ひとり山歩き147 : 藤原町中三依の滝向山に登り、日向倉山まで尾根伝いに歩いてきました。尾根はいたるところでイワウチワの群落を見ますが、時期的にはまだ早すぎたようです。日向倉山の東側はヤセ尾根で石楠花のヤブに悩まされましたが、その他はヤブは殆どなく快適な歩きができました。
中三依の滝向山(993m)〜日向倉山(1341m)尾根歩き
2004年4月26日(月) 晴れ
1 行程
自宅(3:40) = 中三依上坪駐車地(5:20/5:40) − 登山口(中坪)(6:05) − 滝向山(7:25/7:40) − 1071ピーク(8:45/8:50) − 106号鉄塔(9:20/9:30) − 1210ピーク(10:25) − 日向倉山(11:40/12:15) − 下山地(13:30) − 駐車地(13:45/13:55) = 自宅(16:15)
2 自宅 − 登山口
 藤原・塩原付近の低山歩きを始めて、第一回は尾頭峠から三依山と塩沢山を歩いた。今回は中三依の滝向山から日向倉山まで尾根歩きをすることにした。
 藤原町の中三依へは、鹿沼・今市経由で国道121号を走る。中三依駅の少し手前で左折して芹沢橋を渡り、中三依の上坪を目指した。橋を渡って3km進み、最初の橋(たもざわ橋?)を渡った左手に広場があったので車を駐めた。そこには「山を甘く見るな」の立て看板が設置してあった。ここなら滝向山の登山口と日向倉山からの下山地との中間点で都合がよい。 
3 登山口(中三依中坪) − 滝向山 南西尾根に取り付きそこないヤブこぎを強いられる登山口の鳥居と社
 登山口は中坪から南西尾根に取り付くか、下坪から南尾根に取り付くかは歩きながら決めることにして、来た道を戻る。両方の尾根を見比べてどちらでも大差なさそうなので、近い方の南西尾根に取り付くことにした。左手に鳥居と小さな社が見えた。そこからは沢沿いに踏跡がついているので、ここを登山口とした。
 200メートルほど沢に沿って進むと、南西尾根への踏跡が目に付いた。この踏跡に入りかけたが、どういうわけか気持ちが変わり、もう少し沢沿いに進んでみることにした。南西尾根に取り付くタイミングを失い、沢沿いに進んでゆくうちに、踏跡は消えてしまった。沢は足場も悪くなってきたので、右手の小尾根に仕方なしに取り付いた。ブッシュの多い急勾配の斜面をしばらくはヤブこぎで悪戦苦闘する羽目になってしまった。谷か尾根か選択する時は尾根優先が自分の流儀だが、何故か今日は逆らってしまった。後悔するがどうしようもない。低い尾根なのでどこでも取り付けると甘く考えてしまったのであろうか。
 10分程の苦闘で尾根のヤブは薄くなったが、ダイレクトに滝向山には向かえない。たどり着いたのは500メートルほど滝向山から北西の縦走稜線上であった。ヤブのない稜線を日向倉山とは反対の滝向山を目指した。ヤブこぎの疲れを癒すためにゆっくり歩いたせいもあるが、20分もかかってしまった。
 山頂は東西に細長く、ミズナラ等の雑木で充分な展望は得られないが、北に芝草山、北西に日向倉山と荒海山、北東に日留賀岳、南西に白倉山が枝越しに展望できた。三角点と山部さんの山名板を写真に撮って、山頂を観察すると、男鹿川に向かって伸びる南東尾根と下坪に伸びる南尾根には踏跡が続いていた。ノンビリ登ろうと思えば南東尾根、急ぐならば南尾根を選ぶのが妥当のようだ(根拠はない、地形図を見た感じ)
4 滝向山 − 日向倉山  イワウチワの大群生 日向倉山直下は石楠花のヤセ尾根  
 滝向山を下り鞍部になると、やっとツボミを持ち始めたツツジと倒木が歩く邪魔になるが大したことはない。笹は処々で生えているが、三依山と塩沢山に比べればないに等しい。滝向山の下りでイワウチワを見かけ写真を撮ったが、その後あちこちに群生しているのが認められた。急斜面を草木に捉まりながら登りきると、ミズナラの1071ピークに着いた。ここからは芝草山と日向倉山が展望できる。
