ひとり山歩き131 : 安蘇の金原山から高鳥屋山まで尾根歩き計画しましたが、中間点の手前で絶壁に遭遇し退却しました。駐車地まで戻り、田沼町松坂から高鳥屋山に登って帰りました。金原山から撤退点までは大部分が植林、部分的にかん木帯の尾根で特に難しい所はありませんでした。高鳥屋山周辺の尾根は松の多い岩質の尾根でした。
金原山(427m)から高鳥屋山(513m)尾根歩き(途中退却)
2004年1月20日(火) 快晴
1 行程
自宅(5:45) = 田沼町金原(7:00/7:05) − 宮内BS(7:25) − 登山口(7:40) − 石祠ピーク(8:30) − 金原山(8:40/8:45) − 閑馬長谷場線出合(8:55/9:00) − 破線終点ピーク(退却点)(9:45/10:10) − 空友山荘入口(閑馬長谷場線)(10:20) − 金原駐車地(10:50) − 松坂林道分岐(10:55/11:05) − 稜線(450ピーク)(11:50) − 高鳥屋山(12:35/12:55) − 516ピーク(13:25) − 松坂林道分岐(14:05/14:15) = 自宅(15:30)
2 自宅 − 田沼町金原 − 登山口  
 先週15日に、三床山から金原山まで尾根歩きをした。岩質の尾根は変化があって面白かったので、延長線として金原山から高鳥屋山まで尾根を歩いてみたくなって計画した。
 田沼町の宮内から林道に入って金原山に登り、尾根を北西に進み高鳥屋山まで行って、田沼町松坂に下ることにした。宮内と松坂の中間点の金原付近に車を駐めることにして、栃木市経由で田沼町閑馬を目指す。先週の尾根歩きで金原山から下った宮内林道分岐(宮内BS)から2km北に進むと、閑馬長谷場線の分岐先300mに路肩の広い所(金原集落)があったのでここに車を駐めた。
 登山の支度をして、もと来た道を宮内まで歩いて戻り、宮内BSから北東の林道に進む。先週金原山から下ったルートを強引に登るつもりで林道終点を目指して進むと、集落の外れで舗装道が切れる所に右へ作業道(登山口)が分岐しているのを見た。同じルートを通るのは面白くないので急遽計画を変更して、この作業道から金原山付近に登ろうと考えた。
3 登山口 − 金原山  作業道を登りつめて金原山へ  金原山(宮内から)
 登山口から作業道を道なりに進む。最初は東に進み、数分で北東に向きを変えて谷を登ってゆく。植林と自然林混在の谷を進むと、少しばかり薮に悩まされる。踏跡は落葉で覆われ段々薄くなってくる。谷歩きより尾根歩きの方が好きなので、標高300m付近で左の尾根に取り付く。かなりの急勾配に息があがる。大岩に進路をふさがれた。これを右に巻いたが急傾斜のため這って進む感じ(どうやら谷をそのまま進んだ方がよかったようだ)。大岩を巻いて10分程北東に枝尾根を登ると、先週見かけた平成12年奉納の石祠のピークに登りついた。
 石祠ピークからひとつピークを越すと、金原山の頂に到着した。山頂には三角点、測定用の赤白ポールとKAさんの山名プレートを見る。先週から気になっていたのだが、’02年11月23日に山部薮人さんが取り付けた山名プレートもSHCさんのプレートも見当たらない。取り付けた立木を伐採した様子もないので、誰かが取払ってしまったのだ。心無いことをする人がいるものだ。登頂記念に持ち去るのか、複数は不要と取り払うのか、理由は知らない。山名プレートを取り付けるのは、他の登山者のために、あるいは自分の登頂記念に、と思いを込めてつけたのである。勝手に取払ってよいものではない。 
4 金原山 − 高鳥屋山  途中で絶壁を目前に退却した
 高鳥屋山目指して金原山を北西に下る。鞍部は薮が多少あるが歩行の障害になる程でない。登り返して次の小ピークから北に進むと、すぐに閑馬長谷場線に出合う。以前は薮が多く30分近く要したらしいが、大鳥屋山(中右) 岳ノ山(中左) 男体山(白いピーク) (退却ピークから)その後手入れされたのか10分足らずに短縮された。林道出合は駐車場を兼ねてか幅広になっている。「ゴミ捨てるな」の田沼町の看板も設置されている。
