ひとり山歩き172 : 手白沢温泉から湯沢噴泉塔への道を進み、途中の手白峠から手白山経由で根名草山までの尾根歩きに挑みました。密藪と時間切れで中間地点から退却して往路を戻りました。手白山付近は倒木に悩まされ、退却地点付近はシャクナゲとコメツガの密藪でかなりハードな尾根でした。とても歩き甲斐のある尾根で、来年の初夏に再挑戦を誓いました。女夫渕温泉から手白沢温泉までは紅葉が楽しめました。
手白峠から手白山〜根名草山(途中退却)尾根歩き
2004年10月29日(金) 晴れ
1 行程
自宅(2:00) = (道路工事で1.5時間ロス) 女夫渕(5:45/6:00) − 手白沢温泉分岐(7:25) − 手白沢温泉(7:55) − 新助沢渡渉(8:10) − 手白峠(9:10/9:20) − 手白山(10:00/10:15) − 1860ピーク(11:10) − 退却(標高点1906付近)(12:00/12:10) − 1860ピーク(12:40) − 手白山(13:25/13:40) − 手白峠(14:15) − 新助沢渡渉(14:55) − 手白沢温泉(15:10) − 手白沢温泉分岐(15:30) − 加仁湯(15:40) ー 女夫渕温泉(16:50/17:00) = 自宅(19:45)

2 自宅 − 女夫渕温泉  道路工事で1.5時間ロス  
 6月24日に奥鬼怒スーパー林道を歩いた時に、根名草山の北に隣接する大嵐山の北東斜面の薙を見た。付近の地形図を見ていたら、根名草山から手白山まで尾根続きになっていることが判明した。これは歩いてみようとインターネットを検索して見たが、報告を見つけることができなかった。尾根の中間付近のヤセ尾根(裸のヤセ尾根は大の苦手)が気がかりで実行を控えてきた。最近、掲示板を通じてsatoさんから下り方向で計画をしたことがある、更にナスノガルーダさんがこの尾根を下ったことがある、との情報を得た。お二方より、情報とアドバイスを得たので、早速実行することにした。
 困難が予想される尾根でルーファンしながら下るだけの実力はないので、手白山側から登る方向で計画した。登りの方がルーファンは易しいが、時間がかかる。日照時間が短くなっているので、手白峠から根名草山まで登り、日光沢温泉に下るルートを計画通り歩けるか不安。暗くなっての下山は絶対に避けたい。途中退却をも頭に入れて、2時に家を出る。順調に女夫渕温泉を目指したが、約15km手前で道路工事で20時ー6時の通行止めに引っ掛ってしまった。この時点で周回計画は無理と判断し、途中で退却と決断する。幸い工事は多少早めに終わったが、1時間半のロスは大きい。女夫渕温泉の駐車場に着いた時には明るくなっていた。広い駐車場も満杯に近い、紅葉狩りをかねて温泉に出かけてきた人が多いようである。

3 女夫渕温泉 − 手白沢温泉  紅葉を楽しみながら歩く大嵐山の北東斜面 (手白沢温泉分岐付近から)
 今年は、スーパー林道を二回歩いているが、幸か不幸か道路工事のため明るくなってから歩いた。林道からは今が盛りの紅葉が楽しめた。ウスクボ平付近からは大嵐山の北東斜面の薙ぎの荒々しさを間近にすることもできた。大嵐山から2103ピークへの下りは、遠望するとそれ程難しそうには見えない。実際には、今回のコースでここが最難関のひとつである。
 手白沢温泉分岐でスーパー林道に分かれて左の道を進む。スーパー林道ほど広くはないが車が悠々通れる。勾配は結構きついが、回りの紅葉を楽しめるので苦痛にはならない。大嵐山の北東斜面が近づき薙の細部を見ると、その上の尾根を通るのが恐ろしい感じがする。途中のブナとウラジロモミの大木が印象に残った。右手(西)に根名草山登山口の道標を見るとすぐ先で手白沢を渡り、手白沢温泉に着く。大嵐山の北東斜面を見ながら通過する。

