ひとり山歩き183 : 織姫神社から両崖山、大岩山、行道山、行道峠、馬打峠、藤坂峠経由で名草巨石群まで尾根歩きをしてきました。大部分は関東ふれあいの道に重なっていますので、道筋はしっかりしています。行道峠付近だけはヤブ多く多少のルーファンが必要でした。前半の行道山(石尊山)見晴台までは展望に恵まれますが、後半は樹林のなかで展望はあまり期待できません。
織姫神社〜行道山(石尊山)〜名草巨石群
2005年1月8日(土) 晴れ
1 行程
ルートマップ  (地形図 : 足利北部、番場 各1/25000)   
自宅(4:40) = 織姫神社駐車場(5:50/6:05) − 両崖山(6:45/6:50) − 念仏供養尊(7:05) − 三角点峰(274.4)(7:30) − 大岩毘沙門天(7:40/7:50) − 大岩山(8:10) − 行道山(石尊山)見晴台(8:25/8:35) − 行道山(石尊山)(8:45) − 行道峠(9:05) − 馬打峠(9:30/9:35) − 三角点峰(387.9)(10:10/10:20) − 石祠峰(10:35/10:40) − 藤坂峠(10:55/11:05) − 名草巨石群分岐(11:30) − 名草巨石群(11:55/12:10) − 入名草BS(12:40/13:30) − 足利鑁阿寺(13:50/14:05) − 織姫神社駐車場(14:15/14:30) = 自宅(15:50)

2 自宅 − 織姫神社
 足利市の織姫神社から行道山経由で名草巨石群まで尾根歩きをしたい、と以前から考えていた。巨石群から織姫神社までの戻りを考え二の足を踏んでいた。いくら平地歩きが得意といっても14kmも舗装道を歩く気にはなれなかった。このコースは「栃木の山120」に紹介されていて、関東ふれあいの道を辿ることになっている。
 関東ふれあいの道と殆どは重複するが、尾根に拘ってみようとWebを調べたら、何例かの報告が見つかった。これらの報告から復路は田沼町営バスの利用を思いついた。便数は少なく、日祭日は更に少ないことが分かった。急遽三連休の初日の土曜日に実行することにした。
 得意の早立ちができることと太陽を背にして歩けるので、織姫神社からスタートすることにした。国道50号経由で足利市に向かう。カーナビに任せて織姫神社付近に着いたが、ナビは駐車場までは案内してくれない。国道50号から日赤病院前の細い道(一方通行)を北上し、足利短大付属校の体育館付近から左折するのだが、暗くて通り過ぎてしまい、やり直しでやっと道を見つける。三箇所ある駐車場の織姫神社に最も近い駐車場に駐めた。もちろん未だ真暗で一台も駐まっていないが、早朝散歩を楽しむ人通りは多い。

