ひとり山歩き119 : 小戸林道終点の登山口から熊鷹山に登り、丸岩岳・奈良部山へと尾根歩きを楽しみ、奈良部山頂の少し北から踏跡の全くない北東尾根を下って直接登山口に戻りました。コナラ等の落葉樹はすっかり葉を落とし、ツツジ・カエデ等のかん木は紅葉していました。
熊鷹山〜丸岩岳〜奈良部山尾根歩きを楽しむ
2003年11月4日(火) 晴れ
1 行程
自宅(4:50) = 熊鷹山登山口(小戸林道終点)(6:20/6:30) − 丸岩岳分岐(6:50) − 鳥居(丸岩岳分岐)(8:05) − 熊鷹山(8:10/8:30) − 丸岩岳(9:00/9:05) − 石祠(作原分岐)(9:10) − 奈良部山(10:05/10:25) − 尾根取り付き(10:30) − 熊鷹山登山口(11:25/11:35) = 自宅(13:00)
2 自宅 − 熊鷹山登山口熊鷹山登山口(小戸林道終点)
 昨年11月6日に根本山〜野峰の尾根歩きをした際、奈良部山には足を伸ばせなかった。爾来気になっていた奈良部山を計画した。併せて熊鷹山から日光連山の遠望と周辺の紅葉を楽しむ考えで、小戸林道終点から先ずは熊鷹山に登り、丸岩岳経由で奈良部山まで尾根歩きを計画した。
 栃木県道201号で作原に向かう。小戸口で左折して2kmも進むと砂利道となる。このダート道は段々細くなるが、処々で離合できる幅があり不安感はない。ダートは荒れが少なく、乗用車でも問題ない。約4km小戸川に沿って進むと、砂防ダムで林道終点となる。ここが熊鷹山登山口で10台位は駐車できそう。熊鷹山はダム横から小戸川に沿って北に進む。
 左俣の左岸を東に向かって作業道が敷かれている。その先には紅葉した丸岩岳と奈良部山の稜線が見える。復路では奈良部山から登山口に直接下れそうなことを確認して、熊鷹山に向かう。
3 登山口 − 熊鷹山  登山道は明瞭 静かな山歩きを楽しむ丸岩岳(中央) 奈良部山(左)  (熊鷹山頂から)
 やっと色づいてきた雑木の小戸川右岸を緩やかに登ってゆく。沢を二度ほど渉り返す20分も進むと、左に丸岩岳分岐を見送る。この間に、真板の滝、仙の滝、11本杉と通過する。
 分岐のすぐ先にも小坂の一の滝、小坂の滝、小坂水神宮と相次いで小さな滝を目にする。中には、沢淵まで下りねば見えないものも混ざる。何度か沢を渉り返しながら進むと、栃木県特産指定のワサビ田も見られる。その先に夫婦杉まで現れる。この登山道は地形図には載っていないが、道筋はしっかりしている上に標示も整備されている。結構歩く人は多いようである。
 登山口からは押し並べて北西に沢沿いに登って来たが、約1時間、標高で300m程登ると、小戸川本流から分かれて、北北東に涸沢の右岸を進むようになる。広葉樹の落ち葉は登るにつれて増え、道に堆積して滑りやすくなってくる。徐々に谷は浅くなり落ち葉も増えて、振り向くと丸岩岳が枝の合間からクッキリと見えるようになる。沢本流から分かれて約15分(標高970m)に熊鷹山の道標を見る。道標にはあと30分、と記入してあった。笹原をジグザグに登ってゆくと、方向は北西に変わってゆく。北西向きになると尾根に(標高1040m)に達する。そこからは熊鷹山頂に向かう尾根の左手(南側)をトラバースしながら北西に緩やかに登ってゆく。途中はかん木の紅葉を左手に丸岩から奈良部にかけての稜線を見ながらノンビリと歩ける。
 尾根に達して10分で、道標と鳥居がある南西に延びる尾根に登りつく。ここが丸岩岳分岐になる。取りあえずは右の熊鷹山頂を目指す。鳥居からほんの僅か登ると、木の櫓が設置されている熊鷹山頂上に到着する。
 櫓の上に登ると風をまともに受け寒さを感じる。温度は10℃であったが、体感温度はかなり低く感じる。晴れてはいるのだが日光連山等遠方は霞んでいる。今日の目的のひとつである遠望は駄目だった。横根山、石裂山、尾出山等前日光・安蘇の山々はよく見える。これから歩く熊鷹〜丸岩〜奈良部の稜線もハッキリしているのだが。根本山が紅葉していて見映えがするが、丸岩への稜線ぱっとしなかった。昨年の今ごろの方がもっと色づいていたように感じた。 
