ひとり山歩き103 : 大峠林道から栃木/福島県境の流石山・大倉山・三倉山をピストンしてきました。大峠から流石山斜面のお花畑はニッコウキスゲ、ウラジオヨウラク等の花々が目に付きました。見頃はもう少し先のようです。
流石山〜大倉山〜三倉山

2003年7月3日(木) 晴れ/曇り
1 行程
自宅(2:30) − 大峠林道P(5:35/5:40) − 林道終点(6:05) − 大峠(6:45/6:50) − 流石山(7:55/8:10) − 大倉山(9:05/9:10) − 三倉山(9:40/9:55) − 大倉山(10:25/10:30) − 流石山(11:15/11:20) − 大峠(12:00/12:05) − 林道終点(12:25) − 林道P(12:45/13:00) − 自宅(16:05)
2 自宅 − 大峠林道
 今年の梅雨は降雨量は少ないが、日照時間も少ない。天気予報を見て明日は降るかも知れないと山行を中止すると、思いのほか天気がよくて山に行けばよかった、と残念に思うことが多い。7月中旬に行くつもり流石山の斜面(大峠かr)でいた流石山に行けるときに行っておこうと前日の予報を見て決める。
 国分寺町から鹿沼市に出て、R121で福島県の田島町を目指す。藤原町あたりから小雨が降りだす。今日の読みは外れたかと思いながら進むと、山王峠を越すと雨は上がり、田島町が近づく頃には青空も見える。山ひとつ越すと天気は変わること何度も経験しているが、よい方に変わるのは大歓迎だ。
 下郷町でR121から養鱒公園駅付近から大峠林道に入ってゆく。途中で観音沼森林自然公園、野際新田、日暮滝を経由しながら進む。日暮滝から2km程先で右に雨量観測所を見る。この先1kmで舗装が切れる。さらに400m進んだ所で工事中の立札を見て、路肩に車を停めて林道終点まで歩く。車を停めた所から道は細くなりやや下る。砂防ダムを見て右に登ってゆくと、これ以降車乗り入れ禁止の標示がある。ここまでは道はよくないが乗用車でも進入可能。現に復路で2台停まっているのを見た。更に10分で林道終点に到着する。林道終点までは一本道なので間違えようがないので安心して歩ける。
3 大峠林道 − 流石山  大峠から流石山斜面のお花畑は素晴らしい
 ダケカンバ、ブナ、カラマツ等の林の中の浮石の多い道を南に向かって緩やかに登ってゆく。この道には石畳跡や一里塚の記念碑等から昔の街道跡ということが推測できる。約5分で左に鏡沼への道を分ける。更に進むと、クマザサの多い斜面を右に巻くように進む。今日のコースでもっともコンディションの悪い所であった。ウラジオヨウラク(左) ニッコウキスゲ(右)ここを通り過ぎると右下から登ってくる踏跡に出合う。ここを左(南)へ登ってゆく。でこぼこ道を数分登ると急にあたりが開けた大峠に達する。そのまま南に進むと三斗小屋に通じる。左(東)に登ると三本槍岳。右(西)に登ると流石山となる。背の高い樹木がないので見通しはよい。なにより素晴らしいのは流石山への斜面で、一面がお花畑なのだ!!
