ひとり山歩き149 : 足尾から阿世潟峠経由で社山に登り、南尾根を下りました。登りは南東尾根をトライしましたが、ガレたヤセ尾根に危険を感じて退却しました。下りに通った南尾根は危険箇所もなく、展望もよくて気持ちよく歩けました。
足尾から社山(南東尾根と南尾根)
2004年5月7日(金) 晴れ
1 行程
自宅(3:35) = 銅親水公園(5:50/5:55) − 安蘇沢分岐(6:10) − 長手沢分岐(6:50) − 南東尾根(6:55/8:15、標高1200で退却) − 長手沢分岐(8:15) − 利根倉沢分岐(8:35/9:30、迷込み) − 長手沢分岐(9:30) − 林道終点(10:05/10:10) − 阿世潟峠(10:50/11:00) − 社山(12:15/12:50) − 南尾根(12:50/14:30) − 林道出合(14:50) − 銅親水公園(15:10/15:20) = 自宅(16:05)
2 自宅 − 銅親水公園
 今年はアカヤシオを見たのは3月19日に高鳥屋山付近を歩いた時が最初で最後であった。例年4月には、安蘇や前日光の山にアカヤシオを求めて歩くのだが、今年は県北の山へ出かけていてそのチャンスがなかった。
 次の理由で、足尾から社山〜大平山周回を考えた。@最近ヤブ山が多かったので、ヤブから開放されたい。Aアカヤシオを見たい。B昨年の12月3日に赤倉山から半月山を歩いた時に、社山の南東尾根と南尾根が目に焼きついた。C二子山・袈裟丸山・小法師山周回の登山口調査。
 自宅からは遠回りの足利市経由で国道122号を走り、往路では二子山登山口の楡沢林道口付近を偵察して、足尾の銅親水公園に車を駐めた。(復路で小法師岳登山口の巣上沢の様子を探って帰った。)
3 銅親水公園 − 社山  南東尾根はガレたヤセ尾根で撤退し、阿世潟峠経由に変える社山の南尾根と南東尾根(手前) 神子内林道終点から
 社山へは安蘇沢分岐付近から南尾根に取り付くか、長手沢分岐付近から南東尾根に取り付く二案があった。南尾根については登り、下り各一件の報告例を見出したが、南東尾根については、報告が見つからなかった。登りの冒険は下りのそれに比べ危険度が少ないので、ここは躊躇なく南東尾根を登りに選んだ。
 銅親水公園から北に向かう。先ずは左に松木川への橋を見送り、久蔵沢沿いの林道をあたりの荒れた山肌を見ながら進む。安蘇沢への林道を左に分けて(安蘇沢分岐)右の久蔵沢沿いの林道に進む。松やツツジ科の樹木の中を歩くのはとても気持ちが良い。最初に橋を渡ったすぐ先の左手に踏跡を見つける。ここから南尾根に取り付いているようである。崩落地の三番目の橋を渡ると、すぐ先が長手沢分岐で、阿世潟峠は右へ行く。
 左の林道に進み、南東尾根の先端に取り付く。100m程登ると尾根はゆるやかになり、社山山頂まで伸びる稜線が一望できる。葉が八枚のツツジ(の一種と思うが)が尾根にはびこる。標高1200付近から裸のヤセ尾根となり、しかも稜線はガレている。高所恐怖症の気のある自分にとっては、もっとも嫌いな所だ。先の見通しもないので、撤退することにした。1時間25分ロスしてしまった。下山に使わないでよかった!! 