 林道からは植林の中を西に向かう踏跡を追う。次のピークから向きを北に変えるが、樹木で尾根が隠れていて分かり難い。地形図で破線が行き止まっているピーク目指して北に進む。大部分は植林の中で踏跡も明瞭である。所々で左手が自然林となり、多少薮に悩まされるが岩もなく起伏もあまりない。金原山より南の尾根に比べたら変化に乏しく面白みがない。幅広の踏跡(地形図の破線)を追って、標高にして100m弱急登すると全展望の破線終点ピーク上に飛び出す。北に男体山の頭と大撤退ピークの対面の絶壁  手前のブッシュは退却ピークの北斜面のもの鳥屋山、東に筑波山、先日夫婦が滑落した三峰山、南西に富士山が望める。
 次のピークへは北西に進むのだが、ここで大きな問題が生じた。今いるピークからの下り斜面はブッシュで見えないが、かなりの急勾配である。それ以上に問題なのは、対面のピークの南斜面は絶壁になっている(右写真参照、写真ではブッシュで見えないが絶壁は鞍部から立ち上がっている)。鞍部はそれ程深くないのだが、様子を探りに下りる気になれないし、ましてや対面の絶壁を登る勇気がわかない。地形図からはこんな状況はとても想像できなかった。ここで退却することにした。それでも眺望を楽しめただけよかった。
 登ってきた道を下り、標高400mからは南西に下る破線と実線をつないで、駐車地に戻ることにした。破線は幅広で障害物も殆どなくスムースに下ってゆくと、下方に全天候のテニスコートと山荘が見えた。空友山荘という看板を見ると、閑馬長谷場線に出合う。ここから15分で石碑のある林道終点。さらに5分程北に進むと駐車地。そのまま車で1.6km先の松坂林道分岐に向かう。 
5 松坂 − 高鳥屋山  岩稜の松の多い変化に富んだ尾根に満足して帰る
 林道分岐に車を駐めて、東松坂林道を東に進む。左手に八幡神社を見て植林の中へ北東に進んでゆく。10分あまりで道幅は急に狭くなり、向きを徐々に南東よりに変えながら沢沿いに緩やかに登ってゆく。左に踏跡を認めたが太い右の踏跡に進む。杉植林の谷を東北東に進む。地形図の破線よりひとつ南の谷を進んでいるのだが、谷は浅高鳥屋山(南ピークから) 左の白いピークは男体山くなり急斜面となる。自然林となると、落葉が多くなり踏跡は不明瞭となる。小石の下地に落葉でスリップして登り難いので、左手の尾根に取付いた。尾根を少し登ると稜線上のピーク(450m)にたどり着いた。
 地形図の破線はこのピークの北鞍部を通っているはず、と鞍部に下ってみたが踏跡は見つからなかった。途中で左に踏跡が認められたがそれを辿ると、この鞍部に通じるのかもしれない。今では通る人がいないので消えてしまったのであろう。この尾根は三床山〜金原山の尾根と同じように岩質で起伏が多く、慎重な行動が必要である。稜線上には薮はそれ程多くない。松が一番目に付く。また、松葉を踏みしめて歩くのも気持ちがよいものだ。二つ目のピークでは多少展望が開ける。西に白い頭を少し出しているのは浅間山と思われる。少し南よりに見えたのは信州の山並か。北西に袈裟丸のピークも見えた。遠方の山を見るのは尾根歩きの最大の楽しみのひとつで、至福の時。
 好展望ピークのから岩稜の尾根を緩やかにアップダウンしていると、今日初めて赤テープを発見した。松葉の急斜面を50mほど登ると、三角点のあるピークに着いた。ここが高鳥屋山(地形図には記載なし)である。山頂には山名プレートはない。あたりを探し回ると、木のプレートが落ちていた。殆どの文字は消えていたが「火の用心」の部分だけが辛うじて読めた。山頂からは男体山と袈裟丸山が枝越しに見えた。すぐ傍に大鳥屋山と1月10日に行った岳ノ山〜807ピークの尾根も読み取れた。南に足利方面の平野も望める。温度計を見ると12℃を示している。今日は発汗が多く、飲んだ水の量も多かったのが頷けた。
 下山は、西に位置する516ピークから枝尾根を南に下ることにした。516ピークまでは、尾根筋も岩質で松が多い。三つ目のピークが516ピークで、西端はかん木で開けているが、標高が低いので西側の稜線に邪魔されて遠望はできない。
 516ピークの西端から南尾根に取り付く。この尾根は真っ直ぐに南に延びているので、尾根を外さないように下れば間違うことはない。尾根筋は植林と自然林が入り混じる。自然林になると少しばかり薮に悩まされる。この尾根も例外でなく岩質である。最後に植林を急降下すると、松坂林道分岐に飛び出した。車は30m先でご主人様のお帰りをお待ちであった。 
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