ひとり山歩き156 : 丸沼温泉から四郎岳と燕巣山をピストンしてきました。丸沼温泉から四郎峠までは一部踏跡が薄いが、さして難しい所はありませんでした。四郎岳と燕巣山の稜線は東電の巡視路がつながっています。燕巣山からは白根山と錫ケ岳を中心に南東方面の展望が楽しめました。
四郎岳(2156)と燕巣山(2222)
2004年6月30日(水) 晴れ
1 行程
自宅2:00) = 丸沼温泉(4:20/4:30) − 第一の二俣(5:10) − 第二の二俣(5:25) − 四郎峠(5:55/6:05) − 四郎岳(7:00/7:15) − 四郎峠(7:50) − 燕巣山(9:20/9:50) − 四郎峠(10:35/10:40) − 第二の二俣(11:00) − 第一の二俣(11:15) − 丸沼温泉(11:45/12:05) = 自宅(14:25)
2 自宅 − 丸沼温泉白根山から見た四郎岳と燕巣山(中央左
 6月30日から7月1日にかけて久しぶりに百名山巡りで浅間山、美ヶ原、霧ケ峰を計画していたが、天気予報がくるくる変わるので延期した。以前から白根山に登る度に気になっていた燧ケ岳の手前に見える四郎岳と燕巣山を思い出し、急遽計画した。
 前日の天気予報によると、高気圧に覆われているが不安定でにわか雨と発雷が予想されるとのことであった。午前中に下山してしまえば問題なかろうと決行することにした。もし天気が安定するようであれば、燕巣山から湯沢峠経由で下山する準備もして、お得意の早朝出発とした。国道120号で日光、金精峠経由で丸沼温泉を目指す。丸沼温泉の看板を見て右折し、丸沼の東岸を約2kmで丸沼温泉の駐車場に到着した。
3 丸沼温泉 − 四郎峠  四郎沢に沿う沢筋は一部踏跡薄い 二俣以降は踏跡が明瞭
 駐車場の一番奥の道四郎沢の倒木(第一の二俣手前)標に従い左手に進む。先ずは、四郎沢の湯沢合流点を渡渉して四郎沢の右岸の広い道を北へ進む。三四分で前方に三連の砂防ダムを見て、湯沢を渡渉して左岸を進む。更に二三分で砂防ダムの右で道は終点となる。ここからは薄い踏跡を求めて沢沿いの歩きとなる。途中には倒木あり、岩ありで歩き難い。砂防ダムを三つ乗り越えて進む。
 倒木の沢筋を進むと、やがて美しいナメになる。ナメになるとすぐ先に第一の二俣が現れる。右股を数メートル進むと、ロープで左手の小尾根に取り付くよう促してくれる(要は二俣分岐点で中央の小尾根に早くと取り付くこと)。小尾根には明瞭な踏跡があるが、やがて笹っぽくなり尾根は歩き難くなったら、左下の沢(左俣)に下りる。テープは多いので迷うことはないであろう。左俣の沢に下りて三四分で第二の二俣に達する。
 ここは水量の少ない右俣へ進む。急勾配の右俣沿いをしばらく進んで、左手の小尾根に取り付く。小尾根を進んでいると、先刻の左股の左岸の斜面を進むようになる。道筋がハッキリしているので心配することはない。左下(左股)のナメをロープを伝って右岸に渡り、尾根に取り付く。あとは明瞭な踏跡を辿る。斜面を北に進んでゆくと四郎峠に辿り付く。説明するとややこしいが、踏跡が明瞭なので迷うような心配は少ない。峠に着くと、正面に左四郎岳、右燕巣山を示す道標が目に付く。峠は四郎岳と燕巣山の鞍部ではシラビソとダケカンバ樹林の中で展望はない。
4 四郎岳 − 燕巣山  勾配は急だが東電の巡視路が歩行を容易にしてくれる
 先ずは、四郎岳を目指す。四郎岳と燕巣山をつなぐ稜線には何故か東電の巡視路が続いている(東電の施設は何もないのに?)。シラビソ樹林の稜線は時にはダケカンバが混ざり、道筋には背丈のネマガリダケも見かける。四郎峠の東電巡視路巡視路は整備されているので障害物は何もないが、急勾配には悩まされる。顔の周りに纏わりつく小虫にはまいる。時には目や耳に飛び込むので不快甚だしい。この虫にはずっと悩まされ続くけた。
