ひとり山歩き171 : 鹿沼市の蕗平から夕日岳新道で夕日岳に登り、地蔵岳から南尾根と東尾根に乗り継いで蕗平まで周回してきました。夕日岳新道は大部分に踏跡が残り危険箇所もない。地蔵岳からの南尾根は緩やかで気持ちよく歩けるが、東尾根の下りは急勾配でルーファン必要。夕日岳から薬師岳山腹の紅葉が楽しめました。
蕗平から夕日岳〜地蔵岳を周回
2004年10月22日(金) 晴れ
1 行程
自宅(4:50) = 蕗平(6:05/6:20) − 尾根取付き(6:40) − 905ピーク(三角点)(7:25) − 1071ピーク(8:00) − 1294ピーク(オホノチ)(8:40/8:50) − 夕日岳(10:15/10:40) − 三つ目(11:00) − 地蔵岳(11:10) − 1245ピーク(11:50/12:00) − 1221ピーク(三角点)(12:15/12:20) - 東尾根(12:50/13:00) ー 1037ピーク(13:10) − 821ピーク(13:35) − 北東尾根(720)(13:50) − 林道出合(14:15) − 蕗平(14:20/14:30) = 自宅(15:55)

2 自宅 − 蕗平蕗平から地蔵岳(奥中央) 左手前尾根を下る
 昨年の今ごろ鹿沼市の六郎地山に登った。その時に見た夕日岳山腹の紅葉が素晴らしかった。夕日岳はアカヤシオの時期にしか登ったことがないので、紅葉の時期にと考えた。前々から地蔵岳の南尾根を下ってみたいと思っていたので、蕗平から夕日岳新道で夕日岳に登り、地蔵岳の南尾根伝いに蕗平に周回を計画した。このコース取りはは斎藤@宇都宮さんの情報を参考にした。
 鹿沼市から古峰原街道を進む。古峰神社の一の鳥居手前で東大芦川左岸の三ノ宿林道に右折して川沿いに進む。約4km進むと林道は分岐する。この辺りが川中島で、夕日岳へ通じる尾根の取付きと地蔵岳からの尾根の終点になる。ここをスタートにすると、取付きと下山地点が100mとない完全周回ができる。車を停めて偵察すると、取付きも下山地点も雰囲気が余りよくない。ここは諦めて、分岐を左に曲がり蕗平に車を進める。左折して500mで右手に鳥居が見えたので林道の路肩に車を駐めた。

3 蕗平 − 夕日岳  夕日岳新道は廃道だが踏跡は大部分に残る 
 蕗平から北西に地蔵岳と下山で経由する尾根の一部が見える。最終的に下山する枝尾根の勾配を観察して、鳥居の左手の林道へと進む。林道は北西・東・北と向きを変えて尾根伝いに上り、川中島から派生する尾根を横切ると、西に反転する。林道には草木がかなりはみ出しいるが、まだ荒れてはいない。標高620mでテープ標示があり、林道左手の尾根に取付いた。林道は更に尾根に沿って伸びていた(先は確認していない)。オホノチ(1294P)直下
 植林の尾根を北西に踏跡を追って登って行く。尾根に取付いて15分程登ると、勾配は急になり一昨日の台風に伴う雨で下が緩く登りづらい。二度ほど足を滑らせて腹ばいになってしまった。標高790付近で東から尾根を合わせると、尾根筋は明瞭になり左は植林、右は雑木の間を気持ちよく歩けるようになった。西に緩やかに登って行くと、小ピークの手前に三角点を見た。ここが905ピークで三角点の傍に大真名子山(左)と女峰山(中央) (夕日岳新道標高1280)RKさんの標高を記したプレートが落ちていたので立木に取付けて先に進んだ。
 三角点先の小高い所からは北西に向きを変える。両サイドとも雑木で松、リョウブや栗が目立つ。時には左手に植林が現れるが905ピークからは殆どが雑木の自然林歩きとなる。多少のアップダウンを繰り返しながら登って行く。やや急登すると小さな1071ピークを通過する。このあたりは色づく前に落葉となっている。
 1071ピークからは向きを北に変えて幅広の尾根を緩やかに登るようになる。幅広の尾根は低いミヤコザサと落葉で覆われているので踏跡は見えないが、何の障害物もなく気持ちよく歩けた。ミズナラ、リョウブの笹尾根もこのあたりになるとかなり色づいていた。勾配がきつくなると右から尾根を合わせ、すぐにピークの上に達した。立木にオホノチと彫った古いプレートを見る。このピーク夕日岳からの展望 (奥中央:白根山 手前左:半月山)1294ピークで、すぐ先で北東から尾根を合わせている。この尾根は大滝不動尊へと通じている。昨年の5月2日にこの尾根を登ってきたことを思い出す。このピークの名称はオホノチというらしいが、その意味は不明である。北西に紅葉した夕日岳が枝越しに伺えた。
 オホノチから再び方向を北西に変えて岩っぽい細尾根をアップダウンしながら進む。鞍部でほんの僅か開けて右手(北)に女峰山が見えた。夕日岳新道で展望が得られたのはここだけであった。この鞍部からは急登となる。最初は西にまき気味に登り、最後に根や立木の助けを借りて北に急登すると1450ピークに達する。このピークを越すとリョウブのトンネルを歩く感じで、紅葉した夕日岳を枝越しに目に入る。再び地形図に現れないような岩稜の尾根をアップダウンする。鞍部からはミズナラリョウブ、ダケカンバの笹尾根を10分程登ると夕日岳の山頂に到着した。山頂には三角点と栃木の山紀行の山名板とサイタマの小林三千男さんの200回登頂記念のプレートが目に付いた。昨年もそうだったのだが、今は廃道になった「夕日岳新道口」のプレートが放置してあった。
 山頂からは北西部が開放になっていて、女峰山、男体山、白根山、錫ケ岳、皇海山方面の展望が得られる。あいにく時間帯が悪く、男体山から女峰山にかけてガスがあって充分な展望が得られなかった。薬師岳周辺と半月山の山腹が紅葉していた。男体山のガスはまだ続きそうなので、未練を残して三つ目に向かう。

