ひとり山歩き143 : 戸沢から天神尾根経由で丹沢主脈の塔ノ岳・丹沢山・蛭ケ岳をピストンしてきました。丹沢主脈は処々で展望が開け、富士山、丹沢山塊の見放題ですが、ヤブ山になれた者には多少食傷気味となりました。
戸沢から丹沢主脈(塔ノ岳・丹沢山・蛭ケ岳)
2004年4月7日(水) 晴れ
1 行程
ひとり山歩き142から続く
戸沢(18:40/5:25) − 天神尾根分岐(6:35/6:40) − 花立(7:25/7:30) − 塔ノ岳(7:50/8:00) − 丹沢山(9:10/9:30) − 不動ノ峰10:15/10:20) − 蛭ケ岳(11:10/11:40) − 不動ノ峰(12:35) − 丹沢山(13:20/13:30) − 塔ノ岳(14:30/14:40) − 花立(15:00) − 天神尾根分岐(15:30) − 戸沢(16:35/16:50) = 自宅(20:50)
2 天城峠 − 戸沢
 天城山下山後、浄蓮ノ滝と旧天城トンネルを見物し温泉に浸かって疲れを癒し、丹沢登山口の戸沢に向かう。国道414、136、246とつなぎ秦野市に向かう。大倉を横目に風の吊橋の下を潜り、戸川林道に進む。吊橋のすぐ先でダート道となるがフラットで乗用車での走行も問題ない。ダート道を走ること約4kmで新茅山荘を左に見て、更に1kmで作治小屋に至る。この先で河原の駐車場に下る。広い河原の駐車場には2台駐めてあり、傍で焚火をしていた。
 戸沢山荘よりに車を駐めて、軽く夜食を取り、7時半にシートを倒すといつの間にか眠ってしまった。夜中の12時ごろ河原から大声が暫く聞こえていたが、すぐに車で帰っていった。その後もいつの間にか眠りにつく。4時半までぐっすり眠れた。
3 戸沢 − 丹沢山  富士山と丹沢山塊は見放題  スッポンポン(?)の展望に不感症となる
 朝食を車中で取って外に出てみると、いつ着いたのか車が一台駐車していてその横にテントがあった。作治小屋の先の臨時派出所で登山カードを提出して登山口に向かう。二つの沢を渡り、源次郎沢の右岸を進塔ノ岳山頂からの展望むと、すぐ先で書策新道を右に分ける。更に進むと天神尾根の登山口でここから植林の中に突入する。
 天神尾根は植林の急勾配の尾根でジグザグにひたすら登ることを強いられる。標高850m位までは浮石の多い道が続く。その後は根が張り出し、処々に丸太の土留め階段が続く。標高1000位からは塹壕状の道となる。展望は特になく主脈目指して黙々と登る。方向が西向きから北向きになると、突然広場に出る。ここが天神尾根分岐で左から大倉からの道を合わせる。
 すぐに鹿が二頭出迎えてくれた。人擦れしていて逃げもしない。鹿を横目に花立に向かうと、すぐに富士山が左手に見える。その後は土留めの丸太階段が延々と続くので嫌になってしまう。花立山荘の前は開けていて展望が良い。振り返れば相模湾と市街地が見下ろせる。主脈からの展望はよく、この先はもっとよくなるだろうと気分をよくする。更に丸太階段を登りつめると、小ピークに達する。ここが花立で展望がよい。これから行く蛭ケ岳も望める。尾根には樹木が少ないので、先がますます楽しみとなる。
 花立から少し進むと、左に鍋割山への道を分ける。両ストックの年配者が猛烈な勢いで追い越していった。そのスピードには呆れるばかり。またまた土留めの丸太階段を登りきると、塔ノ岳山頂に着いた。尊仏山荘と日ノ出山荘があるだけ周囲は全展望である。方位盤まで設置してある。ここからは丹沢山塊の全容が見渡せる。かすみで遠望こそ利丹沢山頂にてかなかったが景色を充分堪能できた。富士山と山名湖の眺めもよい。今までの疲れもなんのその先を急ごうという気になる。
