ひとり山歩き175 : 藤原町の不動滝付近から向山に登り、白倉山・尾頭峠まで笹薮の尾根歩きを楽しんできました。最初に取り付いた南西尾根から向山までは藪はなく、落ち葉を踏みしめて気持ちよい歩きができました。向山から白倉山の間は背丈を超すチシマザサの藪を何度も突破せねばなりませんでした。それに比べたら白倉山から尾頭峠の笹薮は高さ密度とも小さく問題になりませんでした。
不動滝から向山〜白倉山〜尾頭峠
2004年11月17日(水) 晴れ
1 行程
自宅(4:00) = 駐車地(不動滝ドライブイン付近)(6:00/6:25) − 取付き(6:30) − 三角点1040ピーク(7:15/7:20) − 向山(8:05/8:20) − 1230ピーク(9:00) − 町界分岐ピーク(10:30/10:40) − 標高点1463ピーク(12:15/12:25) − 白倉山(13:15/13:35) − 平坦地(14:30) − 標高点1236ピーク(14:55) − 尾頭峠(15:10) − 尾頭トンネル三依口(15:45) − 上三依(16:10) − 駐車地(16:45/16:55) = 自宅(19:15)

2 自宅 − 不動滝ドライブイン
 Webで藤原町の向山と白倉山が話題になっていた。早速登って見ようと地形図を調べたら、向山〜白倉山〜尾頭峠と尾根歩きができそうなことが判明した。下山地点(尾頭トンネル)から取付きまでの戻りは舗装道歩きは避けられない。これを極力短くするために、国道121号沿いの不動滝ドライブイン付近から向山の南西尾根に取付くことにした。
 尾頭〜白倉山の藪状況はWeb報告によるとそれ程のことはなさそうだが、向山〜白倉山間は不明である。前者と同じくらいなら、対シンガポール戦のサッカーはTV観戦可と考える。日没が短いので、万一を考えて明るくなったら登り始めるよう時間調整して家を出る。不動滝ドライブイン付近に着いたときは、まだ薄暗かったので横川集落まで偵察に行って時間をつぶす。戻ってKDDI三依男鹿通信鉄塔傍の路肩に車を駐めた。

3 南西尾根 − 向山  ミズナラの尾根は快適  向山山頂にて
 KDDIの通信鉄塔の脇を通って、潅木の混ざる植林に取付く。東へ急登すると尾根が明瞭となって松混ざりの雑木林の急登が続く。登るにつれて潅木はなくなり、落葉を踏みしめて気持ちのよいに尾根歩きとなる。最初のピーク(970)を越すとミズナラの感じのよい尾根となる。970ピークからほんのひと登りで、四等三角点の向山から日光連山を望む(後列:左は女峰山、右は太郎山)ある040ピークに着いた。このピークからは前方に向山と右にはこれから歩こうとしている稜線が一望できた。
 1040ピークの先でいったん下った鞍部からは方向を北東に変えて登って行く。ミズナラに松や栗の混ざる尾根筋は明瞭で踏跡状の獣道が続く。左手に荒海山、帝釈山〜台倉高山が時々は姿をあらわしてくれる。三角形の荒海山が魅力的で日向倉山からの尾根を歩いてみたい、という衝動に襲われる。勾配が緩やかになり、右(南)斜面の笹が認められるとすぐに、向山の山頂に到着した。山頂には三角点と山部さんの山名板が見れる。南西が開けていて女峰山、太郎山と真っ白な白根山が望める。東には日留賀岳と鹿又岳付近の稜線と塩那道路の筋が見て取れる。南に高原山と白倉山への稜線が枝越しに確認できる。今までのところ藪もなく気持ちよく尾根登りができたが、これから先どうなるやら。南斜面の笹が若干気になる。