 再び長手沢分岐に戻り阿世潟峠に向かう。途中で左手に「西利根歩道入口」の小標識をみた。長手沢の右岸でも散策する道があるのだろうか?4回目、5回目の橋を連続して渡ると、道はだんだん荒れだし九十九折れとなる。それでも、断続する舗装やカーブミラーが往時の名残を留める。すると、林道は二又となる。ここは疑問をもたずに、より林道らしい右の九十九曲がりの道を進む。登っ男体山と中禅寺湖(社山直下から)て行くにつれて沢の右岸を進んでいるのに気付いたが、阿世潟峠に向かっているとばかり思っているので、地形図を確認しなかった。南東尾根に取り付く際、折りたたんでケースに入れて首に掛けた地形図は肝心なところが隠れてたままになっている。そのうち複数の砂防ダムが見えて、林道を砂防ダムの手前で消えてしまった。ダムの名称を確認すると、東利根ダムとなっていた。間違って利根倉沢に進んでしまったのだ。この林道は地形図に記入がないので、気がつくのが遅れた。それにしてもお粗末の一語につきる。ミスすると、疲れが噴出す。頭を冷やし、体力を回復させるために、地形図を見ながらエネルギー補給をして元にもどる。ここで1時間、南東尾根で1時間半の計2時間半のロスは痛い。
 間違えた二又に戻り、長手沢沿いの道を進む。分岐付近は道幅が心持狭いような気がしたが、間違いなく長手沢左岸に続く。九十九折れを経て再び沢に沿って進むと、落石が多くなる。標高1190mで林道終点となる。途中で南東尾根に稜線から谷底までガレ落ちているのを何度か見た。稜線は厳しい所が多いようだ。無理せずに引き返したのは正解のようだ。黒檜岳・大平山への稜線 (社山から)
 林道終点からは沢の右岸(地形図では沢は消えている)をテープ標示のついた細い道(地形図の破線)を進む。やがて左岸に渡り、道なりに進む。谷沿いから枝尾根の右手を巻くように登ると、案内板が見えて阿世潟峠に辿り付いた。三人組が阿世潟へ丁度下るところであった。
 阿世潟から社山まではお馴染みのコースであり、コースの紹介は省く。カラツやダケカンバの林の下生は笹だが、鹿に食われてしまい先端がない。県北のヤブこぎを最近していたので奇異に感じる。日光の山々は久しぶりに間近にした。自分の山歩きの原点であり、懐かしさを感じる。途中で眺めた限りにおいては、南東尾根の荒れた部分は見えず優しそうに見えるのだが。さすがに人気の社山だ、山頂直下で二組の夫婦とすれ違う。
 社山の頂上には山名板が4枚(山部、菊池、HT、M大の諸氏)で、2年数ヶ月の間に賑やかになったようだ。山頂の写真を撮って、すぐに西端の笹原に進む。ここからの展望は素晴らしい。今日の計画にある大平山への稜線が一目瞭然。皇海山、奥白根山、錫ケ岳と目移りがする。景色に見とれている余裕はない。これからの行程を再検討する。大平山まで行き、明るいうちに松木川に下るにはギリギリだ。最終判断をするまでに2度のトラブルがあったら計画は変更する、がいつも心している鉄則。これを適用して、大平山行きは中止とする。今来た道を戻るのも面白くない。南尾根なら通過事例もあるし、充分な時間もある。
4 南尾根下山  疎林の尾根は危険箇所なく展望も良好
 ダケカンバ疎林の尾南尾根のシカランバ(標高1500付近)根は展望もよい。右に大平山周辺の稜線、左に半月山から赤倉山への稜線、前方に備前楯山と気分よく急下降する。途中で僅かなアカヤシオも見た。一気呵成に標高1550の鞍部まで下る。鞍部の西側は安蘇沢側に落ち込んでいる。この尾根で荒れているのはこの部分だけであった。一方、往路で東側から見たのと同じように隣の南東尾根は何箇所かでガレ落ちている。やはり無理をしないでよかったようだ。
 1568ピークは東側を巻いて通過する。カラマツとシラカンバの組み合わせが映える。尾根幅広く、勾配も緩やかで、高原を歩いているような錯覚をする。標高1400から1300にかけて尾根はやや狭くなるがカラマツ、ダケカンバ、松の疎林で展望の邪魔にならない。所々でゴムホースを見かける。用途はなんだろう。飲料水にしては多すぎる。標高1300付近で下山は右の標識を見る。方向を南西に変えて下ると、足尾の山々に混じって皇海山も望めた。右手(西側)に安蘇沢の上部に林道がクッキリ見える。疎林の草付きで展望もよく気持ちの良い尾根である。この尾根は誰にも満足してもらえるであろう。
 付近に樹木のない1182ピークで三角点を確認して、眺望を楽しむ。付近からは銅親水公園の塔まで見通せた。
 1182ピークから約15分で標高1050までくだり、左(南東)の尾根に取り付く。松の尾根は急降下で動物のスリップ跡も見かける。途中でジグザグに下る踏跡を見つけるも尾根を直線的に下る。20分の急下降で林道に出合う。ここは往路で最初に橋を渡ったところで、南尾根への踏跡を見つけたところであった。ここから20分で銅親水公に戻れた。
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