ひとり山歩き109 : 金精峠から奥白根山をピストンしてきました。久しぶりに好天に恵まれ展望を楽しめました。行程の大部分が2200m以上であり、下界とは異なりとても爽やかな山歩きができました。
金精峠から奥白根山
2003年8月29日(金) 晴れ
1 行程
自宅(3:25) = 金精トンネル(5:20/5:30) − 金精峠(6:00) − 金精山(6:45/6:50) − 国境平(7:10) − 五色山(7:35/7:45) − 弥陀ケ池(8:20/8:25) − 奥白根山(9:35/9:55) − 避難小屋(10:40) − 錫ケ岳分岐(10:50/11:00) − 前白根山(11:20/11:25) − 五色山(11:50/11:55) − 国境平(12:20) − 金精山(12:40/12:50) − 金精峠(13:25/13:30) − 金精トンネル(13:50/14:00) = 自宅(16:20)
2 自宅 − 金精トンネル
 今年の天気は読み難い。天気予報で四日後に晴れるからと計画を立てると、翌日の予報では悪天候になっている。そのような訳で遠出の計画は立て難くいので、明日は大丈夫そうと急遽計画を立てることになる。
 今年は未だ奥白根山に登っていないので、未踏破ルートの金精峠からピストンすることにした。強いていうならば密かに狙っている白根隠山の南東尾根の標高2000m付近の様子を前白根山付近から眺めることにある。  
3 往路(五色山・弥陀ケ池経由)  久しぶりの好天  風も爽やか
 金精トンネル駐車場は付近の山崩れの工事現場の出入り口となっているので、邪魔にならないように道路側に車を停める。金精トンネル付近および温泉ケ岳の中腹は山崩れが酷い。これから登る金精峠と金精山も崩壊が酷い。今日崩れることはあるまいと、登山カードを投入して金精峠に向かう。登山口からすぐに崩壊の進んだ道を登ることになるが、来るたびに土止めや梯子の設置が進んでいるようである。金精峠まで標高にして約200m登らねばならないが、半分以上は土止めの丸太階段登りでかなりハードである。前方に金精神社が見えて金精峠に着くといつものことだがホットする。峠から谷間に見える男体山の展望も好きなひとつ。白根山頂から錫ケ岳
 峠から金精山への道は、最初はなだらかに尾根を南に向かう。時々左手が開けて日光連山が楽しめる。やがて西に向かってガレ場を急登する。燧ケ岳と鬼怒沼方面の山々が展望できる。標高2100m位になると、登る方向は南になりロープと梯子の助けを借りることになる。このあたりまでは崩壊が進んでいるので慎重な行動が必要である。復路で出会った人によると登山道は昔(いつ頃の事かは聞かなかった)に比べてだいぶ変わった、といっていた。ダケカンバが目に付くと稜線に達し、ほんの僅かで金精山頂上に着く。山頂からは日光連山方面の展望が良い。前回(6月27日)はガスが多く、もうひとつの感あった。
 金精山からコメツガ樹林を一旦下る。途中で花の写真を撮っていたら、半ズボンの同年輩の単独行者が猛烈な勢いで追い越して行った。鞍部から緩やかに僅か登り返すと、左から湯元からの道を合わせる。ここが国境平である。たいそうな名前がついているが笹原の小広場である。
 国境平からは笹が深くなり、道にはみだした笹で下半身が濡れる。勾配はきつくないが、道筋は窪んだところが多い。五色山が近づくと左手が開け前白根山から湯元あたりの展望が良い。山頂手前からの展望は抜群で、日光連山の眺めはお気に入りの一つ。五色山山頂は背の低いダケカンバが多少生えているが、総じて展望は良い。眼の前に聳える白根山は迫力満点。その下にはエメラルドグリーンの五色沼。白錫尾根の白根隠山から白檜岳と久しぶりに展望を満喫できた。
 白根山には過去三度登っているが、北側(弥陀ケ池)から一回、南東側(避難小屋)から二回である。今日は弥陀ケ池から登り、避難小屋に下りることにして、弥陀ケ池に向かう。ダケカンバの疎林を下ってゆくと、植生回復の電気フェンスをめぐらした五色沼分岐に至る。昨年の6月に通ったときはフェンス内にシラネアオイが咲いていたが、今は時期外れ。その代りにマルバダケブキが咲いていた。更に下り、もうひとつ小さなピ−クを越すと弥陀ケ池に着く。途中にマルバダケブキとハンゴウソウを見かけた。これらの花は避難小屋に下るまであちこちで見かけた。
