ひとり山歩き122 : 鶏鳴山登山口(中居林道)から中山に登り、尾根伝いに鶏鳴山まで歩いてきました。中山から日光/今市境界の主尾根までは桧・杉植林の尾根で伐採廃材に悩まされました。主尾根は落葉樹林の尾根で紅葉の名残りと樹木の隙間から日光連山を楽しめました。鶏鳴山北峰には展望所が設置されていて抜群の眺望が楽しめます。
中山から鶏鳴山へ尾根歩き
2003年11月19日(水) 晴れ
1 行程
自宅(5:25) = バークレイCC先ゲート(6:15/6:25) − 鶏鳴山登山口(6:40/6:45) − 中山(7:25/7:40) − 618P(8:35/8:40) − 630P(9:20/9:25) − 主尾根取り付き(9:50) − 北峰(11:10/1120:) − 鶏鳴山(11:25/11:30) − 北峰(11:35/12:00) − 登山口(12:55) − ゲート(13:15/13:25) = 自宅(14:25)
2 自宅 − 鶏鳴山登山口
 今日は曇りがちだが夜まで雨はないということで、展望よりは歩くことを主に考え尾根歩きをすることにした。鶏鳴山の東に位置する中山に登れば、尾根伝いに鶏鳴山まで行けそうなことを地形図で確認していたので実行することにした。
 今市市長畑中井集落のバークレイCCの看板を横目に見て直進すると、ゴルフ場の専用鉄橋先の林道入口にゲート代わりにチェーンが張ってある。ここに車を駐めて、沢沿いの砂利道を進む。志路手林道の分岐で登山口まで1.3kmの小さな標識を確認して、林道を右に進む。更に鳴山林道を左に見送って右へと進み、橋を三回渡ると車二三台の駐車スペースに達する。ここが鶏鳴山登山口である。左手の鉄板の橋を渡ると鶏鳴山へ進む。昨年の1月22日にここから鶏鳴山に登った。
3 登山口 − 中山  途中まで作業道を登り、桧植林の西尾根に取り付く  中山の山頂
 中山の西尾根を辿ろうと決めてきたので、登山口周辺で取り付きを探す。30m程林道を北進すると、右手に荒れた作業道を発見した。先ずはこの作業道を東に登っていった。道は現在は使われていないようで、倒木や下草で荒れ放題である。刺のあるブッシュにやや悩まされた。、登ってゆくうちに徐々に道は良くなってきて助かった。作業道は西尾根の右手をジグザグに登っていったが、標高530mあたりで切れてしまったので、左手の西尾根に取り付いた。桧植林(一部杉植林)の山なのでヤブが少ないので助かる。
 時々振り返ると真後ろ(西)に鶏鳴山が樹木に透けて見える。鶏鳴山北峰の北斜面(最終的にここを登る)の勾配はかなりきつそうだ。西尾根を急登していくと、山頂直下で作業道に出合う。これを突っ切って進むと、すぐに中山の頂上に着いた。山頂は植林の中で、山部薮人氏の山名板がなければ、山頂とは気付かないであろう。山名板の前に四等三角点が木の枝に埋もれかけていた。
4 中山 − 主尾根 植林の尾根歩き 前半は伐採廃材に悩まされるがヤブは少ない 
 中山から主尾根までには、三つのピークを越す必要がある。先ずは最初の618ピークに向けて磁石を北西にセットして、尾根を下る。尾根は細くヤブもなく、とても歩きやすい。これなら主尾根まで短時間で行けると、尾根をドンドン下ってゆく。方向が段々北向になってきた。更に左手に小ピークが見えるようになって、尾根筋を間違えた主尾根手前の紅葉ことに気付く。地形図をよく確認して来た道を戻る。間違に気付いて引返すときは、ゆっくり戻っているつもりでも焦りと動揺で普段以上にペースがあがりがちで疲労が大きい。中山山頂近くまで戻ると、北西に進む尾根が見つかった。30分程ロスしてしまった。
 方向は北西、前方には小ピーク(618P)も確認できる。今度は間違いないことを充分確認して尾根を下る。この尾根上には伐採廃材が放置されていて、先刻間違えた尾根とは大違いで歩くのに苦労する。鞍部からの登りになると、廃材がやや少なくなり助かったと思う間もなく、今度は下地が軟らかい斜面の急登で悩まされる。それでもヤブがないのが何より。618ピークは雑木で紅葉も残している。
 618Pから桧植林の尾根を北西に下る。伐採廃材が少なくなったので脚が捗る。次の小ピークを越した鞍部付近は右手が桧の幼木のためか笹が少しばかり目に付いた。鞍部を緩やかにアップダウンしていると左下から作業道が登ってきて、630Pの方に延びている。この山系は林業が盛んのようで下の方からはチェンソーの音が間近に聞こえる。鞍部から僅かな登りで630ピークに達する。桧植林の中で展望はないが、左手に鶏鳴山の頭がなんとか見える程度。