 尊仏山荘の横を通って丹沢山に進む。丸太の階段を下ってゆくと、丹沢山から蛭ケ岳の稜線がよく見えるようになる。丹沢山までに日高と竜ノ馬場と称する二つのピークを越さねばならない。処々で丸太階段はあるが、笹原で展望が開ければ楽しくないはずがない。ところが何となく緊張感がなくなってきた。これだけ富士山と周辺の山々を素っ裸で眺めていると、刺激がなくなり不感症になってしまったようだ。苦労に苦労を重ねて、やっと目にした展望にこそ有り難味があるのだ。栃木のヤブ山で見る頭だけの富士山の方が感激は強い。道が明瞭で道標もしっかりしているので、迷う心配がなく、地形図など見る必要がないことも緊張感を欠く一因であろうか。笹道を登りきると、丹沢山の頂上に辿り付く。展望は塔ノ岳ほどではない。山頂からは不動ノ峰から蛭ケ岳の稜線がよく見える。先が読めてしまうので、蛭ケ岳まで行こうという気持ちが急速に萎えてしまう。このまま下山しようか本気で考える。これから帰ると首都高の混雑に巻き込まれるのが嫌であることと、途中で投げ出すのが嫌で蛭ケ岳まで行くことにした。
4 丹沢山 − 蛭ケ岳  見た目よりは鞍部が深くハード
 蛭ケ岳までに不動ノ峰と鬼ケ岩ノ頭の二つのピークを越さねばならない。丹沢山左から丹沢山、不動ノ峰、塔ノ岳  (蛭ケ岳から)から眺めると、鞍部が見えないので高低差が少なく楽そうに見える。実際に歩いてみると鞍部からの登りはせいぜい100メートルなのだが、疲労がたまってきたせいか思ったよりハードに感じる。樹木が少なくあまりにも先が見えてしまうのも嫌なものだ。
 気がつくといつの間にか富士山の積雪部から上はガスに包まれてしまった。この辺りでは景色などどうでもよいという感じで歩く。不動ノ峰からは続くブナは疲れを多少とも和らげてくれた。次のピーク(鬼ケ岩ノ頭)からのくだりは岩場で手摺の鎖に掴まりながら下る。鞍部から130メートルほど登ると最終目的地の蛭ケ岳山頂にやっと辿り付けた。ここも全展望だが景色には関心が湧かない。山に見飽きていたせいか、北東の宮ケ瀬湖だけが目に付いた。山荘の犬が一匹閑そうに(?)昼寝をしている。無理やり握り飯を口に入れて帰りに備える。 
5 下山  花立からの丸太階段下りが辛い
 復路でハードに感じたのは、@丹沢山への100メートル程度の登り、A花立からの小岩のゴツゴツした丸太階段の下り、B天神尾根の急降下、であった。特にAが膝ががくがくしてもっとも堪えた。Bは急降下にもかかわらず登りの時間と殆ど変わらなかった。天神尾根の高度を下げ段々沢の音が大きくなるにつれて、安心したのか滑って脛を強打してしまった。悲鳴をあげる。弁慶の泣き所とはよく言ったものだ。源次郎沢に出合った時にはホットした。数分の歩きで無事駐車場に戻る。昨夜来た車は既になく、他の一台が丁度駐車場を出る所であった。この時期はまだ戸沢から登る人は少ないようだ。臨時派出所があるくらいだから、夏場は賑わうのであろう。
6 戸沢 − 自宅
 秦野中井から高速に乗る。首都高が混雑しているかもしれないので、時間調整に海老名SAに寄ってラーメンを食べる。一眠りしようとしたが、昨晩よく寝たので眠れない。混雑していればそれまでよ、と車を走らせる。幸いラッシュは過ぎていて首都高もスイスイと通過できた。
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