 弥陀ケ池の登山口周辺のフェンス内にもマルバダケブキと紫色の花(遠くて不明)が目の保養となった。このルートは行程の殆ど急登である。日光連山(白根山頂から)日射はあるが、西風が爽やかで急登もあまり苦にならない。標高2350M位で森林限界を越すと。ガレ場が更に酷くなり、上を見上げると岩が崩れて落ちてくるのではとの恐怖を感じる。一昨年の6月に初めて登ったときには脚がすくんでなかなか前へ進まなかったことを思い出して苦笑する。疲れると立ち止まって展望を楽しむ。後ろの菅沼・丸沼方面は展望が良く効くが、燧ケ岳等尾瀬方面は山頂部にガスがかかっている。山頂直下で金精山直下で追い越していった人が下ってきた。この人は前白根山経由で南東側から登ったとのこと。かなりの健脚だ。ばてた顔していたのか頂上はもうすぐですよ、と元気付けられる。発奮してひと登りすると手前のピークで、隣の山頂には数人認められた。山頂からの展望と少し異なるので、ここで撮影して奥白根山頂上に向かった。過去三度とも好天に恵まれ展望を十分楽しんだが、今日は西側の山々はガスの中。適当に風もあるのにガスの中とは!! 最近は雨が多いので、ガスが立ちやすいのか?? 現在もっとも興味を持っている白錫尾根から続く群馬県境尾根は幸い錫ケ岳〜皇海山〜袈裟丸山まで見通せた。いつの日にかこの尾根を一気通貫で縦走してみたいという夢を持っているのだが、果たして実現すやら?? 男体山を中心とする日光連山はガスがかかっていないが、逆光気味で写真写りが良くない。  
4 復路(避難小屋・前白根山経由) 金精峠〜奥白根山ルートは利用者結構多そう
 山頂から見ていると避難小屋方面に下る人が圧倒的に多いようである。弥陀ケ池側からの登りに比べて道の荒れ方が少ないので好まれるのか。そんなことを考えているうちに西側からガスが吹き上げてきたので、下山にかかる。
 最初は砂礫の道を白根隠山を前にしながら下り、やがて道はガレ出す。標高2350mあたりからダケカンバの樹林に入るが道は相変わらずガレている。標高約2250mでダケカンバの樹林から抜け出し左に折れると、避難小屋はすぐである。
 避難小屋から北東に約70m登ると錫ケ岳分岐に達する。右に錫ケ岳の小さな道標が目に付いた。以前はなかったように思う。多少余裕が奥白根山と五色沼(前白根山から)あったので白根隠山まで行って南東尾根を偵察しようか、と思ったが、分岐からも南東尾根が見えたし傍で見るより遠くから見た方が概要は分かるので行くのは止めた。この分岐から前白根山の間で南東尾根を観察したが、白根隠山の裸ピークとは全く異なりこんもりした樹林の尾根である。標高2000mから下は想像以上に勾配が急であることが分かった。ガレ斜面を登りきると前白根山の頂上でここからの白根山、五色沼等の展望も素晴らしい。心地よい風がなによりの贈り物。
 今日のコースでは金精山〜国境平と前白根五色沼(前白根山付近から)山〜五色山の間を除いては、何らかの格好で歩いている。その未通過区間の前白根山から五色山の道は岩が多い。下って登り返さねばならないが、右手に日光連山、温泉ケ岳から根名草山あたりが展望できるので、それ程疲れは感じない。60m程急登すると五色山頂上に達する。前白根山から五色山を歩く人は多い。
 五色山からの景色は少しだけ国境平に向かった所が最高!! ここからの日光連山、湯元あたりの展望は抜群。写真を撮って後は一目散に下山する。国境平を過ぎて金精山への登り返しは大した高さでないが結構こたえた。金精山で休憩しながら景色を楽しんでいると、これから五色山方面に向かう単独行者がいた。今夜は避難小屋に泊まるのであろうか。
 金精山からの下りで単独行者を追い抜く。今日は金精山付近で三名に出逢った。このコースは結構利用する人は多いようだ。金精峠まで下ると、同年輩の夫婦がラーメンを食べながら憩っていた。どこまで行ってきたのですか、という問いから判断してこの周辺までのハイカーであろうか。金精トンネルまでの丸太階段下りは、脚を庇いながらの下りとなる。駐車場に戻ると車は5台程停まっていた。
5 金精トンネル − 自宅  猿に餌をやるのはやめよう
 中善寺温泉から日光神橋あたりまでは、最近になく混雑していた。子供連れが多いので、夏休み最後を楽しんでいるのであろう。
 いろは坂を下って清滝へ向かう途中で、猿が沿道に投げられたコンビニ包み(三・四個)に群れていた。猿に餌をやって面白がっている奴が多いのであろう。猿に観光客が襲われているところをテレビで時々放送しているが、これは一種のやらせだ、と私は思っている。二台前の車が猿を見て急にスピードを緩めた。見物しようという魂胆らしい。危険なので警笛を鳴らしたら、猿は平然とコンビニ袋を漁っていたが、二台前の車は危険に気づいたのかスピードを元に戻した。最近は警笛を鳴らすのも命がけ!? 事なきを得て安堵。
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