ひとり山歩き161 : 古寺鉱泉から大朝日岳をピストンしてきました。古寺山から小朝日岳・大朝日岳にかけての稜線はかん木帯で展望を楽しむことが出来ました。遠方に月山、蔵王山、安達太良山。吾妻山、磐梯山、飯豊山と百名山が展望できました。大朝日岳を取り囲む朝日連峰のピーク群とその稜線を満喫しました。
古寺鉱泉から大朝日岳(1870)
2004年8月2日(月) 晴れ
1 行程
自宅(0:30) = 古寺鉱泉駐車時(4:40/4:50) − 一服清水(6:10) − ハナヌキ分岐(6:20) − 三沢清水(7:00) − 古寺山(7:30/7:40) − 小朝日岳(8:30/8:40) − 大朝日小屋(10:10/10:20) − 大朝日岳(10:35/11:05) − 大朝日小屋(11:15) − 銀玉水(11:35) − 小朝日岳巻き道(12:10/12:30) − 古寺山(12:50/13:00) − 三沢清水(13:20) − ハナヌキ分岐(13:45) − 一服清水(13:50) − 古寺鉱泉駐車場(15:00/15:15) = 自宅(19:40)
2 自宅 − 古寺鉱泉
 暑さに極端に弱いのでヤブこぎする元気がでない。この時期は3000m級の山へ行きたいのだが、日帰りできる山は浅間山しか残っていない。しかし長野の天気がもひとつ読めない。久しぶりに未踏の日帰り可能な百名山に行ってみることにした。標高は低いが天気が安定している山形の朝日岳に目をつけた。もしスタミナが残っていれば、翌日に月山に登る用意もした。
 この暑い時期に朝日連峰の領袖である大朝日岳を日帰りするには最短の古寺鉱泉から登ることにした。東北道、山形道とつなぎ月山ICで県道27号線に乗り換える。県道27号を13km程南下し、古寺方面の標識を見て右折する。1車線の舗装道を8km程走るとフラットダートとなり、1kmで古寺鉱泉駐車場に到着した。30台位は収まる駐車場に10数台駐まっていた。
3 古寺鉱泉 − 大朝日岳  山頂も尾根も展望はよい  かん木帯なので陽射しは堪える月山(標高1300付近から)
 駐車場から沢の右岸を南西に進むと、2分で左岸に古寺鉱泉の朝陽館が見えてくる。木橋を渡り朝陽館の左手から沢沿いに100m程進むと、山道が現れる。約10分のジグザグ急登で尾根にでる。南西に向かう尾根はブナ林で道筋に大きなヒメコマツが目に付く。合体の樹(ヒメコマツとブナ)を過ぎると、ヒメコマツが少なくなり、変わってブナの大木が目に付きだす。緩急織り交ぜた登りで展望はない。樹木の背丈が低くなって両サイドに笹が目立ちだす。すると道の右手に一服清水の標示のある水場に達する。ひと汗かいて飲む冷たい水に元気が回復する。
 左下から沢音を聞きながら根の張った道を急登し、緩やかに下った鞍部で右からハナヌキ峰・日暮里沢小屋からの道を合わせる。ここがハナヌキ分岐になる。方向を南西から南に変えて、ブナ林のやや窪んだ道を急登する。立ち止まって振り返ると、真後ろに月山が樹古寺山山頂(左:小朝日岳 右:大朝日岳)木の切れ間から姿を見せてくれた。左手にビニールホースから水が流れ出していた。三沢清水で、またまた喉を潤す。いつもの通りに持参した3リットルの水はまだ飲んでいない。下山してくる人と出逢い始めた。
 かん木の背丈が段々低くなると共に、左手は開けてくる。逆光ながら月山から蔵王山が見通せるようになる。展望が開けると、今度は首筋に陽射しを受けて暑くなる。ひと登りで古寺山山頂に辿り付く。蔵王山・安達太良山・吾妻山が確認できる。正面(南)には小朝日岳、南西に大朝日岳と中岳・竜門山へと連なる稜線が目前に姿を現す。直射日光を受けて益々暑さがこたえてくる。樹木のせいで展望がなければ文句を言い、樹木が少ないと今度は暑いと文句をいう。全く我侭な奴だ、と山の神もお怒りか。
 古寺山から僅か下って小朝日岳への登りになる。150m位の登りだが、結構キツイ。途中で右に大朝日岳(左)から中岳への稜線  (小朝日岳から)巻き道があったが、まだ余裕の残る往路では小朝日岳の山頂を通過することにした。暑い・シンドイとブツブツいいながらの登りだったが、小朝日岳の山頂は古寺山より一層展望がよくなる。労多ければ益多し、とまたまた勝手なことを言い出す。大朝日岳までの稜線は言うに及ばず、周辺の稜線が間近になる。でも陽射しがきつそうだな!! 
 ハイマツのガレ気味の窪んだ道を急降下する。途中で右から巻き道を合わせるとすぐ下が鞍部で、ここからは緩やかな登りとなる。ハイマツの稜線を歩いていると、南アルプスの北岳山荘辺りの稜線歩きをしているような錯覚に陥る。多少風が出てきたので歩くのが楽になった。勾配が急になると、僅かな登りで左手に銀玉水の水場となる。喉を潤すなんて上品なものでなく、ハラワタが冷えるまでがぶ飲みする。下山してくる人が多くなり、水場に人垣が出来てしまった。顔を洗っている余裕もなくなってしまった。
 銀玉水の上でニッコウキスゲが咲いていた。最近はヤブ山ばかり行っていたので、今年初めてのニッコウキスゲだ。今が下山者のピークのようである。20人近い団体もいた。上部に見える大朝日小屋に泊まったにしては今ごろここを通るのは遅い。どこの小屋から来たのか、など考えながら登る。小屋が近づくと花畑の様相を呈してくる。若い頃から花を愛でるなどという心がなかったので、いつになっても名前を覚えられない。大朝日小屋周辺のお花畑にはロープが張ってあった。
 小屋から山頂に向かうと、数人が下山してきた。ひと登りで大朝日岳の山頂に着くと、予想に反してたった一人しかいなかった。古寺山、小朝日岳と展望を楽しんできたが、大朝日岳の山頂からの眺めは更に素晴らしい。近辺にこれより高い山は皆無なので見通しが極めてよい。朝日連峰の峰々とその稜線が、更には踏跡までがクッキリ見える。気がついたら山頂には自分一人となってしまった。 
4 下山  水場は三箇所あり、持参の水は殆ど使わず  大朝日岳と直下の登山道
 往路をそのまま辿る。復路も各水場で喉を潤す。今日は水の必要はなかった。体調維持のためにスポーツドリンクを飲んだだけ。空いた容器に冷たい水をつめたのでザックの重量は軽くならなかった。
 小朝日岳は巻き道を通った。巻き道は標高にして50m登ったが、山頂経由だと更に100m登らねばならない。往路で山頂を踏んでおいてよかった。巻き道から古寺山にかけての木陰で何グループもの人たちが休憩を取っていた。これから登るのか下るのか分からないが、これだけ暑いと休みたくもなる。
 三沢清水で休んでいた千葉からの女性二人の話によると、往路ですれ違った団体は朝2時半に古寺鉱泉を登り始めたといってた。ヤブ山と違って道筋が確りしているので、暑さ対策としては考えられる。
 古寺鉱泉の駐車場に着いたら、出発時の車の約半分の7台となっていた。消耗し尽くしていた。こう暑くては体がもたない、明日の月山は中止することにした。このまま帰ってしまうのは交通費がもったいないが止むを得ない。 
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