角点峰(486.2)が見える程度。
 送電鉄塔先の鞍部で東西に抉れた峠道が残っていた。稜線の両サイドとも林道が直ぐ傍に付いているので、引田と板荷を結ぶ峠道だったのであろう。鞍部からは薄く雪の残る植林を緩やかに北に登って行く。植林の中だから展望もなくただ黙々と歩く。410ピークで方向を北西に変えて送電鉄塔を目指す。時には右手の樹間に尖った石尊山(今市)を見ながら進むと、第二番目の送電鉄塔に辿り着いた。傍に266号鉄塔に至る(東へ)の標識があったが、この鉄塔が267号か265号かはわからなかった。鉄塔下からは南にかまど倉,北に石尊山、笹目倉山・鶏鳴山等が展望できた。遠望では女峰山から高原山が確認できた。
 送電鉄塔から東電巡視路を辿ると右手(東)が幼木帯で、高原山とか古賀志山を見ながら進むと四等三角点峰(486.2)に達する。三角点峰からは植林の中をほぼ西に進むが、東電巡視路に重なっているのでプラスチック階段が設置してあり暫くは楽な歩きができた。いつの間にかプラスチック階段はなくなり、相変わらず植林の薄い雪上歩きで登り勾配がきつくなる。620ピークの東端は雑木の明るい小ピーク。北西向きの石祠が祀ってあった。側面に福田八○○と彫ってあった。個人的に祀ったものらしいが、年代は記入してなかった。
 620ピークを過ぎると右手が幼木帯で日光連山から高原山、笹目倉山・鶏鳴山、石尊山を見納め、再び植林の登りが始まる。うっかり長安寺への分岐尾根を見過ごしてしまった。万一のエスケープルートであったのに。暫くして振り返ると尾根筋と送電線が確認できたので、安心して先に進む。足跡が目立ちだした。羽賀場山へ登る人は結構多いのだと感心しながら歩いているうちに、羽賀場山山頂に達した。山頂の一等三角点の回りにかなりの足跡が残っている。地形図に載っていない山だが一等三角点が設置してあるということで人気があるらしい。山頂からは樹林に囲まれ展望はない。

5 羽賀場山 − お天気山  全体に雪が残り注意が必要 777ピークの下りは危険
 お天気山に向かってスタートすると、足跡が荒れているのに気付いた。どうやら多人数がアイゼンをつけて歩いているようだ。アイゼンを使用しないですむことを願いながら小さなコブを三つ越すと急降下お天気山の山頂(左は下山口の道標、右は石祠と案内図)となる。雪は薄く積もっているが凍結していないので注意は必要だが危険を感じるほどではない。標示に従って向きを左にとって下り始めると、鞍部で大勢が休憩しているのが目に付いた。20人近い男女の高齢者グループが昼食を摂っているところであった。お天気山まで行くとのことであった。何人かの靴底を見ると軽アイゼンをつけていた。これから先に無雪期でも危険な箇所が多いのに、非力な高齢女性が多いので気にはなったがそのまま通過する。
 鞍部から登り返して730mと720mの二つのピークを越す。730ピーークの登り以外は雪がついていた。下りは北側に位置するので樹木の助けを借りて進んだ。三つ目のピークが777ピークで岩が多く細長い頂である。ガイドブックによっては間違ってこのピークをお天気山としているが、お天気山は北西隣りのピークである。
 問題はこのピークからの下りで急勾配に加えて掴まる樹木も少なく非常に危険を感じた。アイゼンかロープを使用しようかと思ったが、雪から僅かに張り出している根っこの助けを借りて後ずさりするようにして下った。今日のコースで最も危険なところであった。後続のグループは難儀するだろうと思いながら先に進む。
 鞍部からは岩稜で右手に女峰山、鶏鳴山、高原山等をチラチラと眺めながら進むが、安心はできない。大岩を左から巻いて稜線に戻ると直ぐ先がお天気山の山頂であった。2002年4月に来た時には「お天気山(天強山)」の小さな山名板(今でも残っていた)一枚しかなかったように記憶しているが、山頂は様変わりしていた。東端には大きな道標が二つ。中央には案内看板が目に付き、立派な山名板が3枚増えていた。西向きの石祠と破損した石像が祀ってあるのは変わりなかった。南東に羽賀場山と777ピーク、北側に男体山、女峰山が樹間に見える程度。
 お天気山から北西への下りは絶壁があるとのことで様子を探りに山頂の西側に行くと北東からの足跡が確認できた。この足跡は前日に北西に連なる尾根伝いに絶壁を避けながら苦労して登られたstarionさんのものであった。今日は体力も消耗しているのであまり深追いはせずに山頂に戻った。山頂東端にある道標には直進すると板荷となっていたが安全なルートはあるのかしら!? 北へ伸びる小尾根伝いに下って、林道を利用せよ、と言うことかな?? (ちょっと不親切な道標だ)

6 下山  山道と道標が最近整備されたようだ   途中で追い越したグループに滑落事故発生
 山頂の東端から道標に従って登山道を急降下する。下山開始間もなく、ヘリコプターが777ピークに向かい上部で暫くホバリングし羽賀場山方面に飛んでいった。例のグループに事故発生かと思いながら下山を続ける。ヘリを気にしながら下りてくると大松の根元に一体の石祠があった。下山口の道標にあった二の宮とはどう登山口からお天気山(左端)  待機する救急車等やらこの祠をいうらしい?? 
 更に尾根の登山道を下ってゆくと直は一の宮、左は下山道との道標が設置してあり、リボンで左へ進むよう促している。前回はこのまま尾根伝いに下ったように記憶しているが、道標は最近設置されたようなので、ルートを知るために下山道を下ることにした。尾根と谷の中間を巻いて下りやがて先刻の尾根に戻った。外した尾根筋に祠がありそこを一の宮というのかな、と推測しながら下りつづける。再びリボンで尾根から谷へ下るよう促している。ここもリボンに従って進むと左(南)の小尾根に乗り継ぐ格好となった。以降は道筋の薄い所もあるがこの尾根に沿って南西に下りつづける。
 途中で地元の人に案内された消防隊員に出逢う。やはり例のグループに事故が発生したのだ。2名が滑落したとのことであった(場所は不明、777ピークの東らしい)。途中の様子を簡単に説明して分かれる。少し下ったところに数名の隊員が控えていた。無線連絡を聞いているとグループは777ピークから尾根伝いに下るらしい。それにあわせて隊員も下山を始めた。
 展望のない植林の尾根筋を下ったので正確な道筋はわからないが、勾配が緩やかになると、見覚えのある墓地を抜けて舗装道に辿り着いた。ここがお天気山の登山口で、救急車やパトカーが待機していた。事故を起こしたグループとは別だと説明して上大久保BSに向かう。 
 県道14号で長安寺前を通って引田橋まで約6kmを歩いて戻る。途中でバスに追い越されるのはわかっていたがこれを利用する気は毛頭なし。10km位歩くのであればバスを使うかもしれないが・・・  登山靴で舗装道を歩くのは足にかかる負担が大きいのが難点だが、その日に歩いた尾根筋を眺めながら駐車地に戻るのも捨てがたい。
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