ひとり山歩き177 : 藤原町芹沢から持丸山、高瀬山、白倉山と周回してきました。持丸山と高瀬山の稜線は笹薮の連続でした。町界尾根から白倉山への下りも同様でしたが、白倉山から芹沢橋への下りは藪はなく快適な歩きができました。残念ながらどの山も眺望は期待できません。
持丸山(1365)〜高瀬山(1276)〜白倉山(1048)周回
2004年11月29日(月) 晴れ
1行程
自宅(3:00) = 芹沢橋(4:50) = 持丸林道口(5:00/5:10) − 持丸林道終点(5:35/5:45) − 東電114号鉄塔(6:05/6:15) − 北東尾根出合(6:55) − 持丸山北の肩(7:20) − 持丸山(7:50/8:10) − 1312ピーク(8:45/8:50) − 東電116号鉄塔(9:30) − 1240ピーク(10:20) − 高瀬山(11:25/11:45) − 1240ピーク(12:45) − 1104ピーク(13:15) − 白倉山(14:05/14:20) − 林道出合(14:55) − 芹沢橋(15:00) − 持丸林道口(15:30/15:40) = 自宅17:55)

2 自宅 − 持丸林道口
 今年の4月26日に日向倉山に登った時に、南に持丸山が見えた。その時はあまり興味はなかったが、その後、山部さんとYoshiさんの報告や掲示板の書き込みで歩いてみようと思うようになった。尾根屋としては、この周辺の4座(持丸山、高瀬山、白倉山、横瀬山)を結ぶ稜線歩きができないか検討していた。日中時間の長い時期に、無理をすれば4座日帰り訪問の可能性はあると推測した。一日連続して笹薮こぎをしても、ご褒美(良い展望が時には得られる)がないので、体力的にも精神的にも苦痛が予想されるので、これはあっさりギブアップする。その代わりに、もっとも情報のある持丸山・高瀬山・白倉山の三座周回でお茶を濁すことにした。
 山部さんやYoshiさんに比べ脚力が劣るので、コースをうまく選ばないと日没の憂き目にあってしまう。情報の豊富な山部さんの持丸山〜高瀬山ルートを辿ることにした。山部さんは白倉山(既に登っていた)に寄らずに持丸沢に下山、自分は白倉山に寄って芹沢橋付近に下りる点だけが異なる。持丸林道口の橋の下から尾根の先端に取付き、1044ピーク経由で持丸山を目指したかったが、時間切れを恐れて持丸林道終点からスタートすることにした。
 帰りのことを考えて、国道121号から芹沢林道に入って、すぐの三依小付近に車を駐めたかったが、適当な所が見つからないまま持丸林道口まで進んでしまった。止むを得ず近くの路肩に車を駐めて支度を整えた。
 まだ真暗で懐中電灯を照らしながら持丸林道を進む。10分で滝見橋を渡るが、暗くて滝は全然見えない。その5分後に持丸沢第三砂防ダムを通過する。滝見橋と砂防ダムの間は工事中か道が酷く荒れている。先週の偵察で車の腹を酷く擦ったことを思い出す。その前後はそれ程悪路ではない。持丸橋を渡ってから予想の半分で林道終点の広場に着いてしまった。早く着いたのはよいのだが、まだ真暗で広場の様子も判らない。山部さんの報告を懐中電灯を照らして読んで、広場の左奥に115号鉄塔、右手に113・114号鉄塔への案内標柱を確認した。

3 持丸林道終点 − 持丸山 持丸山付近はネマガリダケ深い  山頂直下にネマガリ樹木を見る
 照明なしで歩くには未だ20分は早すぎる。東電の113・114号巡視路を持丸山直下の根曲がり樹木探ってみると、懐中電灯でも歩けそうなのでそのまま巡視路に進んだ。1分後に右に113号、直に114号鉄塔の分岐を通過して、沢沿いに直の114号鉄塔へ進む。更に5分も沢の左岸を進んで木橋を渡って右岸の尾根に取付く。よく整備された巡視路が、最初はジグザグにそして尾根に沿って114号鉄塔に伸びている。広葉樹林にスズタケが茂るがもちろん巡視路を歩いているので関係なく登れる。途中で消灯するとすぐに114号鉄塔に到着した。
