ひとり山歩き178 : 粟野町と鹿沼市境界の粟沢峠から尾根伝いに三峰山に登りました。三峰山は文字通り三つの峰からなり、いずれの峰にも石祠が祀られています。今回の尾根歩きの目的は、粟沢峠から三峰山・石裂山・大滝山・横根山へと連なる尾根をつなぐ一環です。
粟沢峠から三峰山(485)北西尾根を歩く
2004年12月8日(水) 晴れ
1 行程
自宅(5:15) = 粟野町口粟野駐車地(6:00/6:30) − 粟沢峠(7:00) − 380ピーク(8:20/8:30) − 三峰山(9:15/10:10){三角点峰(9:15/9:25) − 最高峰(9:35/9:40) − 第三峰(9:50/9:55) − 最高峰(10:05/10:10) } − 標高点481ピーク(11:30) − 450ピーク)11:50/12:25、15minロス) − 梶又林道出合(12:50) − 梶又(県道177号)(13:00) − 粟沢峠(14:15) − 口粟野駐車地(14:50/15:00) = 自宅(15:45)

2 自宅 − 粟沢峠口粟野から見る三峰山(左の三峰)
 4月から11月まで県北を中心に尾根歩きを楽しんできたが、12月に入ってから積雪の便りが届きだした。残雪期を除いては雪山には踏み込まないことにしているので、これから暫くは県南の低山歩きに復帰することにした。安蘇・鹿沼・前日光付近の主要尾根の全踏破を目指しているが、今回は粟沢峠から三峰山・石裂山・大滝山・横根山へと連なる稜線の未踏部分を補完する。ゴルフ場を無断で歩くわけには行かないので、この尾根の派生点は鹿沼市と粟野町の境界にある粟沢峠とする。粟沢峠から北西に尾根を辿り。三峰山そして更に北西尾根で石裂山を目指す。距離が長いので、一回で石裂山まではとても無理なので、北西尾根の途中から枝尾根で下山する必要がある。今日は粟野側に下ることを想定して粟野町口粟野付近に車を駐めることにした。県道15号の粟野町役場付近で左折して県道246号(草津粟野線)を進み。約1km先で粟沢峠口を通過した。時間的に早すぎたので、粟沢峠と県道246号線の先を偵察した。最終的に粟沢峠口の約1km北西の路肩に車を駐めて、粟沢峠に向かう。粟沢峠口付近で振り返ってみると、これから登ろうとしている三峰山と周辺のピークが望めた。粟野町と鹿沼市をつなぐこの道路は立派で交通量も多い。粟沢峠は粟野町と鹿沼市の境界で峠の左右にゴルフ場が存在する。

3 粟沢峠 − 三峰山  藪のない尾根歩きを楽しむ 最後に岩場で少し緊張  三つの峰に石祠
 粟沢峠の両サイドはコンクリートで固められているので、手前側から植林の斜面に取付いた三峰山から日光連山を望む。10分ほど急登すると、踏跡の認められる北西尾根上に達した。県北の尾根で悩まされた笹、石楠花、針葉樹等の藪は全くといってくらいない。その点では安心して歩ける。その代わり尾根上に放置されている間伐材には悩まされることがある。低山尾根では枝尾根が多い、植林で見通しが利きづらい、踏跡が入り乱れている、高低差が少ないといった要因で、高山よりもある意味ではルーファンは難しい。その反面ルートを間違えても命取りになることは少ないので安心できる。途中で多少間伐材に悩まされたが、特に問題なく第一チェックポイントの380ピークに達した。このピークからは北東に高原山や二股山、北西に男体山〜女峰山が枝越しに伺えた。
 380ピークのすぐ先で南東が開けて、筑波山が見えた。例によって県北の低山からはいつものように宙に浮かんで見える。尾根筋にはクヌギ、栗、松が目に付き、枯葉と枯枝を踏みながら歩くのは気持ちが良い。県北の藪尾根に比べたらとても爽やかな歩きができる。380ピークからはほぼ西に進むが尾根筋の樹木が薄くなるので、日光連山や近隣の山々を枝越しではあるがしばしば目する。尾根を歩いていて遠くの山を眺めるのが大好きで、低山歩きの楽しみのひとつである。尾根筋は松を配する岩質の細尾根となり、前方に尖ったピークが見えるようになった。標高450位からは岩稜尾根となり、今までに比べると緊張感が増した。10分あまりの岩稜尾根そして最後に岩場を登りきると、三角点のあるピークに達した。これが地形図に記された三峰山の山頂で、久しぶりに緊張感を味わった。狭い山頂部には石祠と栃木の山紀行と達筆(97.2.15)の山名板が設置し石祠(左から三角点峰、最高峰、第三峰)てあり、日光連山と古賀志山方面が樹木の合間から展望できた。
 地形図で見ても樹間から見ても西隣りのピークの方が若干高い。岩稜の細尾根を伝って隣りの尖ったピークに行く。最後はやはり岩壁登りで気が抜けない。最高峰は細長い山頂で中央に大型の石祠が祀ってあり、傍らの立木に多数の木札が立てかけてあったので、覗いてみると同じ人が毎年元旦にお参りしているようである。中には大学合格祈願の木札も見かけた。地元の信仰は厚いように感じた。山部さんの山名板と他に2枚を見た。
 南のピークにも石祠が祀ってある、と栃木の山紀行さんが報告している。この三つのピークを合わせて三峰山と呼ぶのであろう。今日のコースから外れているが、ここまで来て寄らない訳には行かない。またまた岩場の急降下である。緊張しながら下ってゆくと東側に踏跡が認められた。鞍部まで下ると、寄ってきた二つのピークとは異なり植林になり普通の山となる。鞍部で立木にマーキングを見かけた。栃木の山紀行さんが登ってきたルートのようだが、踏跡はハッキリしなかった。第三のピークは西側が植林、東側が自然林でなんの変哲もない山頂だが、やはり小さな石祠が祀ってあった。ここから北を向くと枝越しに尖った二つのピークが目に入る。栃木の山紀行の報告を読んでいなかったらこのピークは寄ルことはなかったであろう。再び最高ピークに戻って先へ進む準備をした。