 左手に時々白根山が枝の切れ目から望めるのが救い。標高1950m付近の岩の多い所で樹林が切れて、待望の白根山と燕巣山が望めた。その後、ガスが吹き上げ始めて遠望は全く効かなくなってしまった。昨日の雨がガス化しているところである。時間の経過を待つしかない。歩くには全然支障がない。勾配が緩やかになると二分程で四郎岳山頂に到着した。山頂は細長く、南東の白根山方面が多少樹林が切れているが、ガスで何も見えなかった。三角点が設置されいる。三角点そばの標柱には二等三角点と記してあるが、誰かが一を二と横棒を一本加えたようにも見える。山名板はMSCを始め四枚見かけた。
 ガスはそのうち晴れるだろうと燕巣山に向かう。四郎峠までは来た道を辿るが、昨日の雨で地面が緩んでいるのと急勾配とでスリップし易いので慎重に下る。下るにつれてガスは晴れ、途中で枝越しに白根山や燕巣山が見れるようになった。
 四郎峠から燕巣山へも東電の巡視路が続いている。峠からひと登りすると小ピーク(1891P)を通過する。このピークからほんの僅か下った鞍部からは、白根山から錫ケ岳方面が展望できた。この鞍部からは勾配はきつくなる。笹薮は四郎岳への稜線に比べて少なかったが、倒木が多かった。体の硬くなった体には倒木を無理な姿勢で潜るのが一番の苦痛。標高2000m辺りでシダ見かけたのが四郎岳との違い。名前は知らないがカエルが結構多い。動きは鈍重で、そばをストックで突っついても逃げなかった。
 急勾配が続き、やがて緩やかになると、山頂は近い。最後に急斜面を登るとやっと笹原の燕巣山頂上に達した。東西に長い山頂の北側は樹林で展望がないが、南側は開けていて展望は良い。錫ケ岳と白根山その直下に丸沼、更には太郎山に一部を隠された男体山、根名草山が眺望できた。北側の樹林の枝越しに燧ケ岳は霞んで見える。つい最近設置された栃木の山紀行の山名板の他に四枚見かけた。(今回のルート取りは栃木の山紀行の報告を参考にした。)
 ラジオで天気予報を聞くと、静岡では豪雨らしい。東京には雷雨があった。関東は不安定で所により雷雨と放送していた。今すぐに崩れそうな天気ではないが、雷を嫌って往路を引き返すことに決めた。下山前に湯沢峠への様子をさぐる。山頂から湯沢峠方面に深い笹原に踏跡が付いている。ほんの僅か進んでみると、湯沢峠の小さな標識と赤テープを見かけた。地形図と現場で尾根筋を見ると、ルーファンはそれ程でなさそう。問題はヤブこぎだが下るほうなら何とかなりそう。未練が残るが今回は諦めた。
 北東の鬼怒沼方面へはかすかに笹の間に痕跡程度の踏跡が認められた。湯沢峠方面に比べたら通過する人ははるかに少ないことが推定できる。
5 下山(往路を辿る)  往路からそ四郎岳(左) 四郎峠(中央小ピークの左鞍部) 燕巣山(右)   丸沼東岸かられることなく下山できた  予報に反して益々好天
 前日の雨で地面がゆるく、急勾配の下りでは何度も転倒しそうになった。四郎峠に下ると、四郎岳に向かう同年配者に出逢う。続いて男性1名、女性2名が登ってきた。八王子や藤沢からの人達で、丸沼温泉に前泊。今朝、湯沢峠から登ろうと行って見たら、ヤブで道が分からないので引き返したとのことであった。
 湯沢峠からの下りは、往路から多少は離れるかと思ったが、全く同じルートが取れた。駐車場手前の湯沢で顔を洗い、軽い昼食を取って帰路につく。前回の奥鬼怒林道歩きと今回の山行とも午前中に終わってしまった。次回の予定は決めていないが、長時間歩行は大丈夫かな!?
 丸沼東岸から四郎岳〜燕巣山の稜線が見えたので、車を降りて撮影した。この時間帯では、奥日光、日光ともスイスイと通過。それにしても天気は予報とは異なり、ドンドン良い方向に向かっているようだ。山で雷に出遭ったことがないので、少し神経質すぎたかな、と残念がる。その反面、山を舐めてはいけない、と警鐘を発する。複雑な気持ちで家路についた。 
HOME  
inserted by FC2 system