 鉄塔からは広葉樹林の尾根を南南西に登って行く、この付近はスズタケが多いが歩く支障にはならない。高度を上げてゆくと胸丈のネマガリダケも目に付くようになってきた。イワウチワがあちこちに群生している。薄い踏跡を追って行くと、小さな赤ペッグが何本か目に付いた。このあたりからは踏跡は消えて方向は西北西に変わり前方には持丸橋から町界尾根に向かう稜線が見え出す。更に十数分尾根持丸山山頂を登ると、持丸橋から町界尾根に向かう北東尾根に出合った。
 北東尾根には藪は殆どない。ブナ林を気持ちよく登って行くと、落葉が白っぽくなってきた。水滴が凍って小さな氷の結晶になっっているのだ。ブナ疎林で藪もなく手がかりのない急勾配の尾根を足を滑らしながら50mほど登ると、持丸山の北の肩である北西に向かう町界尾根にに辿り付いた。この尾根を北西に下ると、湯坂峠に達することがYoshiさんの「岬トンネル〜高瀬山〜持丸山〜湯坂峠に報告されている。
 町界尾根になると急に藪は深くなる。藪の深い尾根上を避けて西側をまくように進むと、驚いたことに樹木がネマガリダケのように根元でが曲がっている。これは積雪によるものか強風によるものかは知らないが異様な現象だ。藪を掻き分けながら進んでゆくうちに北西の下のほうに平沢芹沢林道が見えた。最後に背丈を超すネマガリダケの藪を数分かけて突破すると、山部さんの山名板を見つけ、その数メートル先で三角点を発見した。やっと持丸山の山頂に到着したのだ。山頂部は通過してきた北側の笹は背丈を超すが、南側は胸位の高さでやや薄くなっている。今日はよい天気のはずだが、今までのところ雪が降ってもおかしくない雲行きだ。晴れ間も見えるので、天気予報を信じて先に進むことにした。

4 持丸山 − 高瀬山  116号鉄塔への下りは背丈を超すネマガリダケ  ここを通過すると楽になった
 持丸山から南に下り始めるとすぐに笹は低くなる。膝ないしは腰程度の丈の笹となり、尾根の西側をまき気味にそれ程の苦労もなく1312ピークに辿り付く。このピークはブナ林の中で展望はないが、南東に高原山、南西に太郎山と女峰山が枝越しに伺えた。
 1312ピークから次の目標点の116号鉄塔へは北北西に下ってゆくが、この部分の藪が今日の行程でもっとも深く背丈を超している。尾根筋は少しばかり時計回りに弧を描いていて、進行方向の右手(南東)に117号鉄塔は見えるが、肝心の116号鉄塔は全然見えず不安に感じた。コンパスを見ながら尾根を外さないように気をつけていたが、無意識のうちに117号鉄塔の方向に引きづられて、尾根を外すことが何度もあった。その都度、尾根に復帰するのに余分な労力を要した。この背丈を超えるネマガリダケを掻き分けて下るのも容易でないのに、Yoshiさんはこれを自分が下るよりもかなり短い時間で登ってしまうのだから驚きである。目の前にとつぜん116号鉄塔が現れると、笹薮はうそのように薄くなり、すぐに東電巡視路の三叉路に出合う。右の上りは117号へ、後方は115号へと続く。そのまま直進するとすぐに116号鉄塔下に到着した。今日のコースの最大の難所を越してヤレヤレという所だが、予定より遅れているので休んでいる余裕はない。
 刈り払いされた鉄塔下のコンクリート土留めを越して再び藪の中へ突入する。鉄塔までの笹薮に比べたら楽で薄い獣道も認められた。鞍部付近で滝向山を左(北)にチラット見て、登って行くと藪は深くなって背丈程度となる。ピークの一番高いところに赤テープが何箇所か目に付いた。ここが1240ピークで、復路はここから白倉山へ下るので、枯木をピークの中央に立てて通過する。ここまで来るとやっと高瀬山が枝越しに姿を現した。