4 手白沢温泉 − 手白山  手白峠までは明瞭な道  尾根筋は笹は少ないが倒木が多い
 手白沢温泉の別館の左手から噴泉塔への道に入ってゆく。これから歩こうとしている尾根から派生している枝尾根の先端を北東から南東にトラバースしながら、針葉樹林の明瞭な道を辿る。15分程で新助沢に出合う。
 新助沢に下り左奥:女峰山 右手前:高薙山  (手白峠から)たらすぐに右岸に渉り、200メートルほど沢を遡り、土手を上がって沢筋から離れる。手白山から派生する北西尾根を巻いて進む。枝尾根トラバースが終わると、ブナの混ざる樹林の道をほぼ東へ道は伸びている。樹木の背が高いので鬱蒼とした感じはない。道筋には落葉があるが薄くて見失うほどではない。このあたりになると紅葉はないが気持ちよく歩ける。高度1700mくらいの所には5cm程度の霜柱が立っていた。このあたりになると夜間はもう冬なのだと感じる。多少の倒木を越したりするが特に障害物もなく高度を稼ぐ。左(北)からウスクボ沢付近へ伸びる枝尾根を越す。ここから南へ不明瞭な尾根を登る手もあるが、更に数分で道標の設置してある手白峠まで進む。手白峠には道標の他に吸殻入れが設置してあった(この吸殻入れは途中にも二箇所で見かけた手白山山頂(左上は山名板))。峠からは高薙山が南の間近に見え、その左奥(南東)に太郎山が見えるだけ。噴泉塔への道は峠から南南西に下ってゆくが、先の道筋は確認していない。
 手白峠から尾根に取り付き、手白山目指して南西に登って行く。途中でコブを幾つか越すが勾配は全体に緩やか。コメツガやダケカンバ主体の自然林の中を登って行くのだが、とにかく倒木が多いのには悩まされる。足腰の関節が硬くなっているので、倒木を乗り越したり潜るのが辛い。疲労の蓄積を避けるために倒木を迂回するので勾配の割には時間がかかってしまった。他方、笹薮はあるが苦労するほどではない。途中にリボンのマークを多数見かける。展望はないが、左手に高薙山が枝越しに伺える。手白山の山頂部は細長く、多少アップダウンしながら進む。僅かに小高い所が手白山山頂で、三角点が設置してある。山名板は山部さん、RKさんのものと古いM大の青ブリキが目に入る。M大の青ブリキといえば古いものはあちこちで見たが、新しいものは記憶にない。最近はこんなヤブ山にはこなくなってしまったのかしら?
 山頂部はコメツガとダケカンバの樹林の中で下生えは短い笹。北西に鬼怒沼山から黒岩山あたりの稜線と南東に高薙山が枝越しに伺える程度。

5 手白山 − 標高点1906(退却)  シャクナゲと針葉樹の密藪 ヤ手白山(南側鞍部から)セ尾根の状況を確認して退却
 手白山から下り始めると倒木は少なくなったが、シャクナゲが目に付きだす。南南西に次の目標の1860ピークが目の前に見えるが、鞍部の尾根筋は樹木で確認できない。コンパスで方向を定めてシャクナゲを避けてコメツガの密藪をすり抜けるように下ってゆく。10分程ヤブをこぐと鞍部に達した。鞍部はダケカンバと笹が多いが、問題なく通過できる。
 1860ピークへの登りになるとネマガリダケが目に付きだすが、困難を感じるほどではない。倒木とかん木に邪魔されるが、それ程の苦労もなく、30分で鞍部から1860ピークに登れた。大嵐山が南西の枝越しにはるか遠くに見える。
 1860ピークからの下りは、シャクナゲと針葉樹の密藪の下りとなる。鞍部は浅く20mほどの下りだが、思ったより時間がかかり先が思いやられる。いよいよ標高点1906への登りとなる。コメツガとシャクナゲは益々密になり、尾根はだんだん痩せて勾配は急になる。遅々として進まない。ギブアップしたいが、標高点1906付近までは絶対登ると自分に言い聞かせて頑張るが思ったようには進まない。途中で左に高薙山と女峰山が見えるところで小休止して疲れを回復させ先に進む。勾配が緩やかになり、高度計で標高点1906付近に達したことを確認した。もう少し先まで見て偵察したいが、今日はここで退却することにした。大嫌いな裸のヤセ尾根でないことを自分の目で確認したことは有意義だった。次回は根名草山から下るにしても、時間さえかければなんとかなる、と確信できた。

6 下山(往路を辿る)八丁湯の紅葉
 復路は往路を戻るのと下り勝手であり、時間的、体力的、精神的に楽で往路の苦労に比べたらはるかに小さかった。今日のコースで根名草山まで行くには日照時間の長い時なら何とかなりそうに感じた。逆コースは体力的には楽だが、ルーファンが難しい。今日は尾根の半分は経験したので、次回は下りも検討してみる。
 明るいうちに女夫渕温泉に戻れることが分かったので、加仁湯に下りて八丁湯経由で鬼怒川沿いの遊歩道をもだった。途中の紅葉も素晴らしかった。紅葉を楽しみながら温泉宿を目指す大勢に出逢う。最後に鬼怒川に架かる仮橋を渡り林道までの50mの登りは結構きつかった。女夫渕温泉に戻ったときには、今日は途中退却となったが、尾根筋を自分の目で確認できたこともあり満足感があった。 
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