 1071ピークからの下りはツツジが若干煩い。イワウチワはあちこちで見かけるが、開花しているのはほんの一部。時期的にはもう少し先のようだ。鞍部で左から東電の巡視路を合わせる。巡視路はプラスチック階段で整備してある。この階段を登りつめると下郷線106号鉄塔である東電巡視路(106号鉄塔付近)。ここからの展望は良い。日留賀岳、芝草山、日向倉山、荒海山の他に日光連山の一部が見える。
 プラスチックを階段状に埋め込んだ巡視路は次の1140ピークの東端で北東に下っていった。巡視路から別れた途端にブッシュが目に付く。1140ピークから間近になった荒海山の山頂部に積雪していることが分かる。この先の鞍部で僅かな石楠花にお目にかかる。登りにかかると石楠花が時々顔を出すようになる。イワウチワの群生が益々増え連続的になってきた。今日一番の急登をすると石楠花の1210ピークに着いた。今までのところヤブこぎは皆無に近く、イワウチワの花と周辺の展望も楽しめた。今日の尾根歩きは楽勝と思っていたところへ、石楠花の登場でちょっとばか日向倉山付近のイワフチワり嫌な予感。
 1210ピクの先はヤセ尾根となる。間近になった荒海山はこのまま稜線伝いに歩いてゆけそうな感じがする(稜線はつながっているが、ヤブの程は?)。こんなことを考えているうちに岩が目の前を遮る。これを乗り越えるとヤセ尾根にはツツジが増えて歩きづらくなる。ツツジのヤブを過ぎると、今度はヤセ尾根に石楠花が密生している。ツツジで15分、石楠花で10分程もがいて、やっとヤブから開放される。今度は急勾配で這うように登る。ひと息つけるようになると左手に赤リボンと赤テープを見つける。ここは925ピーク経由で下る南東尾根の取り付きのようだ。一応頭に入れて先へ進む。密度の小さくなった石楠花を掻き分けて更に20分程登ると日向倉山山頂に到着した。
 山頂は南側は開け、北側はコメツガ、シラビソ等の樹木で遮られてる。三角点の北側は高い樹木に混ざって石楠花が密生している。南西に日光の山々と目前に持丸山、西に帝釈山と田代山とその右奥に会津の真っ白な稜線、南東に高原山、更に充分ではないが日留賀岳、荒海山が展望できた。ヤブこぎの苦労が大きかった分、喜びも大きい。 
5 下山  南尾根は障害物なく安心して下れる日向倉山頂
 当初計画どおり南尾根を下ることにした。三角点からもと来た道をほんの僅か戻ると、南尾根への取り付きとなる。標示はないが、尾根が目視できる。ブナの混ざる自然林を踏跡はないがドンドン下ってゆく。特に歩行の障害となるようなものはない。この尾根にも日向倉山直下ではイワウチワをかなり見かけた。
 標高1200m付近で尾根が別れるが、左の尾根を下る。このあたりになると、立木の高いところに赤リボンがついていた。どうやら冬の積雪時につけたものらしい。その他赤テープも見かけるが、これは無雪時につけたものであろう。標高1050くらいからは尾根が太くなるとともに勾配も急になる。ほんの一部で植林の中を通るが、あとは自然林の中。踏跡らしいものは時々あるが、ないところでも全然問題なく下れる。展望のないのが少し寂しいが止むを得ない。
 標高800位になると、沢の音が聞こえるようになり、向きを南東に変えて細尾根を急降下する。数分で芹沢に流れ込む沢の手前で舗装道に下山できた。この南尾根は登る時は急勾配で苦しいかもしれないが、下山にはもってこいであった。
 下山地から送電線下まで約800メートル、そこから約300m−トルで駐車地に無事帰る。
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