3 織姫神社 − 行道山(石尊山)見晴台   道は明瞭で危険箇所なし  展望も楽しめる
 散歩者の後を追って駐車場外れの石階段を登り、外灯を頼りに古墳の横を通って北に向かう。先刻通過したレストラン下の駐車場からハイキングコースに入る。グループあるいはひとりで散歩する人が多い。念のためにハイキングコースに間違いないことを確認して舗装道を登る。右側に足利市街地の灯りを眺めながら進むと山道になり、すぐ先に休憩所のある広場についた。ここが多分鏡岩広場なのであろうか数人の散歩者がたむろしていた。
 広場からは露岩混じりの道で散歩者は極端に少なくなる。小ピークからの下大岩山 (三角点274峰から)りになると、前方に両崖山がシルエット状に見え出す。未だ夜は明けきっていないが、今日は天気はよいにもかかわらず遠方が霞んでいるようだ。3日の山歩きの時は空気が澄んでいたので遠望が利いたのだが、今日はあまり期待はできない。赤鳥居の手前に道標があり、左は天狗山を示している。足利城址の説明板も見かける。今までにも何箇所かで道標が目に付いた。道標どころか踏跡もないようなヤブ山歩きが多いので、道標がやけに目に付いて仕方ない。今日は関東ふれあいの道と大部分がダブルのでルーファンの心配はなさそうな予感がする。城址の説明を読んで石階段を登ると両崖山の頂上で、狭い広場に祠を多数見る。足利市の天然記念物に指定されている6本のタブノキ(クスノキ科)も目に付いた。未だ写真を撮るには充分な明るさになっていないのが残念!!
 両崖山からの下りになると、前方に山頂大岩毘沙門天の山門(修復中)部が尖った大岩山が見えるようになる。鞍部に下る途中で、大小山の山並みから太陽が顔を出した。擬木の階段を下ると右(東)雷電神社、左(西)大岩毘沙門天の道筋が乗越していた。更に下ってゆくと右下に地形図にはない林道が並行するようになる。鞍部にトタン屋根の下に地蔵が祀ってあり、念仏供養尊と書いてあった。鞍部から擬木階段をほんの僅か登って下ると先刻見えた林道を横切る。
 左下に林道を見ながら尾根筋を登ると、途中の露岩にベンチが設置してあった。遠方はなんとなくモヤモヤしているが南西に富士山は確認できた。左下に集落を見ながら登ると、平坦な道の上に四等三角点が設置してあった。ピークには思えない平坦部だがここが三角点峰(274.4)の頂上である。左前方に大岩山、後に両崖山が確認できる。
 三角点峰から僅か下ると、林道に飛び出す。林道をこのまま進むと600mで大岩山毘沙門天だが、林道出合の50m先で再び尾根に取付いで登って行くと、林道終点の広場に達する。ここから西に下ると5分程で大岩毘沙門天の本堂に着いた。日本三大毘沙門天は、京都鞍馬山、奈良信貴山にこの大岩山といわれている。鞍馬山と信貴山は三大の二つに間違いなく入るようだが、大岩山以外にも三大を名乗る寺はあるようだ。何か法会でもあるのか、下の駐車場には車が10台駐まり、お経も聞こえていた。
 再び本堂裏から林道終点の台地に戻る。台地にはテーブルが設置してあり、左の関東ふれあいの道を登るべきであったが、右の踏跡へ進んでしまった。途中で間違いに気付いたが東側から獣道を拾って強引に登る。両崖山付近から見て気付いてはいたが、大岩山は山頂部が尖っているので、登るのに苦労した。大岩山の頂上にはベンチとテーブルが設置してあり、西側が開けている。富士山は確認できたが、その他は霞んでいて遠望が楽しめなかった。
 大岩山から緩やかに十数分登ると三角点のある開けたピークに達する。このピークは地形図に記載されている行道山の南峰で、実際は行道山見晴台又は石尊山見晴台というのが正しいようである。山頂部は開けていてベンチと方位盤が設置してある。遠方の山では男体山〜女峰山の頭、ガスかぶりの赤城山と富士山しか確認できなかった。東には例によって筑波山が墨絵のように見えた。じっとしていると風が冷たいのでエネルギーを軽く補給して後半の尾根歩きに備える。

