ひとり山歩き165 : 奥日光の弓張峠から尾根に取付き、湖上山(2109m)経由で外山(2204)まで登りました。昨年の8月にシャクナゲ薮に阻まれ失敗しましたが、今回はシャクナゲ薮は獣道に避けました。うまく獣道を利用すると大きな労力なしで外山山頂に到達できました。
弓張峠から湖上山(2109m)経由で外山(2204m)へ登る
2004年9月9日(木) 曇り
1 行程
自宅(3:55) = 赤沼茶屋(5:40/5:50) − 弓張峠(泉門池分岐)(6:40) − 標高1830(8:25) − 標高2000(9:35/9:45) − 湖上山(10:35/10:45) − 外山(11:35/11:50) − 前白根山分岐(11:55) − 湯元BS(13:15/13:30) −赤沼茶屋(13:50/14:00) = 自宅(16:15)

2 自宅 − 弓張峠(登山口)小田代ケ原から南尾根を見る(右:外山 中央:湖上山
 台倉高山を計画しているのだが、なかなか条件が揃わない。台風18号が過ぎて好天が得られるかと期待したがままならず。9日は好天とはいえないが何とかなりそう。ところが前夜はワールドカップ予選の対インド戦が終わったのが23時半。台倉高山は他日を期して、昨年8月11日に奥日光小田代ケ原付近の弓張峠から南尾根に取付き外山を目指したが、途中シャクナゲ薮で退却したのを思い出した。この数ヶ月で薮山歩きを大部経験したのでリベンジすることにした。これなら失敗するにせよ成功するにせよ短時間で決着がつく。
 3時に起床して支度を整え、4時前に家を出る。最近の山行ではこんな遅い出発はない。明るくなってからイロハ坂を越すのは珍しい。赤沼茶屋に着いた時には、数人のハイカーが出発の準備をしていた。
 赤沼茶屋から弓張峠をいつものように歩いて行く。今日は明るく周りの景色が楽しめた。小田代ケ原入口からはこれから取付く外山南尾根が展望できた。小田代ケ原では「貴婦人」撮影者数人が帰り支度をしていた。朝もやの貴婦人がこの人たちの狙いなのだ。道を歩きながら「貴婦人」を写したが、お世辞にも面白みのある写真とはいえない。弓張峠の入口に泉門池分岐の道標が立っている。ここが今日の登山口である。

3 弓張峠 − 湖上山  シャクナゲの岩稜ヤセ尾根は左下をまく  獣道を追うとそれ程の登山口 : 弓張峠(泉門池分岐)労力を要しない
 笹原を数分北西に進むと、尾根筋が明瞭となる。登山口から20分程進む(標高1500)と、勾配は急になる。ミズナラ中心の広葉樹林の獣道を追って北西に登って行く。標高1600付近から向きを徐々に北に変えて急登を続ける。低い笹があるが障害物は特にない。標高1650付近からは細尾根になる。最初は岩混じりだったが、すぐになくなる。やがて勾配が緩やかな下草のあるコメツガ林(標高1720)に辿り付く。ここからは向きを再び北西に変えて進む。シャクナゲがぼちぼち姿を現すが、歩行の障害になるほどではない。ほどなく(標高1750)でシャクナゲのジャングルが待ち受けている。昨年はこのジャングルを突き進んだ。標高1800付近の岩稜のヤセ尾シャクナゲトンネル入口(標高1750)根でシャクナゲで身動きが出来なくリ、危険を感じて退却してしまった。今回はこのジャングルを避けて、左の獣道を追うことにした。岩壁の左下を巻く獣道にはシャクナゲ等の薮はなく、危険を感じることもなくスムースに進めた。30分程トラバースしていると、前方に急勾配の枝尾根が現れた。仕方なしに南東に戻るように主稜線を目指す。約40m程登ると主稜線(標高1830)に辿り付いた。ここからは左下に小田代ケ原の一部が見えた。20m位下には比較的緩やかな尾根筋が見えた。これで昨年失敗したシャクナゲの岩稜ヤセ尾根は無事パスすることが出来た。第一関門はめでたく突破できた。
 コメツガの尾根を北西への急登が続く。標高1900付近で勾配が緩やかになると倒木とシャクナゲ薮が増えてきた。シャクナゲを避けて左下をトラバースすると、コメツガの細木が多く歩き難い。数分で尾根に戻る。以後はシャクナゲ薮は獣道を追って避けながら進んだ。前方の湖色づき始めたダケカンバ(標高2050付近)上山を見ながら標高2000付近で小休止する。今までは特に障害物もなく順調に来れた。この先はどうであろうか。
 標高2000から15分も進むと、急勾配になり右手に色づき始めたダケカンバ林が見える。中間は樹木がないので、ここを登ろうと行ってみるとオニアザミが群生している。刺で痛くて我慢できずに逃げ出し主稜線に戻り、コメツガの細木の間をかがみながら通過する。この尾根歩きで一番苦労した部分である。十数分間の我慢でやっと湖上山の山頂に達した。山頂の東側が開けているが、ガスで霞んで戦場ケ原の一部が見えるだけ。ガスがなければ男体山を始め日光の山々が見えるのであろう。中央には三角点が4個の小石に囲まれるように設置されている。山名板は皆無。その代わりに三角点横の立木に遠慮がちに赤テープが付いていた。

4 湖上山 − 外山  明瞭な踏跡が続き、ヤブも避けられる
 湖上山山頂湖上山から一旦下って登り返すとシャクナゲの2110ピークで、ここからほんの僅か下ってから約100メーター登ると外山山頂に達する。湖上山から2110ピーク先の鞍部までは明瞭な踏跡がついている。これを辿れば薮は全くない。本来は獣道なのであろうが、踏跡の上にあるかん木は鉈で切り払って人の手が加えられている。マーキングも多い。
 鞍部からの登りになると、踏跡が薄くなるが見失うほどではない。特に苦労もなく外山山頂に到着した。山頂にはKAさんの山名板があるだけ。東から南にかけて開けているが、山頂直下まで上がってきたガスで展望は全く得られなかった。

5 外山 − 湯元 − 赤沼茶屋
 外山から前白根山分岐までは踏跡は薄いがマーキングは多い。丹念に辿れば迷うことはないであろう。前白根山分岐から湯元への下りは、道が荒れている。段差が多く、膝に負担がかかりもっとも嫌いな部分だ。しかも浮石や泥濘で滑りやすい。スキー場ゲレンデの草地に入りホットする。思ったよりは早く湯元バス停に着いた。15分待ちで赤沼茶屋へ戻る。
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