ひとり山歩き136 : 田沼町閑馬の金原集落から金原山−近沢峠へ延びる稜線に登り、高鳥屋山経由で近沢峠付近まで尾根歩きを楽しみました。岩稜尾根とヤブ尾根の連続で楽な歩きはできませんが、思わぬ発見に往時を偲ぶことができました。
閑馬から高鳥屋山(513m)〜近沢峠尾根歩き
2004年2月19日(木) 快晴
1 行程
自宅(5:15) = 田沼町閑馬金原集落P(6:15/6:20) − 金原登山口(6:30) − 祠ピーク(7:30/7:35) − 縦走稜線(7:40) − 破線ピーク(9:10、、途中で30分ロス) − 高鳥屋山(9:35/10:00) − 516ピーク(10:30) − 499ピーク(10:45) − 570ピーク(11:45/12:00) − 近沢峠分岐(12:05/12:30、25分忘れ物回収) − 松坂林道(12:55) − 松坂(13:25) − 金原集落P(13:45/13:55) = 自宅(15:05)
2 登山口 − 高鳥屋山  
 安蘇には南北に放射状に何本も尾根が延びている。これらの尾根を全踏破してみたい、と考え実行中である。三床山から熊鷹山までは完了間近で、未踏破部分を歩いているところである。
 1月20日
に田沼の金原山から高鳥屋山まで縦走していたところ、途中で岩峰群を目の前にして退却した。今回は岩峰群を観察しながら、その先のピークに登り近沢峠目指して尾根を歩くことにした。登山口は田沼町閑馬の金原集落と決めて家を出た。通いなれた(?)道を田沼町閑馬を目指して車を走らせ、閑馬長谷場線入口から400m先の路肩(1月20日と同じ場所)に車を駐めた。
3 登山口 − 高鳥屋山  岩峰群を横目に登山 最初のピークに祠  縦走尾根は岩稜の連続
 閑馬長谷場線に入り、前方に例の岩峰群を見ながら北上する。数分歩き橋を渡ると金原集落の外れで、閑馬長谷場線から左に林道が分岐する所に尾根の先端がある。こ尾根の先端はなだらかで踏跡も見えたのでここを登山口とした。
 登り始めるとすぐに閑馬第3配水槽を見て、横を通り抜けて踏跡を追う。この尾根は自然林と植林が混在している。消えている所もあるが、かなりの部分に明瞭な踏跡がついている。自然林の中はツツジや篠竹等のブッシュが多く若干悩まされる。右前方に例の岩峰群を何度も観察できた。前回撤退したピークを横から眺めると岩の状況は分からないが、鞍部は浅くそれ程恐れる必要はなさそうだ。1月20日には肝をつぶして撤退したが、横から見る限りは何とかなりそうな感じがした。掲示板にしばしば記入していただくノラさんと「安蘇の山懐から」でお馴染みの山とんぼさんがこの岩峰群を最近通過し、その要領を知ったことが支えとなっているのかもしれない。 途中で1月31日に登った石尊山(530m)も西に展望できた。縦走稜線の手前ピークの祠
 登山口から丁度一時間で祠のあるピーク(520m)に着いた。祠の字はハッキリしないが、明治らしい。明瞭な踏跡が残っているのが頷ける。北隣のピークからは縦走稜線歩きとなる。このピークからは北西に進むようになる。隣の小ピークで踏跡に引きずられ北尾根に進んでしまった。ご丁寧に赤テープも見かける。縦走尾根に乗った安心感からか気付くのが遅れ30分もロスしてしまった。ヤブ尾根登りでしまっておいた地形図を取り出し首にかける。以後はルートミスはなし。
 間違えたピークの次のピークからの降りはヤブに悩まされる。夏場なら通過するのが大変であろう。北西に大鳥屋山から岳ノ山が瞬時展望できたのが救い。このあたり鞍部の尾根が見づらく、地形図で間違いないと分かっていても自信が持てず、何度も立ち止まってはチェックし時間がかかってしまった。ヤブ尾根を降り、少しばかり登り返すと、1月20日に松坂から登りついた小ピーク(地形図破線の南)で見覚えがあり安堵する。ここからは余裕が生じて、赤松を配する尾根歩きを楽しめた。今日は快晴なのに春霞で遠望は利かない。前回は浅間山のてっぺんと袈裟丸山等が遠望できたのだが・・・
 これからの山歩きでは遠望は期待できないのだ、とブツブツいいながら歩いていると三角点のある高鳥屋山についた。字の消えた山名板が三角点の前に置いてあった。このプレートには松坂山と書いてあったとのことである(安蘇の山懐からを参照願う)。山頂からは樹林に邪魔されて充分な展望は得られない。南西に石尊山と北に807ピーク(東蓬莱山)の稜線が伺える。なんとなく気になったのは、北東に向かう尾根に明瞭な踏跡が認められた。これだけ明瞭な踏跡があるということは何かありそうな臭いがする(経験則)。 