4 行道山見晴台 − 藤坂峠  行道峠付近に笹薮あり、多少のルーファンが必要  
 今日は藤坂峠で打ち切り、入名草から13:24発のバスで足利市まで戻る予定で計画した。名草巨日光連山(行道山見晴台から)石群までの準備は一応してきた。関東ふれあいの道は容易で前半は予定よりかなり短縮できた。巨石群まで脚を伸ばすつもりで後半を歩き出した。
 見晴台から下った鞍部で右に行道山浄因寺0.9kmの道を分けた。家に帰ってよく調べると、寝釈迦は鞍部からそれ程遠くない事を知ったが後の祭りであった。浄因寺の道を見送って極端に薄くなった尾根の踏跡を辿る。二・三分で地形図記載の行道山山頂に達した。山頂には欠けた石像があった。この石像から石尊山と呼ばれるのもしかりと合点して通り抜けた。
 行道山を緩やかに下り、東から北向きに方向を変えて急降下する。落葉が堆積していてスリップに気をつけながら下りきると、植林の中に背丈を超える笹が目に付きだした。薄いが踏跡はあるし難儀をするほどではない。行道峠ほんの僅か登り返して下った鞍部に明瞭な道筋が通っていた。ここが行道峠で現在では通る人もまれのようで道端には背丈を越す笹が繁茂している。そう遠くはない昔は、行道山浄因寺の参拝あるいは生活道として重要な道だったのであろう。
 峠からは笹の間に通る薄い踏跡を追って尾根筋を僅かに登ると平坦になる。右手を注意しながら歩くとテープが目立つ地点に達して、ここから植林を東に下って登り返すと、関東ふれあいの道に出合う。名草巨石群まで7.2km、浄因寺2.5kmの道標を見て、これから先は巨石群まで関東ふれあいの道を辿るので、物足りない気はするが安心して歩ける。植林を北に下り、道なりに東へ下ると、舗装道に出合う。ここが馬打峠で、結構車は往来していた。峠には馬打峠の由来説明板がある。坂が急なので馬に鞭打った「馬打ち」と武将が馬から落ちた「馬落ち」との二説がある。舗装道を右に約100m進むと巨石群まで6.5kmの道標を見て再び尾根に取付く。
 植林をアップダウンを繰り返しながら北東に登り、やがて方向を北西に転ずると露岩混じりの道となる。展望を楽しみながら進むとテーブルとベンチの設置してある三角点峰(387.9)に到着。北西に仙人ケ岳、南西に行道山が確認できた。三角点峰から幾つか小ピークを越すと石祠の祀ってあるピークに達した。400ピークで北西に仙人ケ岳、西に石尊山と深高山、南西に行道山が見通せる。このピークの手前鞍部に確認はできなかったが、地形図では破線が乗越しているので石祠があっても不思議ではない。
 ここからは多少アップダウンはあるが駆けるように下った。県道218号名草坂西線の切通の上から階段を下ると藤坂峠で計画よりも1時間以上短縮できた(Webによると健脚で4時間、遅い人で7時間)。バスの時間まで2時間半近くあるので、名草巨石群まで脚を伸ばすことに決めた。今日は気温が低かったせいか疲労が少なく歩行速度が上がったようだ。

5 藤坂峠 − 名草巨石群  峠からの登りは結構きつい  巨石群には家族連れ多巨石の上にある厳島神社
 舗装道を西に100mほど進んで、再び関東ふれあいの道に取付く。丸太階段を登って行くと赤雪山から下ってきたと思われる2名と出逢う。植林の歩きから伐採地の歩きとなった。陽射しがあってよいのだが、逆に前方の426峰が高く見えだした。今日は道が比較的平坦だったので、普段のペースよりはやや急いだせいか疲れが出だしたようだ。どうにか426峰を登りきり、僅か下ると名草巨石群分岐で左は松田、真っ直ぐ尾根を詰めると赤雪山。巨石群まで0.8kmと道標で確認して植林を右にジグザグに下る。丸太階段を下ると作業道に出合う。これを追って下ると舗装道に出合った。最後の力を振り絞って坂を登ると厳島神社に辿り付いた。ここからはノンビリと巨石群を見学した。四組の家族連れと出逢った。観光スポットになっているようだ。 

6 名草巨石群 − 織姫神社
 田沼町営バスの入名草BSで小一時間の待ち合わせ。日が当たらずブルブル震えながらバスを待って乗り込むと、乗客は自分を入れてたったの三名。鑁阿寺で降りるまでに乗り降りなし。赤字は間違いないのだが廃止できない理由があるのだろう。
 折角の機会だから、鑁阿寺西門(大日西門)で降りて寺の見物をして織姫神社に帰った。
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