 1240ピークから南南東の高瀬山へは時計回りに弧を描いて小ピークを三つ通太郎山(高瀬山から望む)過せねばならない。最初の1250ピーク付近では南西に太郎山と女峰山、南東に高原山を枝越しに見ながら進み、藪は顔程度で特に問題なく通過した。次の1240ピークとの鞍部になると、今までブナ中心の広葉樹林であったが、シラビソ、アスナロ、カラマツの針葉樹林となった。1240ピークを越すと再びブナ林に戻ってしまった。この突然の植生変化が何を意味するのか自分にはわからない。高瀬山手前の1270ピークを越すとネマガリダケがミヤコザサに変わってしまった。何か大きな気象変化がこのあたりで発生するのであろうが、残念ながらその読解力はない。
 高瀬山の山頂部はブナ林の中で下生えはミヤコザサ、ネマガリダケからやっと開放されたという気分になる。三角点の他には山部さんの山名板と春日部ハイキングクラブの真新しい(H16.11.7)山名板が目に付いた。11月13日にはYoshiさんと夫婦一組が登山している。これらから類推してみると、この山に登る人は結構多いようである。南西に太郎山と女峰山、近くには明神ケ岳、西の直近には横瀬山が枝越しに伺える。
 思ったよりは時間がかかりすぎた。やはり山部さんとYoshiさんにはとても太刀打ちできない。Yoshiさんと同じコースを歩く時は25〜30%増しにしているのだが、今日のように藪こぎの連続となると更に係数を大きくせねばならない。たとえ時間が余分にかかったにせよ、同じコースを歩けたことに満足である。ノンビリ感傷に浸っているわけには行かない。早く下らないと暗くなってしまう。

5 高瀬山 − 白倉山 −下山  白倉山からは藪はなくなり快適な尾根歩きとなる
 1240ピークまでは往路をそのまま戻る。往路で立てかけた枯木を倒して、最初は北東の1104ピークを目指す。ネマガリダケは背丈を超すが、単調な尾根を下るのでそれ程の苦労はない。時にはマーキングも見か白倉山山頂けるので安心して下る。鞍部付近からは笹は腰程度まで低くなる。1104ピークへの登りになると背丈を超すスズタケも現れるが、ネマガリダケに比べたら楽なもの。1070ピークの下生えはミヤコザサで、山部さんはここから北尾根を下って持丸林道の砂防ダム付近に下った。ここからは山部さんのルートから外れて、北東尾根で白倉山へ向かう。
 白倉山へは1070ピークを越さねばならない。このピーク付近はスズタケで、時には背丈を越すが密度は低い。樹木はブナにミズナラ、リョウブ、カラマツが混ざる。鞍部からわずか登ると笹は踵程度になってすぐに白倉山の山頂に達した。ここまで下ってくると全く別地域の山に登った感じがする。三角点と山部さんの山名板と他に一枚。
 白倉山からはブナとカラマツの単調な尾根筋で、障害物もなく安心して下れる。ところが標高850m位から勾配が急になってきた。踏跡に沿ってツツジのブッシュが少し煩くなってきたと思ったが、更に下るとこのブッシュを掴みながら下るようになった。ブッシュに感謝したのは初めて。そのうち踏跡が薄くなって見失う。踏跡を探すのも面倒なので、「鵯越の逆落し」を見習って樹木を伝いながら下りきると男鹿川沿いの林道に出合う。
 ここからはいったん芹沢橋に戻り、芹沢林道を登って持丸林道口まで戻った。今日のコースは17日の向山〜白倉山の尾根筋に比べて断続的に現れる強烈なネマガリダケの藪は少なかったが、ネマガリダケの藪が連続しているので、苦労の程度は拮抗する。  
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