4 高鳥屋山 − 近沢峠分岐  往時の道筋が残っている 高鳥屋山からは岩はなくなりヤブが多くなる
 時間と気力が残っていれば、近沢峠分岐で折り返して西隣りの尾根を石尊山まで歩きたい。時間的にはあまり余裕がないので、分岐まで2時間の目標で高鳥屋山を出発する。516ピークまでは1月20日に通っているので先を急ぐ。二つほどピークを越して植林を登りきると516ピークで、西端からは石尊山が南西に障害物なしで見通せる。石尊山は北側からの登りが急でスタミナが持つか、一抹の不安を持つ。
 大鳥屋山(右)〜岳ノ山(左) (499ピーク付近伐採地から)次の目標である499ピークへは、植林と自然林の混ざる尾根を降って登り返すことになる。高鳥屋山までの尾根とは変わり岩は見かけなくなる。その代りヤブが増える。499ピークは植林の中だが何故かヤブが多い。
 499ピークからは進路尾根が見えないが検討をつけて西に降ってゆく。鞍部からは北向になり、右手(東側)が伐採地になっていて見晴しがよい。右手に大鳥屋山から岳ノ山の稜線と右前方に尾出山まで見通せる。しばし展望を楽しみながら伐採地を登る。植林に突入して降ってゆくと、地形図の破線に相当する道が現れる。処々で薄くはなっているが明瞭な道筋が残っている。499ピークから二つピークを越した鞍部には小さな石の道標があり、左から明瞭な踏跡を合わせる。下の松坂林道から登ってきているものと思われるが確認はしていない。道標には「右 ひこままち」と彫左 : 破線道  右 :石道標(右 ひこままち) (縦走路)りこんであった。近沢峠を経由して飛駒へ行く道と思われる。閑馬から飛駒へ行く生活道なら西の稜線を乗っ越す筈である。信仰の道であったに違いない、と想像を巡らしながら先を急ぐ。
 石の道標からは登り勝手となり、相変わらず松の多い自然林でツツジのヤブが多い。この先の折り返しピークまでヤブが続いた。所々で枝が鉈でカットされているのを見る。人が入山している証拠だ。折り返し点の570ピークに着いて、空瓶と空缶が散乱しているのにはガッカリさせられる。かなりの人がここで休憩を取るようである。北東尾根へも明瞭な踏跡がついている。このピークは樹林の中で充分な展望は得られないが、北に大久保山と氷室山あたりの稜線が伺える。南西には多高山とその麓に足利CC、北の直下には近沢線の一部が見える程度。
5 下山(近沢峠分岐から松坂林道へ) 
 570ピークでエネルギー補給して、近沢峠分岐経由で石尊山を目指して降りに松坂: 左が松坂林道 右が東松沢林道  ピークは高鳥屋山かかる。足取りも軽く鞍部に降ると、左下(南東)から登ってくる明瞭な踏跡を合わせる。その20m先が近沢峠分岐で、ここで右(北西)に降ると近沢峠に行く。
 南に折り返して石尊山に通じる尾根を登り始めて、50m位先に祠が祀ってある(ひとり山歩き132参照)。登りにかかっているのに何となく身が軽い。しまった!!カメラの入ったウェストバッグを570ピークに忘れてきたのに気付く。慌てて逆戻り。山の中ではウェストバッグは外したことがないのだが、ヤブこぎをしているうちに背中に入った枝を取り除くためにバッグを外したのだ。今日二度目のミスで精神的動揺が大きい。
 バッグを回収して近沢峠分岐に戻った時には、25分ロスしていた。時間的には問題ないが、意欲が急にそがれてしまった。石尊山〜近沢分岐は既に歩いていることだし、二度あるミスは三度あると、変な理屈をつけて下山することにした。近沢峠分岐に思ってもいなかった踏跡を見つけたのもその一因であろう。踏跡を南東に降ってゆくと、踏跡は明瞭なのだが、ブッシュを掻き分けて斜面沿いにジワジワ降るのは容易でない。10分程ヤブこぎをしても標高でたったの50mしか降っていない。谷部は植林であることが分かったので、思い切って谷底に降りた。谷底の小さな沢沿いには踏跡があり、何の障害物もなく歩けた。沢沿いを歩くこと15分で地形図実線の松坂林道に出合う。
 林道をは荒れてなく歩きやすかった。30分の林道歩きで松坂を通過する。更に20分の舗装道歩きで駐車地に戻れた。
HOME  
inserted by FC2 system