 一面に咲くニッコウキスゲに惹かれるように流石山への斜面に取り付く。最初は膝くらいの笹道なのですぐに下半身がずぶ濡れとなる。花に見とれて雨具を着用しなかった付けがくる。天気もよいのでそのまま進む。幸いすぐに笹が少なくなり助かる。斜面に咲く花で目に付いたのは、ニッコウキスゲとウラジオヨユラクであった。特にニッコウキスゲは上部の方まで黄色の花が見える。それでも満開はまだ先のようであった。その他にウサギギク、オニシモツケ、ヤマカラマ大倉山〜三倉山の稜線 (流石山から)ツ、ハクサンフウロ、コバケイソウ、シナノキンバイ等が道脇に見られた。その他にもあるのだが名前を知らない。
 大峠からは急な尾根を直登するので、花を見ながらとはいえ息が上がる。時々振り返ってみると、段々茶臼岳が姿をあらわしてくる。その斜面から噴煙がのぼっているのもクッキリ見えるようになる。三本槍岳は云うに及ばず北東に鋭角な旭岳も間近に見える。無人で静寂で一面お花畑、楽園があるとしたらこのような所なのかなア、と想像する。
 標高1700m位になると再び背の高い笹が多くなり、花もぐっと少なくなる。更に標高で50mも登るとハクサンシャクナゲが目立つようになり、ピークに達する。ここからの登り勾配は小さくなる。背の高い樹木がないので全展望の尾根歩きが始まる。2000m以下の山でこんなに樹木の少ない山も珍しい。右下に会津の街並みを見ながら進むと、すぐに流石山頂上に到着した。山頂には三等三角点と標柱が設置されている。樹木がないのでプラスチックの山名プレートが三角点の傍に置いてあった。山頂からは、これから進む大倉山から三倉山への稜線が間近に見える。南に目を向けると小さな池が遠方に見える。沼原湿原にある沼原池のようである。
4 流石山 − 三倉山  稜線からは全展望で那須岳の全容が望める三倉山 (大倉山から)
 流石山から三倉山まではいくつかのピークを越すが標高差が小さいのでノンビリ歩ける。なだらかな大倉山、鋭角な三倉山と変化がある。道筋は下草は笹でハクサンシャクナゲが彩りをつけている。ハクサンシャクナゲは途中いたるところで開花している。流石山斜面と異なり、この尾根ではあまり花は見かけなかった。
 大倉山手前の1831ピークへの登りでは二つの小さな池塘を見かける。キスゲ沼と五葉ノ泉の標識があった。キスゲ沼付近では小さなカエル(モリアオガエルと云うらしい)が道端を跳ねているのを見た。1891ピークを越すとハイマツで囲まれた大倉山頂に達する。ここからも全展望で那須岳はよく見えるが、遠方の山々はガスで見えない。条件がよければさぞ素晴らしい展望であろう。山頂には三本の標柱のみで山名プレートはない。ここから最も印象的なのはピラミダルな三倉山である。
 大倉山から笹とシャクナゲの道をほんの僅か下って1854ピークを越して登り返すと三倉山山頂である。ここも笹原で標柱が一本立っているだけ。ここも全展望だがガスが増えてきて那須岳もかすんでくる。蝿が多くうるさいので、退散。
5 復路那須岳(右が茶臼岳) (大倉山から)
 復路は那須岳を見ながらとなるが、段々ガスが増えてきて茶臼岳も見え隠れするようになってきた。往路では気にならなかったが、大倉山も蝿が多い。仕方がないのでアンパンを取り出して歩きながら食する。何故こんな所に蝿が多いのであろう?1831ピークを下っていると夫婦が登ってきた。更に流石山付近で立続けに3組5人と出逢う。
 流石山の下りではガスで展望は楽しめなくなったので、花の写真を撮りながら下る。家で図鑑で名称を調べようとマクロで写すがうまく取れない。大峠に下ると宇都宮市からの単独行者がこれから流石山に登ろうとしていた。この人の話では以前に比べて道がよくなった。日暮滝付近に車を置いて林道をテクテク歩いたこともあるなど話してくれた。
 林道の車乗り入れ禁止場所に乗用車2台とRV車が3台が停まっていた。今の所は降雨量が少ないせいかここまで乗り入れできるが、大雨が降るとどうであろうか。舗装終点に車を停めても30分の歩行が増えるだけ。大した問題ではない。
6 帰路
 復路でもやはり山王峠あたりから雨模様となる。鬼怒川温泉あたりで雨が止み空も明るくなる。山ひとつ越すだけで大違い。復路の所要時間は往路と全く同じ。こんなの滅多にない。交通量が少ないのはよそ者にはよいであろうが、地元にはそれなりの悩みもあるのではなかろうか。
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