4 夕日岳 − 地蔵岳 勾配がゆるくノンビリ歩ける  薬師岳稜線の紅葉を楽しむ男体山と薬師岳稜線の紅葉  (三つ目の東鞍部から)
 夕日岳を下リはじめるとすぐに細尾峠から来た年配者に出逢う。今日出逢ったのはこの人だけであった。ツツジの尾根を下り、途中で露岩帯(中岩)を通過し、その先の鞍部で樹木の切れ間から男体山と紅葉した薬師岳が見えたので斜面を少しばかり下って撮影した。鞍部からひと登りで、禅頂行者道の通る三つ目に登りつく。
 三つ目から右(北)へ進むと薬師岳に行けるが、今日は左(南)に地蔵岳を目指す。ミズナラやダケカンバのササ尾根を緩やかに進み、最後にほんの僅か登ると地蔵岳山頂に達する。広い山頂の南側に石祠に収まった地蔵尊が祀ってある。北側に主図根標石を見る。

5 地蔵岳 − 蕗平  石祠の多い信仰の尾根  枝尾根が多くルーファンを楽しむ
 地蔵岳山頂の北側にある主根図標石の所から先ずは南東に尾根を急降下する。カラマツの笹尾根を1400の小ピークまで下ると、ほぼ南向きの下りとなる。この小ピークの先で尾根を南東に分ける。以後尾根を何本も分けるのでルーファンが必要となる。暫くは南へ下ればよいのでそれほど心配することはない。笹は踝程度で獣道もついていて気持ちよく歩ける。鞍部からほんの僅か登り返すと小さなコブ程度の1245ピークに達した。ピークのほんの僅か手前に三体の石祠が祀ってあった。古い二体にはそれぞれ明治9年、昭和45年と彫ってあった。もう一体はかなり新しそう。祭事の直会で飲み干したのか10本位の一升瓶が放置してあった。
 小ピーク石祠群(左から1245P、121P手前、1037P手前)1245からは南南東に広葉樹林の笹道を緩やかにアップダウンを繰り返しながら進む。三角点のある1221ピークとの中間に再び三体の石祠が祀ってあった。組合せは1245ピークのものとよく似ているが、三体とも屋根が外れていた。再建者が同じで、一体からは明治が読めた。やはりここにも空の一升瓶が数本放置してあった。酒を飲んだのか、それとも水を汲んで運んできたのか?
 1221ピークからも緩やかにアップダウンを繰り返しながら徐々に高度を下げてゆく。いつの間にか尾根筋には笹はなくなり落葉が目立つようになる。標高1080で東尾根に乗り換えてやや下った鞍部に同じように三体の石祠を見る。古い二体は破損して散らばっていた。やはり傍には空の一升瓶が放置してあった。面白いことに地蔵岳から下るにつれて一升瓶の数が少なくなっていた。石祠の損傷度合も下るほど大きくなっている。これは何を意味するのであろうか。これらの祠群を祀っているのはどうやら同じ集落の人のようである。どこの集落から登ってくるのであろうか。今通ってきた尾根筋には枝尾根が多く派生しているので、検討がつけにくい。古峰原、白井平それとも蕗平の集落から?尾根筋を歩いてきた限りではどこから登って来るのか分からなかった。第3祠群のすぐ先の小ピーク1037に達するこの辺りは枝尾根が特に多い。
 1037ピークから尾根は北東、東及び南東を三つに分かれている。地形図で確認して北東に進む。急降下しながら尾根筋は東向きに変わってゆく。相変わらず枝尾根の派生は多い。しかもアップダウンが少ないので地形図の読み取りのよい訓練になる。間違った枝尾根を下っても林道が受け止めてくれるので気分的には楽だが、間違えたら尾根歩きの楽しみと喜びが半減してしまう。地形図を慎重に読みながら更に東へと急降下する。
 1037ピークからは北東そして東へと急降下する。尾根には枯枝やブッシュが増えるが多少煩わしいという程度。雑木混じりの植林が現れだす。樹木の切れ間から南に石裂山、東に鶏鳴山から笹目倉山あたりが望めた。松混ざりの雑木林を急降下して小さな821ピークを通過する。ブッシュの増えた尾根を更に東に急降下すると、コブ程度の720ピークに達した。このあたりも枝尾根が多い。東へ下ると出発前に偵察した川中島へと続く。ここは蕗平への北東尾根に乗りかえる。
 東尾根も急降下だ。途中でやっと目に付くような赤テープを発見する。その先の尾根先端に近いところで左下に作業道らしいのが見えたので、植林の斜面を直下降して作業道に下りた。2分程歩くと蕗沢沿いの林道に出合う。更に5分で北東尾根の先端を通過して橋を渡ると、すぐ先に蕗平の鳥居と自分の車が見えた。今日はノーミスで周回完了した。 
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