4 向山 − 白倉山  予想以上に強烈なチシマザサに悩まされた  尾根筋は単調でルーファン容易
 山頂部は東西に細長く、東端から北西尾根が横川集落目掛けて派生している。この尾根を登るのが一般的のようである。最初のチェックポイント1230ピークに行くには1180ピークと1210ピークを越さねばならない。1210ピークまでは膝程度の笹で何ら問題なかった。ところがこのピークの下りになると、顔程度になり段々密になってきた。岩稜の尾根を越すと1230ピークで顔程度の笹が茂っている。なんとか白倉山と日光連山が場所を移すと確認でき1463ピーク付近のチシマザサた。この程度の笹は予想していたので特に驚きはない。
 1230ピークからはいったん下りとなる。このくだりが問題で、チシマザサが密集している。鬼面山のモンスター級ではないが、完全に背丈を超す笹は密度が高い。下りだがかなり梃子摺る。こんな調子の笹薮が続くと先が思いやられる。20分程奮闘して鞍部から登りになると、密度は多少薄くなり息がつけるようになった。鞍部付近から白リボンが目に付きだした。このリボンは次のピークまで続いていた。それ以後はプツリとなくなってしまった。何の目的であろうか知る由もない。
 鞍部から登り返した1290ピークも強烈なチシマザサが密集していた。少し離れた所にM大の正部員養成、H5年のプレートが一枚立木にかかっていた。M大の青プレートはあちこちで見かけたが、最近設置したものは知らない。最近の学生さんはこのようなマイナーな山は相手にしなくなってしまったのであろうか。次のチェックポイントの町界分岐ピークまでは高低差は殆どないが、強烈なチシマザサが待ち受けていた。親指ほどの太さのチシマザサが倒れているので始末が悪い。潜り込むようにして進むが老頭児にはかがむのが一番堪える。町界分岐ピークも藪は深いが薄い所を探して一休みした。左手の日留賀岳の七合目以上は霧氷がついているのか真っ白に輝いていた。予定時間より約一時間遅れてしまった。強烈な藪は断続しているとはいえ、この調子では明るいうちに下山できるか、少しばかり不安になってきた。唯一の救いは、次のピ白倉山山頂ークを登ってしまうと白倉山まで高低差が殆どなくなる。地形図で検討してゴサインを発した。
 町界分岐ピーク先の鞍部辺りからは藪はやや薄くなった。やっと余裕ができてあたりを見渡すと、ダケカンバとカラマツも少し混ざるブナ林になっていた。鞍部から登り返したピークからは高低差はなくなった。強烈な藪は時々突破せねばならないが、藪こぎに慣れたのか、平らなせいかそれ程の苦痛は感じなくなった。第三チェックポイントの標高点1463ピークはやや地形が複雑になっていている。このピーク付近は顔程度の笹が密集している。木に登って先の様子を探ったついでにエネルギー補給で小休止。ここまでで約2時間の遅れだが、白倉山はすぐ先に見えている。なんとか明るいうちに下山できそうだ。でもサッカーのTV観戦は後半ぐらいかな、と多少の余裕。
 複雑な地形の1463ピークを越してしまうと、藪はかなり薄くなった。しかも高低差が殆どないのが良い。白倉山手前ピークに達した。鞍部をはさんで間近に白倉山が見えている。鞍部で高原山を見ながら通過する。白倉山頂が近づくと。チシマザサは背丈を超え、潅木が多少混じりだした。なんとか白倉山山頂の北側に登りついたが、背丈を超した藪で様子がわからない。木に攀じ登って方向を定めて南に進む。途中で樹木のない所を通過した際、偶然に三角点を発見した。写真に収めて南へ進むとほんの数メートル先に山部さんの山名板を見つけた。無事辿り付けた喜びをかみ締めながら小休止ととる。これから下ってゆく南方向を眺めると、藪の深さと密度が三角点の北側に比べて低いのがわかる。Web報告から推測していたのと大体感じが同じであることに安心した。

5 下山(尾頭峠−尾頭トンネル三依口)  大体予想通りの藪程度  急ぐも足取り重い
 尾頭峠までには登り返しは、尾頭トンネル上の標高点1236ピークだけであり、尾根筋も単調で道に迷うことはない。チシマザサも頭を超すようなところは殆どなく、マーキングも多いので、ズンズン下れる。白倉山まで22号鉄塔と高原山  (尾頭峠付近)の藪が酷かったので、楽に脚が進んでいるように感じたが、実際には疲労が蓄積していたのか、思ったほど時間は短縮できなかった。腿の裏側がパンパンに張っている。
 山部さんの標識が設置してある平坦地からはなんとなく踏跡がついている。鞍部からトンネル上の標高点1236ピークにに登り返すのはたった30m程度だがさすがに足取りが重い。標高点1236ピークからは膝程度の笹を踏んでミズナラの尾根を南に下る。前方に東電の送電鉄塔22号が見えたときには、さすがにホットした。鉄塔と高原山を撮って、更にひと下りすると、4月22日に三依山と塩沢山に行くときに通った尾頭峠で、あたりの様子は記憶に残っていたとおりであった。
 ここから落葉を敷き詰めた東電の巡視路で尾頭トンネル三依口に下って、舗装道で上三依、駐車地へと急いだ。いつものことだが、舗装道歩きになると足取りは速くなる。トンネルから駐車地まで5.5kmを丁度1時間で歩いた。これなら毎朝の健康ウォーキングと変わらない。どうやら明るいうちに車へ戻れたが、サッカーは最初からは観れそうもない。家に戻ったら丁度国歌を演奏している時であった。 
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