4 熊鷹山 − 丸岩岳 − 奈良部山  踏跡は薄いが尾根筋は単調なので安心して歩ける
 先刻登ってきた道を鳥居目指して下り、左に作原(熊鷹山登山口)を見送り南西に緩やかに下る。鳥居のすぐ先で右に梅田(三境山紅葉(丸岩岳手前)林道分岐)への道を見送ると、踏跡はグット薄くなる。葉を落とした広葉樹林帯の笹原尾根歩きになる。西風が強い。樹木が多少風を遮ってくれるが体感温度は低い。昨年ここを野峰に向かったときには雪がちらついていたことを思い出す。この辺はどうやら風の通り道らしい。
 ツツジ、カエデ等のかん木が所々で紅葉しているのが目の保養となる。熊鷹山頂から20分で1084ピークを越して丸岩岳への登りになる。登り口に左に巻き道があるが、ここは右の丸岩山頂を目指す。数分の登りで丸岩山頂上に到着する。山頂は樹林の中で展望は期待できない。最近取り付けられた山部薮人氏の山名プレートが輝いている。左:作原、真っ直ぐ:野峰の古びた標識も目に付く。
 昨年は丸岩岳から野峰に向かったので、これから進む奈良部方面は初めてとなる。丸岩岳山頂から笹道を左(東)に5分程下ると、左から巻き道を合わせ、すぐ傍に石祠奈良部山頂祀られている。真っ直ぐ(東)に下ると往路で通過した丸岩岳分岐経由で登山口に通じる。復路でひょっとしたら、ここから下山するかもしれないので、念のために踏跡を確認しておいた。
 石祠から尾根に沿って南に下る。笹原を10分程緩やかに下ってゆくと、右手に石鴨林道が目に入る。尾根筋を歩いているうちに林道は隠れてしまったが、林道は尾根に沿って1043ピークあたりまで延びているらしい。鞍部から小ピークを三つ越すが、真中のピークが1043ピーク。すぐ先の三番目の小ピークを越すと、方向は南から南東に変わる。小ピークからの下りは結構急で落ち葉で滑り歩きづらい。樹木の間から前方に奈良部山が迫ってくる。
 鞍部からは岩っぽい痩せ尾根歩きとなるが、右に巻く踏跡があるがかなり下りそうなので、痩せ尾根を通ることにした。地形図に現れない小さいコブを幾つか越し、5分程登ると奈良部山山頂に着く。山頂部は樹林の中の小広場で、三等三角点が設置してある。ここも展望はない。山部氏の山名プレートがここでも輝いていた。
5 下山  奈良部山頂の北から北東尾根を直降下
 小戸林道の熊鷹山登山口に直接下るには、@奈良部山頂の少し南に下って北東に延びる尾根を下るか、A山頂から少し北に戻り、北東に延びる尾根を下るかの二つの案がある。@は尾根の先端が広く急降下となり、登山口から少し離れた所に下ってしまいそうなので、ここはAを選び登山口で確認した林道付近への下山を目指すことにした。
 往路を5分程戻ると右手に急勾配の尾根を見つけ、ここから尾根に取り付いた。落葉樹林の急降下で、立木から立木に伝わりながらの下りを強いられる。前方に頭を覗かせる三角錐の尾出山の方向に下ってゆくと、約15分(標高850m)で尾根が細くなりやや歩き易くなった。踏跡はいうに及ばず獣道も見当たらない。増してやリボン等の人工物は全くない。幸いなのは薮が全くないことである。こんな所を歩くのが大好き!!
 しばらくは岩の多いやせ尾根歩きとなる。標高750m位まで下ると、左下から沢音が聞こえ始めた。標高650mあたりから尾根は広くなり左すぐ下に沢が見えるようになる。杉植林の滑り易い急斜面を下ると、沢にたどり着いた。沢筋にはワサビ田があり、沢の左岸に作業道がありこれを進むと、丸岩岳の東尾根に通じると思われる明瞭な道に通じた。この道はすぐに軽トラ幅に広がり、砂防ダムの多い沢の左岩を下って行くと登山口に到着した。この作業道が出掛けに確認した道だったのだ。登山口には熊谷ナンバーのSUVが駐めてあった。多分熊鷹山に登っているのであろう。 
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