4 三峰山 − 北西尾根(450P) − 下山 
 三峰山からは今日中に石裂山まで歩くのは不可能である。もう一回で石裂山に届くように今日はできるだけ進んでおきたいが、どこまでといった特別の計画はない。日没までには車に戻れるよう、適当なところで枝尾根を見つけて粟野町側に下る考えで北西尾根に進んだ。三峰山までは推定より時間がかかってしまった。これから先は三峰山(北西尾根の途中から)もっと厳しくなりそうなので、無理は絶対にしないことを銘記した。
 予想通り三峰山から先は、松を配した岩稜が多く、小ピークも多い。これらのピークの登りと下りが難物で、足場が悪くしかも急勾配である。藪こぎは労力を要するがそれほどの危険はないが、急斜面ではまかり間違うと大怪我をする。自然歩行速度も遅くなった。悪いことに小さなピークが多く高低差が少ないので、正確な現在地が把握し難くなってきた。標高は低いが思ったよりはハードな歩きを強いられる。そんな尾根だが何種類かのマーキングを見かけた。自分と同じような尾根歩きを楽しむ人がいることに意を強くした。狭い日本だから、大概のところは誰かが歩いているのだ。
 尾根上は自然なので歩くのが気持ちよい。時には岳ノ山、大鳥屋山といった安蘇の山々が目に入る。低山は立ち止まっても同定が難しい。ましてや歩きながらでは余程特徴のある山でないと同定は困難である。男体山、白根山、赤白鉄塔の鳴蟲山とか横根山を枝越しに眺めながら、450m程度の小ピークを幾つか越して、松の岩稜尾根を少し登り返すと標高点481ピークに達した。
 このピークからは暫くの間、下り勾配で枝尾根が多いので注意が必要である。町界尾根なので境界杭が打ってあることが救いでこれを追えばよいのだが・・・ 古賀志山と高原山を眺めながら気持ちよく尾根を下る。時には岩稜部を緊張しながらも歩行速度やや速まったように感じた。気がついたら下り勾配が大きく、境界杭がないのに気付いた。西北西に進むべきところほぼ北北西に下っていた。元に戻るのに15分程ロスしてしまった。戻った地点には境界杭もあり、プラスチックビンも見かけた。ここが450ピークで、ザックを降ろして昼食を取りながら今日はどこまで進むか検討した。間違って下ってしまった尾根は歩きやすかったので、そのまま下れば梶又林道(正式名称は不明)付近に下山できると地形図から読み取った。鹿沼市側への着地だが、ここは安全をとることにした。
 北北西尾根は歩きやすくドンドン下ってゆくと、標高250m付近で小さな沢に辿り付いた。この沢に沿って北東に3分歩くと林道に出合った。林道を進むと軽トラとすれ違う。軽トラが通るのならと安心して進むと、ハンターが無線連絡をしていた。どうやら先刻の軽トラの主もハンターのようである。ハンターに出逢ったのは初めて。自分は平日に山歩きをするのでハンターには出逢わないと考えていたが、それが覆された。今日のように高齢ハンターなら平日でも狩にでるので、暫くは注意が必要だ。程なく県道177号線の梶又に無事着いた。梶又付近には何枚ものハンター対する注意書きが貼ってあった。
 梶又から粟沢峠を越して口粟野の駐車地までは舗装道。今日は靴の履き初めであり、足に充分馴染んでいないのでお得意の平地歩行も速度が上がらない。久しぶりの県南の低山歩きは藪に邪魔されることもなく、適度な緊張感を味わえ満足して家路についた。 
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