 630Pから少しの間、緩やかに西にアップダウンを重ねる。鶏鳴山が左手に間近になる。雑木になり北西に大真名子山から女峰山の山容が樹木の間からもはっきり見て取れる。北東には高原山まで確認できた。このように予想もしていないものを突然見ることができるのは、落葉期の尾根歩きの楽しみのひとつ。おまけに日差しも出てきた。主尾根が近づくにつれて勾配が急になり、落葉が増えてつらい登りになる。樹間が広く掴まる物がないので這って登るところも多い。危険な所がないのが幸い。14℃と小生にとっては気温が高いせいもあり、大汗をかいてやっとのことで主尾根に辿り付く。多少余裕ができて周辺の紅葉を楽しめた。

5 主尾根 − 鶏鳴山  落葉樹の尾根歩き 北峰斜面は急勾配で這って登る 北峰からの眺望は抜群
 主尾根に取り付くと、葉を落とした雑木の急登になる。主尾根に取り付いて30分もすると、痩せ尾根の急勾配で落葉と疎らな樹木でまたもや這って登る。840mのピークで一休み。休猟区の看板があり、今市の市街鶏鳴山北峰からの展望 : 日光連山と前日光の山々が見通せる。前方には急峻な鶏鳴山が間近に見える。あれを登るの、という感じ。このピークから南西に下り始めると、男体山、大真名子山、小真名子山、女峰山が透かしながら明瞭に見える。これほどの展望は期待していなかったので、少しは疲れもやわらぐ。更に進むと、鳴虫山まで見えた。下りは体力的には楽なのだが、落葉で滑るので注意を払う。
 鞍部からしばらくは岩っぽい痩せ尾根を急登で木や岩に捉まって登る。踏跡はあるようだが落葉で隠れている。標高880m付近からは尾根幅が広くなり、急斜面登りとなる。軟らかい下地、落葉と疎らな樹木で這って登るのも容易でない。小さな手がかりを探しながら亀が這うようように登る。悪戦苦闘15分で北の肩にたどり着き、登山口からの道に出合った時にはホットする。今までの苦労に比例してその喜びは大きい。5分程ノンビリと登山道を進むと北峰の山頂に達する。
 鶏鳴山に行って休もうと、岩の上に祀られた四つの石祠を通過してビックリ!! 昨年の1月に登山口から登ってきたときには、樹林で展望がなかったが、右手に日光連山、前日光から足尾の山々がオープンに見えるのだ!! 北西斜面の樹木を切り倒して展望所ができている。小さなベンチまで設置してある。切り倒した木が斜面にまだ放置されされている。丁度夕日岳の北側が伐採されているのと同じ。賛否両論があろうが、この程度のことは許されるのではなかろうか。
 展望は復路でまた楽しむことにして、鶏鳴山に歩を進める。山頂は樹林の中で展望は余りない。三角形の尾出山を中心に安蘇の山が一部望める。三角点があるのでもちろんこちらが主だが、北峰の好展望で主従逆転してしまったように感じる。
6 下山中山(鶏鳴山北峰から見下ろす)
 日光連山を見るために南隣の峰の直下にある展望台まで脚を伸ばそうとしていたが、鶏鳴山の北峰から素晴らしい展望が得られたので行く意味がなくなった。長居は無用と下山にかかる。北峰に戻ると眺望の素晴らしさに、脚を止めて握り飯を頬張りながら再度展望を楽しむ。先刻から賑やかな声を発していた数人の男女グループが鶏鳴山の方へ素通りしてくれた。静けさが保ててよかった!!
 北峰の肩から急降下が続く。途中三箇所にロープが張ってあった。途中で作業道を突っ切ったり、作業道歩きをしながら高度を下げてゆく。作業道があちこちに張り巡らしてあるようで、林業が盛んな様子が伺える。あえぎながら登ってくる群馬からの夫婦に途中で出逢う。植林の中を東に向かって下り、標高640mあたりで南東よりに向きを変えると日洩れがなくなり暗くなる。そこから10分も下ると右手に林道が見え出し、すぐに林道に出合う。ここには鶏鳴山登山口の道標を見かける。
 林道を下ってゆくと、右手の護衛神社付近に建設中の大きなログハウスが見える。観光施設でも造っているのであろうか。前回来たときは護衛神社への踏跡しかなかったのに立派な道まで設置されていた。そこからすぐに登山口に到着した。沢に頑丈な鉄板の橋がかかっているが、前回はこんな立派な物ではなかったように記憶しているのだが。
 登山口からゲートまで戻る途中でトラック三台とすれ違う。中居林道は10/29〜1/22の間、工事中で全面通行止めの看板も途中で見かけた。今朝、ゲートのチェーンを外して車を乗り入れなかったのは正解だったようだ。ゲートに戻るといつものように(?)チェーンは外したままになっていた。
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